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天野彰~減築はわが身と国家を救う(4)少子高齢化の国を救う?
天野彰~減築はわが身と国家を救う(4)少子高齢化の国を救う?
―「減築」はコ・ベネフィット型リフォームで人口減を救う?―
「減築」は今の家を減らすことだけではなく、他の大きな効果を生み出すことです。それはわが身だけではなく都市をさらには国家、地球までをも救う!と確信するのです。まさしくこれこそ「コ、ベネフィット型のリフォーム」と言えるのです。
家を壊して新築すれば簡単そうですが・・・、今までの投資価値は抹消されることは当然として、多くのごみが廃棄され、さらに新資源が必要となります。要は今の家を一部壊すか、間取りをやりくりして耐震補強をして“夫婦だけの住まい”に最小限に縮めるのです。残ったところを人に貸したり、店舗や駐車場にするのです。
これでリフォーム費や老後の資金の捻出にあてられるのです。が、効果はこれだけではありません。まずは貸すことだけではなく同じ屋根の下に一緒に住む家族ができて寂しくありません。駐車スペースも近くのアパートに住む人にはよろこばれ、コミュニティーが生まれ寂しくありません。いざとなったら通報や手伝いを期待もできます。今日の社会問題はこうした高齢独居老人の不安と危険で、その解消となるのです。
一方で若い夫婦は便利な都市の住宅地に住め、しかも庭付きでペットも飼うこともできるのです。若い人たちが通勤に便利なところに住めるばかりでなく旧市街地のインフラが活き、商店も賑わい都市が活性化します。
これをもっと積極的に2LDKや3LDKにしてある条件を付けて割安に貸すのです。草取りなどの手伝いや万が一の時の通報も願い、その条件によって家賃を下げるのです。街の不動産屋さんと相談して賃貸契約をし、家賃を相応にするのです。まさしくこれは新しい形の同居、『契約同居』と言えるのです。
イラスト:いざと言う時に安心な「契約同居」の家(画:天野 彰)
わが老後不安も警報ベルを付けて救助を願えれば、まさしくわが家が居ながら養護老人施設となります。一方で若い世代は都心の戸建の家に割安に住め、時には子どもを“大家さん”に一時預けたり見てもらうこともできるかも知れません。まさにわが家が私設保育所となるのです。
こうして“契約ながら”親のようにわが子を預けて働け、通勤時間も短縮されれば、第二子、三子も生むことも可能です。
実は大家さんとなる自分たちも元気なうちは孫のような子どもたちと住め、生活に張りが出てますます元気になります。
これはマンションでも下宿のようなスペースをつくり、不特定の民宿ではなく、地方から出て来ている学生を住まわせて自慢の腕を生かし賄いをすることもできます。これは地方の親御さんたちにも喜ばれ。新たな親戚もできるかもしれません。
写真:M様邸|外観左端の1、2階が2DK2戸、書斎(写真:本木誠一氏)
こうして新たな家族をつくり、親せきをつくる。都市の活性化ばかりではなく、高齢不安もなくなり、子どもたちも生まれ育つ!まさしく国をも活性化させる。これこそ国をも救う「コ、ベネフィット型のリフォーム」と言えるのです。
次回からは「契約同居」までせずとも、改めて「同居」について考えましょう。
(お知らせ1)
「コ・ベネフィット型 減築リフォームは超高齢化社会を救う」を6月1日~3日ビッグサイトにて開催の「建築再生展」にて展示します。
(お知らせ2)
前々回「天野彰の快適住まいコラム」150回を迎え、記念として拙著「60歳から家を建てる」(新潮社刊)を読者先着5名様にプレゼントをご案内。好評につき、引き続きご応募受付しています。
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