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憧れのマイホームの総支払額を抑え高コスパ住宅を実現する14+1の方法を大解説!
今回から総支払額を抑え、高コスパ住宅を手に入れる14+1の方法について解説します。
住宅会社との契約前から契約後のポイント、建物や間取り、保険など家づくりで必ず検討する内容を網羅しております。これらは家づくり計画時、またお住まいになってから実施できる方法になりますので、ぜひ参考にしてみてください。
まずは、1~9をご紹介。残りは後日公開いたします。
2024年後半以降の住宅ローン金利見通し(変動金利・固定金利)を解説
まずは、今後の前提として住宅ローン金利の見通しについて解説します。
日銀は7月31日に政策金利(短期金利)を引き上げました。その直後に訪れた株式と為替の不安定化により、直近の金利動向は落ち着いた動きをみせておりますが、メガバンク3行は住宅ローン変動金利の基準金利を引き上げます。メガバンク各行の基準金利引き上げタイミングは、以下の通りです。
2024年10月1日以降に住宅ローンを借り入れる方
メガバンク3行とも、2024年10月1日以降借入分から基準金利引き上げ。
2024年9月30日以前に住宅ローンを借り入れた方
三菱UFJ銀行は変動金利の種類により2024年12月返済分から、あるいは2025年1月返済分から基準金利引き上げ。みずほ銀行と三井住友銀行は2025年1月返済分から基準金利引き上げ。
一方、9月の固定金利についてはメガバンク各行において、ほとんどの固定金利期間において金利を引き下げました。この理由は、固定金利に影響を与える国の長期金利(新発10年物の国債利回り)が8月に 1.0%を下回ったことにあります。8月初旬に起きた日米株価の大幅な下落、米国経済の景気減速懸念などの影響と考えられています。
この影響で、日本の長期金利は8月中・下旬にかけて0.7~0.8%の水準となりました。なお、住宅ローンの適用金利は基準金利から各行が独自に設定している優遇金利を差し引いた金利となり、メガバンク以外の金融機関もそれぞれ独自のタイミングで金利見直しを実施します。
※フラット35(借入期間21年以上、融資比率9割以下)の9月最低金利は、8月の長期金利下落の影響もあり、1.820%(前月比-0.030%)と前月より下落しました。
住宅価格が一層値上がりする!?
続いて、住宅価格が一層値上がりとなる理由について。
それは【改正省エネ法】と【改正建築基準法】の影響です。
直近の建築資材価格は円高をうけ価格に落ち着きがみられるようになっています。ただ、職人さんの高齢化や働き方改革をうけた残業時間抑制に伴い、人件費が継続して上昇していることから、住宅建築費が上昇しています。また、株高・為替安をうけた土地取得費の上昇も止まりません。
そんな中さらに価格が値上がりする大きな要因としては、2025年4月施行の【改正建築物省エネ法】【建築基準法改正】。こちらは、建築確認申請における省エネ・構造関連の図面と書類の提出義務を定めています。そのため法改正と施行により、今後は断熱性・耐震性に優れた住宅にしないと、行政が建築(新築・リフォーム)を許可してくれません。
つまり、株高・円安をうけた土地価格の上昇と人手不足に伴う建築費上昇。追い打ちをかけるように、法改正に伴う住宅の高性能化=高価格化がより顕著になったということです。
これらの金利上昇と建物価格上昇を踏まえると、計画段階からきっちりコストコントロールを行い、入居後も細かな工夫を重ねることでサンクコスト(見えないコスト)を削っていくのが、いままで以上に重要と考えられます。
ここからは、その住宅価格を抑える方法について、まず【1】~【4】を解説していきます。
住宅価格を抑える方法【1】シンプルな外観の小さな家
計画段階で建物価格を抑えるもっとも簡単な方法は、建物の大きさを小さくして、建物の出っ張り引っ込み(出隅・入隅)が少ない家にすることです。
しかし、建物を小さくしすぎると逆にコストアップの要因になるので、建物を小さくするにも限度があります。周辺の敷地条件により大きく異なりあくまで目安ですが、25坪~30坪程度を基準として考えた方がいいでしょう。
また建物を小さくする最も簡単で確実な方法は、不必要なモノは捨てて収納を減らすこと。家具に入れたほとんど使わない衣類や食器などを捨てれば余計な家具も要らなくなる可能性が高く、その分、生活動線を確保できます。最近話題のトランクルーム・トランクスペースの家賃も決して安くない以上、モノを捨てることが最大のコストダウン施策になります。
住宅価格を抑える方法【2】解体工事や外構工事業者は自分で探す
少なからず勘違いしている方々が多いのですが、解体工事や外構工事は必ずしも契約した住宅会社に依頼する必要はありません。実は、自分で解体会社・外構会社を探すほうが2割~3割ほど安くなる可能性もあります。
解体会社のほとんどは外構工事もできるので、複数の解体・外構会社を比較検討してみましょう。
デメリットは、台風などによる工事遅延の影響などで当初の予定通り建物工事が完了しなかった場合に、外構工事のスケジュール管理はたいへん手間取ります。
住宅価格を抑える方法【3】住宅を高性能にして光熱費を減らす
断熱性能を上げることで室内温度が夏は涼しく、冬は暖かくなり冷暖房にかかる光熱費が削減できる可能性があります。その他にソーラーパネルと蓄電池の設置による電気料金の削減、エコキュート・エコジョーズに代表される高効率給湯器の設置で給湯コストの削減が見込まれます。
あわせて、長期的な視点では室内温熱環境の改善によるヒートショックの減少に伴う生活習慣病罹患リスクの低下が期待できることで、高齢になってからの医療費削減効果も期待できるでしょう。
その基準となるのが先で述べた【改正省エネ法】における省エネ基準適合。【仕様規定】か【性能規定】のいずれかで判定されます。
この【仕様規定】とは、寸法や形など建物の部位ごとに定められた規程と事細かく決められている使用する材料に沿って工事する規程。【性能規定】とは、要求される性能(機能)を規程することです。
その検証は、指定されたプログラムでシミュレーションして客観的な数値で定められた性能であることを証明するものです。
住宅価格を抑える方法【4】耐火構造・耐震等級で火災保険料を優遇
住宅の高性能化は、火災保険料・地震保険料の節約にもつながります。
火災保険料は、地域や建物の構造によって保険料率が異なります。木造でも【省令準耐火構造】以上であれば、火災保険料が下がります。
また【長期優良住宅】認定基準・認定項目のひとつに【耐震等級3】があります。この【耐震等級3】であれば、地震保険料が50%off。
【耐震等級3】は今後予測される【南海トラフ地震】に備えることはもちろん、地震保険の耐震等級割引が適用になる点は見逃せません。
ただし【耐震等級3】の建物でも予測される大津波にはなすすべもなく、土砂崩れや洪水などの土砂災害に対しても、ほぼ無力であることに注意が必要です。
住宅価格を抑える方法【5】不要な窓は極力減らす
住宅では窓がたいへん重要です。窓を増やすと開放感が得られ、採光・通風を得られるメリットがあります。
ただし、むやみに窓を増やすと断熱性能・気密性能が低下し、建築コストが上昇。
その理由は、窓の断熱性能は適切な断熱が施された壁より断熱性能が大きく劣ること。ならびに、窓の価格(材料費・工事費)によります。
断熱性に大きく劣る単板アルミサッシであれば、一般的な掃出し窓(2枚)は1セット5万円程度(工事費別)ですが、高品質な樹脂サッシ(Low-E複層ガラス)であれば、窓1点あたりの材料価格は際限なく上昇していきます。
地域によっては防火地域向けの防災安全合わせ複層ガラスや真空トリプルガラスを選定するとなるともちろん工事金額は別ですから、際限なく窓を増やしていくと住宅全体の工事費用は際限なく上昇していきます。サッシの気密性を維持するパッキンも年数とともに劣化していきますし、衝撃や熱膨張でガラスが割れれば、ガラスの交換費用も嵩みます。
窓は増やし過ぎずに適度に設置することも、価格を抑えるポイントです。
住宅価格を抑える方法【6】契約後の仕様変更は極力控える
一般的に、建築請負契約後に仕様を変更してしまうと追加工事になります。いちど作ったものを外して付け替えたりとか、追加変更前に発注した部材が無駄になったりと、大きなコストアップ要因になりかねません。
契約後の仕様変更を最低限に食い止めるには、建築請負契約前に必ず家族全員でしっかり仕様を検討して、建築請負契約前に完全に仕様を固めてしまうこと。家族全員で契約後の追加コストを極力圧縮する目的が共有化できれば、家族全員の合意形成はそう難しいことではないかもしれません。
住宅価格を抑える方法【7】保証料などの諸経費を綿密に比較検討
住宅ローンを利用して新築・リフォームする場合は、諸経費に注意が必要です。
住宅ローンは金利が低くても『事務手数料』『保証料』『団体信用生命保険の保険料』など実に多くの諸費用がかかります。手数料のタイプは金融機関によって異なります。よって、住宅ローンの比較・検討は諸費用を含めた総支払額で比較検討することが大切です。
また、『保証料』は返済期間が短いほど安く、一括で前払いしていると繰上返済で戻ってくる場合もあるので、全体のコストを圧縮するなら保証料一括払い型を選びましょう。
借入額と返済期間が同じ場合、もっとも支払総額が低くなるのは【融資手数料型】。最も高いのは、月々の支払いに保証料を上乗せする【金利上乗せ型】です。
【金利上乗せ型】は最初に手数料を払わず分割払いでお支払いする方法なので、初期費用は抑えられますが、後々の負担で苦労することがないよう、はじめのうちに【融資手数料型】で一括払いしたほうが良い場合もあります。
住宅ローンの比較検討をする際は、金融機関ごとに定められた手数料支払い方法も含む条件を揃え、そのうえで諸費用を含めた総支払額で比較検討することが重要です。
住宅価格を抑える方法【8】住宅ローン控除期間は繰り上げ返済不要
住宅ローン控除は、基本的に返済開始から13年は所得税と住民税から一定額が控除。その金額は『ローンの年末残高×0.7%』なので、13年以内に繰り上げ返済すると、節税効果が少なくなります。
ただし住宅ローン控除を上回るほど金利が上がった場合、または定年近くになって 返済に不安があるときは繰り上げ返済を検討しましょう。当たり前の話ですが、節税に血道をあげるよりも、家計破綻を避けるほうがずっと大事です。
住宅価格を抑える方法【9】現在の生命保険と住宅ローンの保険を比較
たいがいの方々は住宅の取得を検討される前に、すでに生命保険に加入されていらっしゃる方々が大半かと思います。住宅ローンを検討するとき。必ずといっていいほど団体信用生命保険(通称:団信)の説明があります。
この、団体信用生命保険(通称:団信)とは、住宅ローン契約者に万が一のことが起きた場合、住宅ローン残高が保険金で弁済される制度。住宅ローンが完済扱いとなるため、残された家族の負担を減らすことができます。
また、団体信用生命保険のオプション補償として、所定のガンや脳卒中といった3大疾病のほか、糖尿病や肝硬変といった8大疾病への補償も付保できます。
団体信用生命保険は一般の生命保険と比較して、保険料が安価なことがほとんどなので、現在加入している生命保険やがん保険等と比較検討のうえ、保険を乗り換える方法も検討する価値があります。
ただし、当たり前の話ですが、住宅ローンを完済すると団体信用生命保険の契約は終了してしまいます。たいていの方々は、ある程度の年齢にならないと住宅ローンの完済に至らないかと思いますが、そのとき生活習慣病などにかかっていると、そもそも生命保険に申し込みができない、という場合もあるので、現在の生命保険の契約は残したまま保障を削っておく、といった保険のリスクヘッジもあわせて検討しましょう。
残りの、10~14+1は後日公開いたします。
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