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2025年2月27日(木)
ホームインスペクションで中古住宅購入のリスク回避!設備調査が重要な理由
みなさまご承知の通り、新築価格が大幅に上昇。
新築戸建・マンションともに大半の方々が購入できる価格の限界を超えてしまうことが多くなりました。
中古住宅購入前に知っておきたいホームインスペクションの必要性を説明したコラムです。
そこで、多くの方々が中古住宅(戸建・マンション)に大きな関心を寄せていらっしゃいます。
2023年度において、新築注文住宅の相場は5,867万円でしたが、中古物件は約3,532万円。
この価格の魅力で中古住宅に関心をもつ方々が増えています。
※出典:令和5年度住宅市場動向調査:国土交通省
ただ、中古住宅は建築してからそれなりの年月が経過していることから経年劣化が進んでいること、建物メンテナンスの状況についても、物件により大きな差が出てしまうことは、みなさまご承知おきのことかと存じます。
そこで今回は、中古物件を購入してから後悔しないために、「ホームインスペクション」でそのリスクを回避する方法をご紹介します。
【必読】中古物件購入前に見落としがちな5つの重要ポイント
中古物件購入前に重要な5つのチャックポイント
中古物件の購入検討にあたって、いくつかチェックすべき点が。まず、中古物件の購入候補を絞るためのチェックポイントを解説します。
1.なぜ、その物件が売りに出ているのか?
購入を検討している中古物件が、実は【ワケアリ物件】かもしれません。相場より安い物件の場合、たとえば《事故物件》・《近所トラブル》・《近隣の治安》などの理由が想定できます。
2.敷地境界はどこか
戸建住宅の場合、塀や柵を隣家と共同で建てている場合があります。隣家との敷地境界がはっきりしない場合もあるので、購入前に測量を実施しなければならない場合があります。
3.再建築できない
敷地の条件によっては、住宅が建てられた後の法改正により再建築や増築を制限されている場合があります。
都市計画区域内の物件は特に注意が必要です。
4.土地の権利関係
購入しようとしている物件に抵当権がついている可能性があります。購入する前に、登記事項証明書での確認を怠ってはいけません。
5.大規模リフォームが必要かも
せっかくおトクな価格で中古物件の購入ができても、外壁がひび割れていたり床下が腐食しているといった建物の劣化はもちろん、給排水設備をはじめとする住宅設備の経年劣化が進んでおり、結果として大規模なリフォーム費用がかかる可能性があります。
契約前に必ずホームインスペクション(住宅診断)を行いましょう。
中古マンション購入×リフォームで失敗しないために専門家を見方に付けて進めましょう!
おトクな中古住宅を買うなら必須!ホームインスペクションのメリットとは?
せっかくおトクな価格で中古物件を手に入れても、リフォームに高額な費用がかかってしまうのでは、せっかくのおトク感も一瞬で帳消しです。
中古物件をおトクな価格で手に入れてもリフォームが高額で・・・
少しでもおトクな価格の中古物件を手に入れるためには、必ずプロによるホームインスペクションを受けましょう。
入居してすぐリフォームを検討していなくても、雨漏りや漏水といった重大な欠陷が見つかってしまうと、早急な補修工事が必要になります。そのためにも事前のホームインスペクションが重要な意味をもちます。
ホームインスペクションは1軒あたり4万円~8万円程度の費用がかかりますが、インスペクションの結果をもとに概算リフォーム費用も算出してくれるので、あらかじめ無理のない資金計画を検討することができます。
この概算リフォーム費用を算出しておくことで、住宅ローンの比較検討がよりスムーズに進められるほか、総額での比較検討により物件購入の重要な決め手になることもありえます。
現場に精通した深い経験知に裏付けられたプロの目線は、実際のリフォーム工事費用に近いことがほとんどなのです。
ホームインスペクションの料金を払っても、それ以上に住宅ローンの優適金利や深い安心感を得られることは間違いありません。
中古マンション購入×リフォームで失敗しないために専門家を見方に付けて進めましょう!
中古住宅で多発する水回り・換気・ガス設備の故障リスクと対策方法
中古物件をおトクな価格で手に入れてもリフォームが高額で・・・
ホームインスペクションの現場では、建物劣化につながる外壁のひび割れや床下の腐食に関心が向きがちです。確かに、外壁や床下の修繕は多額の費用がかかるだけに、優先順位は自ずから高くなります。
ただ、ホームインスペクションにおいて、住み始めてから不具合が発生しやすく、住んでからの安全・安心を考えると、設備検査は重要な意味を持ちます。
ホームインスペクションの設備検査では、以下の設備を重要箇所として点検します。
- ・水回り設備:トイレ・キッチン・浴室・洗面台・洗濯機置場など
- ・換気設備:レンジフードファン・トイレならびに浴室換気扇・24時間換気システムなど
- ・ガス設備:給湯器・ガスコンロなど
水回り設備の注意点
購入前の下見において、各所の水が流れるかといった程度のチェックをしない方はまずいません。
ただ、排水管の接続部分からの水漏れ、トイレのロータンクからの水漏れ、トイレ排水管つまりによる汚水逆流、給湯器の電源が入っても点火せずお湯が出ないなど、内見のタイミングでは実際の生活を前提とした念入りな確認は、ほぼできません。
ただ、ホームインスペクションでも見落とされる可能性は、絶対ないわけではありませんが、事前に確認しておくようにしましょう。
換気設備での注意点
換気扇については、スイッチを入れたら回った、というのは当たり前の話。問題は、換気扇や換気口が油混じりのほこりが詰まっていて吸排気能力が著しく低下していたり、浴室換気扇のダクトが天井裏で外れているとか、実はよくある話です。
よって、換気設備回りをしっかり点検することを欠かしていけません。
ガス設備などの給湯設備での注意点
中古物件では、給湯器のトラブルがよく発生します。ガス給湯器の寿命は約10年、エコキュートなどの電気を使う給湯器ではもう少し長持ちする場合が多いのですが、部品供給は長くても製造終了後10年未満。
つまり、10年経過したら壊れて修理したくても部品がない、ということになりかねません。
実際の故障例として挙げられる事例は『追い炊きが使えない』『作動してもすぐ止まる』ことが多いのですが、私の経験上ではありますが、給湯器は利用頻度が高まる盆・正月によく壊れます。
給湯器本体はもちろん、給湯器リモコンも動作が不安定になりがち。
そこで、予防保守の視点で盆・正月を避けて交換!と思っても、それなりにお高いお値段…。かつ、お店やネットで購入して届いたらすぐに使えるわけではない設備は、ついつい後回にしがちです。
ただ、現時点で正常に動作していも、新規取り付け後10年以上経過していたら、まず修理は不可能です。交換になる前提で盆・正月に交換するリスクをどの程度観ておくか、ということも重要な判断です。
真夏や真冬に給湯器が壊れると、まず生活の質は大きく下がってしまうため、しっかり検討しておきましょう。
ガスコンロは、たいてい温度センサーが壊れるか、こびりついたグリル受け皿やごとくの汚れに耐えきれなくなるか、という事例が多いかと思います。
ガスコンロの温度センサーが壊れると、まず補修部品は出ません。ただ、グリル受け皿やごとくは多くの機種で共通の部品設定となっていることが多く、たとえ10年以上経過していても、補修部品として純正品の入手が可能です。
インスペクション会社に確認しておく2つのポイント
インスペクション会社によっては、設備調査は別料金(オプション)という会社もあります。
依頼する予定のインスペクション会社には、以下2点をしっかり確認するようにしましょう。
- ・設備はどこまで調査してもらえるのか
- ・設備調査を依頼すると、どの程度のオプション費用がかかるのか
中古住宅の購入前に必ず実施したい「ホームインスペクション」。これまでに紹介したように、実際購入してから気づいて「予想外の金額がかかった」とならないためにも焦らずに、上記のような点に注意して購入の計画をたてることをおすすめします。
そんな失敗を少しでも軽減するためにも、中古マンション購入×リフォームには専門家を見方に付けて進めましょう!
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