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2025年4月1日(火)
核家族した今、同居は簡単にできるのだろうか?~同居は超高齢化に対処できるか?
核家族化と超高齢化
長寿命化が進む一方で、高齢者が要介護状態になるという特殊な事情、それによる経済悪化や財政危機という問題を、今の好景気ムードの中で見過ごしている政策が問題です。原発問題や防災対策といった居住に関わる問題が差し迫っているにも関わらず、オリンピックや集団的自衛権といった議論に終始し、超高齢化や少子化対策が後回しになっているように感じられます。
戦後の経済成長を機に都市へ人口が集中し、地方に取り残された親たちと核家族化が進んだ結果、高齢世帯や独居老人が激増しました。これは医療費や老人の問題だけでなく、若い世代の不安にも繋がっています。病院は寝たきり老人のための病院と化し、若い患者は入院もままならない状況です。行政は医療費を負担しきれず、在宅介護へと誘導しますが、その背景には「親子の同居」への期待があるのです。
しかし、核家族化が進んだ今、同居の実現は容易ではありません。果たして、社会がそんな労働条件になるのでしょうか?

同居の可能性と形態
私は「同居のイエス&ノーかるた」というゲームを作りました。親子がそれぞれ「イエス」か「ノー」で答えていくと、最終的に同居の可能性が分かります。まず、親子が一緒に住める距離に職場があることが重要ですが、遠距離通勤や単身赴任では難しいでしょう。
そこで私は、親夫婦の自立を促すことを提案します。それは、「契約同居」という形です。現代の賃貸併用住宅のように、親の家の一部を若い夫婦に貸し出すのです。これは、老後の資金やリフォームローンを借りる手段にもなります。

契約同居という選択
親子がそれぞれ出した答えを基に、一番下の形態が「完全分離」ならば、無理せずにそれを選ぶべきです。つまり、今の家を減築リフォームして縮め、余った部分を若い夫婦に貸し出すのです。下宿やアパート併用住宅のように、事業資金ローンを活用すれば、年齢に関係なく資金を調達できます。家賃を相場より低めに設定し、緊急時の連絡や手助けを依頼します。
シェアハウスのように他人と住む感覚を持つことで、同居が上手くいくこともあります。賃貸「契約同居」では、実の息子や娘夫婦が戻ってくる例も多いのです。日本人は、親子が別々に住むことを本質的に不本意と感じているのかもしれません。職業形態の変化で核家族化が進みましたが、地方出身者はUターンやJターンを希望することも多いようです。
少子化で長男長女同士の夫婦が増え、夫婦で4人の老親を抱えることも珍しくありません。子どもたちは、親の病気や緊急時に対応できるか不安を抱えています。そこで、親が近くにいるという安心感や、子どもの世話を頼れるというメリットが、同居を後押しする要因にもなります。また、親側も身内の見守りは、現代社会においてかけがえのないセキュリティーとなります。
親子同居にこだわりすぎず、他人と住むような感覚で、ペンションのような楽しい住まいを考えることで、老後の生活資金を確保しながら、若い世代との交流も楽しめます。これが、これからの時代を生き抜く「終の棲家」となるでしょう。


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