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「長寿の家」は要介護にならないために
フィギア・スケートのような華麗な名とは裏腹のこのサルコ(サルコペニア)から脱出するには、やはり住まいや住まい方が問題で、すぐ横になれるような習慣を許す家のつくりはよくないことになるのかも知れません。
もしあの65歳からの「長寿時計」の第二期76歳と85歳の間にサルコが進んで、フレイルとなったら、住まい方も考えなければならないのです。まさしくバリアフリーも大切だが・・・、トレーニング、つまりはリハビリの家でなければならないのです。
【1】フレイルにならないために?
フレイルとはまさしく“虚弱”のことで、病人予備軍で、家庭用エレベータを設置することなども考えなければなりません。
しかし何とか散歩をする老人は、みな不思議な自分なりの方法論をもっていて、早朝の公園などに行ってみれば、よくわかるのですが。半身に麻痺を残している人でも、なんとか自力で歩き奇妙な運動も考え出し、人目などを気にすることなく実践しているのです。長寿の家もまさにトレーニングの家になります。わが家の“大黒柱”(あれば)はこのときにも頼りになりますが、しっかりした壁でもいいのです。毎朝ここに寄りかかって10分ほどの時間を過ごし、筋トレ?とバランス運動のプライベートジムとしているのです。
ゆっくりと下半身から片手を軽く柱に添えて背伸びをする。そのまま下におろす。ふくらはぎの軽いスクワット?です。これを10回。次に、かかとをつけたまま、つま先を反らせ、スネの筋肉の運動。足首も柔らかくする。これも左右同じく10回。股関節を回し、左右10回、さらにスクワット10回。転ばないように手を大黒柱に添えたまま腰をゆっくり降ろすのです。
こういうことを始めると、大黒柱や決めた壁が自分の頼りになり、いつも見られていてなぜか怠けることができない。
【2】“サルコ”(サルコペニア)を家とわが身と共に
「長寿の家」の楽しいコーナーは、ここだけではなく、階段も役に立ち、そこでゆるい腕立て伏せをするのです。平場ではきついことが階段の高さを利用して軽めの腕立て伏せに挑戦する。
最初は三段目あたりに両手を置いて10回。いつか二段目に挑戦できるようになる。こうして住まいのなかでわが身を優しく鍛えるのです。わが家も“老いと共に”朽ちいくと思うとどう安全 にし、耐震リフォームや建替えなど、安全策を考えるようになるのです。わが身も頑張ってサルコから脱出しようという気分になるのです。
しかし生きていく以上思わぬ事故も多いのです。改めて厚労省の家庭内事故統計を見ると・・・。
- ・食べ物をのどに詰まらせる
- ・誤嚥
- ・階段から転落する
- ・ベランダから転落する
- ・段差につまずき滑り転倒する
- ・浴槽内で溺死する。そして火傷もする
このように家のつくりと共にその暮らし方も原因となっていることが多いのですが、やはりちょっとした段差や、デザイン優先の格好良い階段で手すりのないものや、その手すりが傷んでいたり、 壊れていたり、無理なつくりの急な階段も多く、転落事故の原因となっていることが多いです。
【3】ゆっくり“行って来い”式の踊り場のあるUターン階段?
その家庭内死亡事故での多いのが階段での転落で、狭さゆえに無理して造った急な階段が多いのです。この項でもさんざんお話ししている家庭内リハビリで、階段の上がり降りがもっとも効果的でもあるのです。そこで建て替えやリフォームチャンスの際にはほかの部屋を狭めても、この階段をゆっくり、ゆったり、そしてイラストのように“行って来い” 式の踊り場のあるゆーたん階段にするのです。
これなら運悪く転がり落ちても半階ですみ、両側手すりで踊り場を広く取って憩いの場とするのです。3Sには3Uも重要なのです。
次回は「長寿の家」は夫婦の生き方にも問題があるのです。
ここで筆者の講演会のお知らせです。ちょっと間近ですが、ご都合がつきましたら是非どうぞ。
- 日程
- 2024年9月28日(土)
- 日程
- 2024年10月4日(金)~2024年10月5日(土)
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