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2025年1月24日(金)
災害は忘れたころに 住まいの耐震強化は防災?!
ハードとソフトの耐震対策が身を守る
28年前となる衝撃的な破壊の阪神・淡路大地震では、都市直下型の激しい揺れで多くの建物の倒壊により圧死され、瓦礫や家具に挟まれ逃げ遅れ火災に巻き込まれて亡くなった多くの人が犠牲となりました。そののちの2011年の東日本大震災では巨大な津波によって2万人以上の方が流され傷ましくも犠牲となり、さらに恐るべきことは、沿岸部にある原発のもろさも露呈したことです。
もはや絶望的とも言えるこの2つの大地震は同時に今後の地震対策、防災に示唆も与えていたのです。住まいや都市の安全対策や有効な耐震補強のヒントも与えてくれていたのです。
そして2016年の熊本地震。その後の各家々の家具は固定され、床から天井までの造り付けにするなど食器など物が飛び出さないようにし、部屋に閉じ込められないように扉を引き戸にするなど避難経路を確保するなど逃げやすくするなどが有効のようでした。
おかげで震度7クラスが二度も来る激しい揺れから多くの建物が破壊されたにもかかわらず犠牲者を最小限に防いでいたようにも思われます。しかしその犠牲者の多くが高齢者で、その後の体調異変や不安などの関連死が多いことも問題となりました。こうしてハードとソフトの両面からの耐震補強や防災の意識も高め、何よりも家族や近隣がいざと言うときの共通の取り決めをするなどが大切で、近隣との絆を深め、個々の身を守るシミュレーションの重要性も教えてくれました。この先わが国はますます高齢者が多くなることを考えると、こうした災害からいかに多くの人命を救うかが問題となります。
ちょっとした耐震対策の積み重ねが大きな防災となる
まずは家の中の固定しにくい冷蔵庫などの家電も家具などにビルトインし、機器の下に吸震クッションを敷くなど、手前を少し高くするだけでも、避難路をふさがないようになります。リフォームの際、快適さだけでなく、方杖や筋交いなどをインテリアデザインとして取り入れ、耐震補強し、建物の屋外には沖縄の民家にあるような防御柵も考えるのです。各地で頻繁に起こる線状降水帯などの豪雨や洪水や強風、安価なブロック塀で済ますより、強固な鉄筋コンクリートの擁壁にするなどで、プロテクト強化するのです。
こうしたちょっとした工夫の発想で今のわが家を内外から客観的に見てみるのです。家の中がバランスの良い壁の配置となっていれば壁自体にパワー?があり破壊から免れます。壁がなければ、リフォームの際に柱と柱の間を釘か接着剤で合板を貼り付けて、さらに筋交い強化をします。こうしてわずかな費用で耐震補強ができ、わが家が生き残れ、倒壊や火災を引き起こすことなく、結果として近隣さらには街全体の防災ともなるのです。しかし、なぜか現実のリフォーム現場ではいまだに収納やシステムキッチン、インテリアなどが見映えばかりが優先されてしまうようです。

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