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地震保険の保険金額はなぜ半額なのか?
<地震保険の保険金額はなぜ半額なのか?>
平成19年度から、地震保険料の所得税控除がスタートしました(5万円限度)。
20年度からは住民税からも25000円を限度に控除されます。
これには地震保険の加入促進と言う意味合いが強いことは想像の通りです。
ちなみに2007年の地震保険の世帯加入率は全国平均で21.4%となっています。
ところで、皆さんは、地震保険は火災保険とペアでないと掛けられない事。
しかも保険金額の上限が火災保険の半額(または最高5000万円)までで
あることはご存知だと思います。
しかし、何故半額までなのか、お考えになったことがありますか?
日本は地震国です。過去の統計から見れば、大きな被害をもたらす地震は
それがいつかは分かりませんが、必ず来ます。
しかも地震の発生は広範囲にわたるため、一旦地震が起きれば其の被害も
甚大・かつ広範囲に及びます。
しかし万一地震が起こったとき、それに伴う被害の補償は、保険会社単独で
カバーできる規模ではないため、国の地震再保険特別会計より再保険費用の
一定割合を充当する形で日本の地震保険制度は維持されています。
このように国が支える地震保険であっても、実際には火災保険を
新価でかけた場合、地震で家が全壊しても、地震保険では新価の半額まで
しか保険でカバーすることが出来ません。しかも支払は時価が限度となっています。
つまりは、カバーできない残りの50%は、国の力をもってしても制御できない
野ざらしのリスク、ということになります。
地震保険は、なるほど補償割合に比して掛け金が割高だとよく言われます。
確かに保険金額1000万円に対して、木造建築の場合、東京・神奈川で掛け金が
年間31,300円、千葉で同じく30,600円、埼玉で18,800円です。
火災保険に比較して倍以上の掛け金です。
火災保険に対する地震保険の付帯率が全国平均で44%(2007年)でしかないのは、
そんなところにかなりの理由がありそうです。
しかし保険は本来加入者が多く、事故率も低ければ掛け金は下がります。
つまり掛け金は或る意味でリスクのバロメーターなのです。
そのことを思えば、地震による損害リスクは国が支える保険でも50%しか
カバーできないほど大きいのです。いざ被災した場合、半分しか補償されないのではなく、
半分でも保険でカバーされればどれだけメリットがあるかを考えるべきです。
現在では、品確法に基づく「免震建築物」、または「耐震等級3」の建物の場合、
30%まで、保険料が割引されるようになっています。
ここ数年、国の肝いりで、『200年住宅』や『長期優良住宅』の普及が
叫ばれていますが、二酸化炭素の削減効果など環境へのメリットとあわせて、
地震保険のカバー率引き上げにどれほど貢献できるか注目したいところです。
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