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2025年11月13日(木)
子どもに部屋を貸す?!~子どもと住む
はじめに
最近、家族の形態が少しずつ変化しているようです。老いた夫婦だけの家庭はもとより、独居老人家庭の割合も増えています。たとえ子どもがいても、核家族では一人っ子が多く、兄弟がいません。さらに親子同居も、同居というより「二世帯“別居”生活」が定着しているようです。
親たちが、少子化で少なくなった子どもを気づかってのことなのか――。あるいは「父権の喪失」なのか?「親の発言権が弱くなっているから」なのか? いろいろな見方があります。しかし、こと家づくりにおいては、時に目を覆いたくなるような“父親のふがいない姿勢”を見かけることがあるのです。
特に「子ども部屋」の扱いは、家づくりやリフォームにおいて最優先事項となりがちです。
「子ども部屋は広く、そして快適にしてほしい」という要望が多く、その結果、
「僕の部屋に入らないでよ!」
「私の部屋に入ったでしょ!」
――などと叱咤(?)されることになってしまうのです。
まず、こんなことになる前に知っておきたいのは、“子ども部屋は与えるだけではなく、その与え方が重要”だということです。そこで私は、こう提案しています。「親は『子どもに部屋を貸す』という意識を持ちましょう!」
この考えを話すと、「同感! 私もそうしている」という賛同の声もあれば、「そこまで冷たくしたくない」とか、「自分たちが貧しく苦労したから、子どもにはそんな思いをさせたくない」など、さまざまな意見が返ってきます。中には「子どものために家を建てているんです」と言われることもあり、その意見の多さに私自身が驚かされます。
そんな中で、私が設計をお手伝いする家の平面図には、実は「子ども部屋」という記載がありません。
書いてあっても「予備室」や「洋室A・B」としているのです。子どもがそこに居ても、あえてそうしています。
すると――
「僕の部屋がない!」
「私の部屋は?」
と、子どもたちは怪訝な顔をします。
親御さんも「どうして?」と不思議そうに私の顔を覗き込みますが、私はこうとぼけて言うのです。「お子さんがいらしたんですか? うーん、仕方ない。この“ご主人の書斎”を息子さんに貸してあげてください。そして“奥さまのアトリエ”をお嬢さんに貸してあげてください」と。
夫婦は「えっ、書斎? アトリエ?」と顔を見合わせながらも、私の意図を悟ります。やがてご主人が、「う、うん? お前たちが巣立つまで貸そう!」と宣言するのです。
こうして子どもたちは「父親の書斎」「母親のアトリエ」を“借りて使う”感覚になります。その結果、「おれの部屋」「あたしの部屋」と言うことはなくなるのです。
実際に私が設計したご家族から、最近こんなメールをいただくことが多いのです。
「部屋を汚したままにしていると主人が、
『おい! 家賃取るぞ!』
『お前たちに貸しているんだから綺麗に使え!』
と言うのが口癖で、今も相変わらず主人は吠えております(笑)」
うれしいじゃありませんか。
子どもに感謝されるばかりか、“父親の復権”にもつながったのです。家づくりには決まったマニュアルなどありません。しかし、家づくりのときこそ「親の威厳」を発揮したいものです。

この考え方は、狭いマンションでも十分に可能です。イラストのように、6畳の1部屋を二段ベッドで仕切り、2つの“子どもコーナー”にします。その空いたスペースをリビングとつなげて“みんなの勉強コーナー”とし、そこにご主人のデスクを置くのです。
まさにご主人は、会社の課長であるとともに、わが家の“家長”でもあるのです。
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