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2025年11月29日(土)
夫婦の家(5)夫婦の家、も少し色っぽくしては?!
はじめに
“愛の巣”であるはずの家は色気がなく面白くないのです。
ハウスメーカーや建築家などの設計者は生真面目なのか。狭小住宅だからか?ローコストのためか?遊び心がなく面白げがないのです。そう色気がないのです。かって私たちの家には大工さんや左官さらには庭師が醸し出す風情、そう色気があったのです。

イラスト:入浴も開放的で色っぽく(画:天野彰)
今の日本の家は合理的で機械的で色気がないと言われるわけは
海外の建築家仲間と話す時、よく「日本の住まいや文学から見る風情はなぜか艶っぽいはずなのに最近の家は空虚で空しい!」とまで言われることが多いのです。なるほど彼らが目にする歌麿や広重そして国芳国貞にみる江戸の風情を著した浮世絵などから見るわが国の風情は確かに色っぽく奥の深い凝った演出がされたものが多いのです。それは背景にある街や住まいに限らず庶民の生活そのもの、遊びが優先されあらゆる芸術文学そして武芸にさえ営々と美が追及さられそれがすべてが生活文化となっていたのです。
それが明治、昭和、そして敗戦となりなだれ込むように入って来た近代化合理化の波に押し流されてしまったのでしょうか
伝統とは名ばかりの継承的模倣が多く真の価値観が失われた
「君たち欧米の住まいこそ色気がない!」と私は強く反論するのですが、彼らは「だからこそ真の“日本”を学びたい!」と、あっさり。なるほど、モダニズムのためにインテリアやクラフトの装飾の文化が醸成されたのだと言う。アールヌーボウかと妙に納得!このことは彼らの日本の建築や衣食に見る模倣と同じく、私たちの欧米のモダニズムやインテリアに見る模倣のぎこちなさと似ていて、ときに軽薄さと自我の無ささえ感じられるのです。それは急激にとり入れられ、あらゆる欧米スタイルのコーディネートと名の付くブームの衰退が物語っているのです。
そして今、“すっきり”と何もない工業製品らしい家とインテリア、そしてすべての生活までもが、主流となっているのです。なるほど色気がないのです。
そう庶民が醸成した異文化交流のバランスの歴史こそ日本の文化
今継承されるべきは、神社仏閣をはじめとしたあらゆる建築、とりわけ住まいの歴史、常に異文化を取り込んできたわが国の庶民生活の歴史、その取り入れ方そのものこそが日本の文化で、「原点は『熊さん八っあんの生活文化』その風俗を醸し出してきた絵師や物書き、さらには歌舞伎役者だったと言える!」と、目を白黒させる英国紳士の建築家に、「そこに日本の男と女、親と子、兄弟さらには愛と義理人情のすべてのカタチが醸成された」さらに追い打ちをかけるように。「今古典と呼ばれるこうした文化や技術のすべてはこの思想に基づいていて、それは現代の世界共有のアニメやポケモン・スーパーマリオにまで通じている!」と、よく分からないことまで言ったのですが、なぜか皆納得していたのです。

<イラスト:改めて熊さん八っあんの江戸の裏長屋の暮らし(画:天野彰)>
とは言え、わが国の住まいは戦後の2LDKと呼ばれる“官製住まい”の箱によってあらゆる面で継承文化は剥ぎ取られ、あっと言う間にそれが高層化され、さらには持ち家政策に鼓舞され宅地造成で狭小模倣ビバリーリーヒルズの世界に類を見ない狭小分譲住宅となり、今日の工業化されたハウスとなったことも事実で、彼らの厳しい指摘はその通りなのかも知れない・・・。
しかし「桧の家」を代表する日本の家、さらには木舞壁や漆喰の左官、本物の木組、素材感は人々の心の底にあり、住む人も改めて子育ての家族からその原点の夫婦、そしてその原点の男と女が見直されて、今そこに健康と美、そしてその色気が醸し出されつつあるのだと・・・、私は独り言を言いながらも悦にいっているのです。

写真:開放的な脱衣室と浴室(T邸:設計天野彰)
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