住宅関連記事・ノウハウ
本気で物を無くす!バックパックのような家?
【1】本気で物を無くす!バックパックのような家?
各地で大きな災害が起こります。その時筆者がいつも思うことは、大切なものを持たずに命からがら逃げたり避難したりするときの人々の心の内です。「位牌一つ…記念の写真一枚…で心が引き裂かれそうになるのです。
筆者自身、高校生のころ伊勢湾台風に見舞われ家の窓や壁は吹き飛ばされ屋根だけが原型を残すほどに破壊され、命からがら裏山に逃げ込み風雨の中布団をかぶり家族で祈りながら一夜を過ごした経験があります。そして朝、自身の大切なノートや教科書を必死に探し、親たちは飛ばされた位牌や仏具などを探し求めていたことを今でも目の当りに覚えているのです。しかしそれも命あってことです。
【2】バックパックの家「ポケット収納の家」
この経験がのちに生かされたことにもなるのです。学生時代にバックパック1つに家財道具?を詰め込んで欧州やアジアの各地を放浪したときです。まさしく野宿も辞さずリュック1つの「家」を背負い、まるでカタツムリのように這うように欧州各地を巡り歩いたのです。
そのため最小限の必要な物だけとし、主なるものはリュックに詰め込み、スケッチや画材などはその外側のポッケットに押し込みすぐに取り出せるようにしたのです。
家の収納も同じでリュックのようなクロゼット一つに、必需品用はすぐ取り出せるポケットのように収納をするのです。しかし、いくら物を買わない!持ち込まない!と言っても・・・現実の生活は、長い人生、子どもが生まれ、行事が増えるにつれ物は増え続け、溢れます。
【3】活き方と嗜好に合った手軽な「バックパック収納」
「収納」についてまたもや6回も続けてしまいました。収納はそれほどに関心が深いことなのでしょうが。つまりは収納などに神経質にならず、もっと気楽に住める家が一番と言いたいのです。
住まいはキッチンをはじめとした「水回り」も然り、それ以上に重要な住まいやすいプラン、その構造、さらにこの先の経年変化などがもっと大切です。そこでちょっと足を止めて住むこと、住む人、そしてその家族の生き方、生きざまをちょっと考えて見るのです。
【4】家はさらに形骸化され型にハマってしまった?
こうして今、何もかも捨てて住まいが裸の自分と本音でフィットしているかどうかを家族それぞれで考えてみるのです。筆者自身の住まい感覚は今も「裸の自分を包む衣服」のようなものでありたいと願い、温かくしかも通気が良く、蒸れず、なによりも柔らかく持ちがよいものであることで、収納については最小限の必要な物の為の袋(リュック)とポケットさえあれば良いと思うのです。
しかし多くは住宅展示場やこうしたwebのギャラリーなどを参考にせず既成の分譲やタワー・マンションなどに目が移り生涯ローンの億までを費やし?さっさと購入してしまうのです。
大切な生身の家族のそこでの生活を、家だけで決めてしまうのです、一体高層の住戸で家族にこの先どういうことが起こるか?勝手に建てられた家が近い将来どんなメンテナンスが必要となるのか…?
その反対に毎週末に家族で歩いて探し求めた“猫の額”のような土地や空家を安く買い求め、家族と侃々諤々間取りやリフォームを考え、大工さんを探してやっと建てた家のありがたさと、その地に根付いた家の生き生きとした感覚をぜひとも“味わって”欲しいと思うのです。
家族の人生までを形骸化しないよう、そのことを願って老体ムチ打ち?このギャラリーのコラムを書き続けているのです。“老害”?
次回は開き直って「夏は暑いから“涼しさ”の風情がある!です。
関連記事
おすすめ特集
人気のある家をテーマ別にご紹介する特集記事です。建てる際のポイントや、知っておきたい注意点など、情報満載!