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快適な寝室について考えてみる
さて、新築やリフォームの間取りプランを検討するとき、キッチンやリビング、収納にはみなさん関心を寄せるのに、寝室となるとおざなりな関心しか寄せない方々が多いようです。当然、予算をかけたくないから【シンプルに】の一言で、予算配分も少なくなりがちです。ただ、普段仕事や遊びで出歩いているとしても、睡眠時間は人生の25%~33%を過ごす時間。人生におけるほとんどの自宅滞在時間の大半が睡眠時間といっても過言ではないと思います。
今回は、快適な眠りとさわやかな目覚めのために重要な意味をもつ寝室について詳しく解説します。
寝室を検討するときは、以下の3点に配慮することが重要です。
1.光、音、通風、温度
2.落ち着いた空間
3.高齢化に伴い主流となる夫婦別寝
写真:株式会社アキュラホーム施工事例「お洒落で洗練されたデザインの家」
寝室で大切な要素は、「光」と「音」で静かな空間に。
靜かで落ち着ける空間で、重要となる要素は「光」と「音」。あわせて「温度」「通風」も重要です。
「光」と「音」は、間取りのどこに寝室を設けるか、寝具はどちらの向きに置くか、どんなカーテンだと快適な睡眠を得られるか。「光」と「音」の問題は、家具・インテリアやカーテンだけではなかなか解決することが難しい問題です。
睡眠中、人はおよそコップ1杯分の汗をかくといわれています。それだけの水分を吸った寝具をそのままにしておくのは、あまり健康的ではありません。よって、寝室はできれば2方向に窓を設けて、風通しを良くするのがお勧めです。住宅地では外からの視線が気になりがちですが、高窓や地窓を使って隣家の窓と位置をずらすことで、外からの視線を遮りながら換気しやすくなります。
温度については、寝苦しい熱帯夜に寝室の窓を全開にして寝る方は、防犯上の問題を考えるとそういらっしゃらないでしょう。基本はエアコン冷房で温度・通風を整えることになります。
おすすめは全館空調。部屋ごとの温度差も少なくなることからお勧めですが、問題は設置コストと換気装置の騒音。換気装置の騒音について、寝室そばに換気装置を設置してしまうと換気装置の騒音で眠りを妨げる結果にもなりかねないので、換気装置の設置場所には注意が必要です。
寝室の間取りのポイント
毎日の生活リズムを整えるには、起きたら朝日を浴びて体内時計をリセットする必要があるといわれています。
映画やドラマでよくありがちなシーンですが朝日が差し込む位置に寝室があると、さわやかな気分で一日がスタートできるとお考えの方は多いと思います。
ところが、東向きに大きな窓があると朝の日差しで早朝から目が覚めてしまい、十分な睡眠が取りにくくなることも考えられます。さらに、夏場は暑くて寝ていられなくなる可能性もあるだけに、東向きの大きな窓等には注意が必要です。西向きに大きな窓があると、今度は西日で室内が暑くなってしまい夜になっても寝つきにくいことになります。
とはいえ、窓についてはある程度はカーテンやブラインドで調整できるので、周囲の環境や予算などを考えて最適な位置を選びたいものです。
家族が出す生活音への配慮
いまから眠ろうとする人にとって、家族がたてる生活音はどうしても気になってしまうもの。夜更かしする家族がいる場合、リビングや浴室など音がする部屋と寝室を離すことが必要です。キッチンについても、冷蔵庫や食洗機、炊飯器といった家電の音がするだけに、隣接させない方が無難です。
寝室とキッチンなどが同じフロアにある場合は、間に収納スペースをとるなどして寝室との距離を離すと良いでしょう。
高齢者の場合、トイレが寝室の近くにあることがポイントです。加齢とともにどうしても近くなるので、寝室近くにトイレがあると用を足す際に便利です。
落ち着いた飽きのこない空間に
寝室は心身を休める場。リラックスできるよう、内装は全体的にシンプルで落ち着いた、飽きのこない色づかいを心がけると良いでしょう。カーテンは、遮光性や遮音性があるものを選ぶと安眠を確保しやすくなります。照明は、部屋全体を照らすものとは別に、足元灯を設置しておくと、夜中にトイレに行く際などに便利。また、間接照明で穏やかな雰囲気を演出するのもおすすめです。
スペースに余裕があれば、好みに合わせて書斎コーナーやミニバー、化粧コーナーを設けるのも良いでしょう。就寝前や寝起きのちょっとした時間が充実するのはうれしいものです。
ちなみに、布団を使うかベッドを使うかは好みが分かれるところですが、前者と後者では必要な部屋の広さと使い勝手が異なるので注意しましょう。
ベッドは、ベッドのまわりにある程度の通路スペースが欠かせません。寝室内に家具を置かないとしても、ダブルベッドであれば最低4.5畳程度の、シングルベッド2台を少し離して設置するなら6畳程度の面積が必要になります。一方、布団2組を敷くには最低4.5畳程度の面積が必須。布団は使わないときは押入れにしまうので、就寝以外の用途にも使えるのが利点といえます。
子どもが幼いうちは家族が一緒に寝ていても、ある程度大きくなったら夫婦と子どもが別々に休むスタイルを選ぶ人が大多数です。夫婦が一緒に寝る際、エアコンの好みの温度が違ったり、眠るタイミングが違ったりすると、どちらかが我慢してストレスを感じることもないとはいえません。パートナーのいびきや歯ぎしりが気になる人もいるでしょう。子どもが独立して子ども部屋が不要になり、空間に余裕がある場合は、夫婦それぞれが寝室を持つというのも1つの手です。
2つの寝室を設けるほどスペースに余裕がない場合でも、夫婦のベッドの間を家具や柱、可動間仕切りでゆるく区切り、ほどほどに独立した空間を作ることは可能。お互いの気配が感じられながらも適度な距離感が保て、夫婦それぞれが気兼ねなくマイペースで夜を過ごすことができるでしょう。
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