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スウェーデン式サウンディング試験(SWS試験)の特徴を第1回の「地盤調査って?」でお伝えしましたが、その中で「簡便で安価」ですが「土の採取ができない」としています。
では、土の採取ができると、どんなメリットがあるのか。
建築基準法施行令93条で、地盤の許容応力度(地盤の強さ)は国土交通大臣が定める方法によって地盤調査を行い、その結果に基づくこととされていますが、「ただし、次の表に掲げる地盤の許容応力度については、地盤の種類に応じて、次の表の数値によることができる」となっています(表-1参照)。
つまり、目視で土の種類が判別できれば、表の通りの地盤の強さがある、と判定できるのです。
■表-1 地盤の許容応力度
これによると、ローム層の地盤の強さは50kN/㎡となっています。一般的な小規模建築物(木造3階建てまで)の接地圧が20kN/㎡~30kN/㎡であることを考えると、もう少し重い建物の確認に対応できることになります。もう少し重い建物というと、例えば、基礎幅の狭い布基礎、鉄筋コンクリートと木造の混構造、地下室、重量鉄骨造などがあります。
ローム層は火山灰質土と呼ばれ、火山灰が堆積し、数万年以上の年月をかけて圧縮されたものですが、粒子が比較的細かい割に粒子間の間隙が大きく、含水比の高い土です。そのため、SWS試験のスクリューポイントのように尖ったものの集中的な荷重には弱く、30kN/m2程度の数値になることが多いですが、実際は土粒子の結合力が強く、面的な荷重には強いため、土を採取してローム層であることを確認できると、地盤の強さは50kN/m2まで引き上げられるのです。
でも、ボーリング試験は費用が高い。もう少し安価なものがあれば…というところですが…。実は、土を採取する試験にも安価で簡便なものがあるのです。
次回は、簡便な土質採取試験を紹介します。
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