住宅関連記事・ノウハウ
愉しい家(2) 改めて“狭楽しさ”とは?
―狭い家からどうしても逃げるわけには行かない。ならばこの狭苦しさの“苦”からいかに逃れるか?を考えたのです。―
○今回のポイント 1 遠さより近さと利便性を選ぶなら、狭く・高い家にならざるを得ない
○今回のポイント 2 型におさまったLDKから融通の利く自由な間取りが必要
そう“狭楽しく”とは狭くても楽しくなければいけないのです。30数年前に拙著「狭楽しく住む法」を著した時は、やっとの思いで手に入れた中古の2LDKのあまりに狭くしかも住みにくくまさにあの“狭苦しさ”から逃れるために“苦し紛れ”に書き綴ったものです。
狭い家の価値は何か
まずこの狭い家の価値を考えたのです。なけなしの高額で買い求めた家の価値とは一体何だったのだろうと言うことです。そしてなるほど都会の土地は高い!当たり前のことですがなぜだろう?と。すると自分はなぜこの家に住みたいのか?なぜここでなければならないのかと・・・。
折しも第二子が生まれた時で、仕事も多く忙しい。とても郊外のそのまた遠くに住めず、だからと言ってここでさらに広い家も難しい。つまり郊外の遠くに住めば通勤も通学も長く時間がかかりそのために家族や人との付き合いが少なくなり“社会が狭く”なる?と。ではと、さらに広い家を求めれば今度は家計が苦しくなり“経済が狭く”なる…。
そうか!なるほど都市の生活のメリットとは仕事が多く近くにあり何事も便利であること、それがためにさらに多くの人が集まってさらに高額になる。
結局、家の狭さとは遠い。高い。の三竦みの三つ巴でどうにもならない現実だったのです。こんな当たり前のことが、いままで当然のことのように高額な家賃を払って来た自分が、なんといざ自分の家を買った途端に改めてその苦しさを実感したと言うことです。
あいまいなLDKという間取りを見直すことが第一歩
そこで、この狭苦しい“苦”とは何か?を根本から考えたのです。すると、なんと、あまりに物が多く散らばって家具も多い!さらに間取りが2LDKだの3DKなどと、きっちり決められ融通が利かずしかも動きにくい。おまけに天井も低い・・・。まさしく狭苦しいの「苦」のオンパレード!だったのです。
わが家の狭苦しい2LDKのリフォームを真剣に考えることになりそれを実践し、LDKなどと言うあいまいなこと?
<イラスト:大きなKに過ぎないLDKをL+DKにするスケッチ 写真: L+DKの実際の収納間仕切り(画+自邸:天野彰)>
実は大きな “K(キッチン一体型居室)”に過ぎないことの改善から2LDKの2とはどう言う間取り、などを見直し(子ども部屋プラン)、その体験をもとに先の「狭楽しく住む法」の拙著となったのです。
<子ども部屋を縮めたり、透明間仕切りにするスケッチ(画:天野彰)>
さて、次回はまず「苦を楽に!物をどうする?」です。
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