住宅関連記事・ノウハウ
2026年3月1日(日)
ITで『快適な省エネ』を目指す住宅技術トレンド
はじめに
2011年度の住宅技術トレンドを観る時期として、実はこの時期は最適。いわゆるパッシブ技術(受動的)な技術に則った住宅の技術開発が頭打ちの傾向を示しているなか、先月からアクティブなエネルギー制御技術を積極的に活用した住宅が矢継ぎ早に発表されています。
最右翼は大和ハウス工業が発表したLiイオン2次電池や太陽電池を搭載した住宅。発表によりますと、2011年春ごろにには一般発売するとのことです。太陽電池による電力を蓄電池に充電して効率的に活用することで、CO2排出量や光熱費を大幅に削減するようにしており、宅内の家電機器やLED照明などの電力を制御するHEMS(home energy management systems)も導入しています。
各電力会社では以前から危惧されていたことなのですが、太陽光発電などの自家発電では『逆潮流』といって自家発電側の電力が多くなるとその余剰電力を電力会社線側に戻していく仕組みを導入(いわゆる売電)していますが、同じ系統に接続されている他の需要家へ悪影響を及ぼさないようにするため、電力品質を一定以上に確保しなければなりません。つまり、電気を使う側から考えてみると電圧や周波数がちょこちょこ変わるようなコンセントの電気では、とてもPCや家電品を安心して使うわけにはいきません。
ところが各世帯への太陽電池の普及が進んでいくと、この制御がどんどん難しくなっていきます。つまり、このままでは電力系統が不安定となってしまいます。となると、スマートグリッドという街単位のインフラ技術で解決する方法もありますが、現状の太陽電池などでの発電分買い取り制度は長く続かないとみるのが自然な考え方。つまり、エネルギー安定供給のための規制という考え方です。このため、個々の住宅でもエネルギーを安定して自給自足できる仕組みを整えていくことも、あらかじめ考えていく必要があるのでは?と考えています。大手ハウスメーカーでは主に住宅エネルギー自給自足のインフラとして固定蓄電池を活用していますが、他の企業ではプラグインハイブリッド車や電気自動車も蓄電池として採用している例もあります。
このエネルギー収支を街単位で制御する技術としてIT企業ではスマートグリッドという仕組みを開発していますが、このエネルギー制御を一棟の住宅で完結させる仕組みとして重要な位置づけを占めるのがHEMSという技術。HEMSは、太陽電池の出力や蓄電池の充電状態、部屋ごとの電力利用量、エアコンやLED照明のスイッチ機能などをホーム・サーバーで管理しています。たとえば、大和ハウス工業では「住宅API」という制御技術を開発しています。
実証実験では「iPhone」に住宅APIを搭載することで、エアコンの温度設定やLED照明のオン/オフを変更できるようになっています。ホーム・サーバーには、Java仮想マシン環境の上で動作するミドルウエアとアプリケーション・ソフトウエアのフレームワーク仕様を構築。ホーム・サーバーとエアコンを有線LANで接続し、エアコンには「エコーネット(ECHONET)」規格に対応したIP変換器を取り付けています。
さらには、HEMSに外気温を測定する温度センサを搭載。外気温と室内温度の差によって居住者に窓を開けるタイミングなどをアドバイスする機能も設けています。これは、通風により室内温度を外気温に近づけ、その後エアコンの始動を促すことで、使用電力量を抑えることができる仕組みとのことです。
自動車では常識ですが、お盆明けで家に帰ったときのあの不快感。いきなり家じゅうのエアコンを全開にして冷やすより、まず、窓をあけて室内に風を通してからエアコンで冷やすほうが、使用電力量は間違いなく少なくて済みます。
気になる実売価格ですが、主なハウスメーカーで考えている価格帯は、既存の住宅商品と比べても高価にならない「実売レベル」が目標とのことです。
私もこちらに越してきて室内で熱中症になりかけましたが、省エネのためにはエアコンや扇風機を使わないという『我慢の省エネ』ではなく、自然エネルギーを上手に使ったパッシブ制御とあわせ最新のITを活用したアクティブ制御技術によって家全体の快適=安全性能を維持していくこと、つまり、『快適な省エネ』によって、熱中症や循環器系疾患、そして脳疾患の心配なく、安心して末永く暮らせる幸せを思い描いてみるのも良いのかもしれませんね。
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