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建築家 天野 彰 夫婦の家(4)「仲良し“夫婦書斎”と“夫/婦寝室”」

はじめに

かつて某紙サイトコラムで行った調査では夫婦は一緒に寝ているどころか、一緒に居る時間も少なかったことが伺われたのです。しかもそれらはすべて子育て、子ども部屋優先に起因するもの。これでは「住むための機械」どころか「子育ての機械」です。

これも子どもの教育、さらには子ども部屋のために夫婦は残された狭いLDKの中でさらに狭苦しいのです。夫婦が互いの存在、自分の存在が疎外され、気が付かない間に夫婦が互いに“邪魔”になっていたと言う。夫婦の存在とそのヴィジョンが見える住まいになっていないのです。

鼻を突き合わせていると息苦しい!互いの場を分け一緒に居る場を創る

鼻を突き合わさずしかも一緒に居るまるで謎かけのようですが、そこでまず夫婦一緒の互いの書斎は、前々回お話したハッチの向こうとこっち側はわずか50センチほどの距離でガラリを開けると互いの息づかいも聞こえてくるほどで、家事は分けても、夫婦がいつも姿が見えて一緒に居る場となるのです。さらにDKの隅に夫婦互いのデスクカウンターを設け「夫婦仲良し書斎」をつくるのです。常に夫婦一緒に居ながらも台所に専念もできる。これは一戸建てでも離れたところに書斎をつくるよりも暖かく、お茶も出るのです。何よりも家族とりわけ夫婦が近いところに居られるのです。

イラスト:DKの書斎家事「夫婦仲良しカウンター」プランとイラスト(画:天野彰)
DKの書斎家事「夫婦仲良しカウンター」プランとイラスト(画:天野彰)

さらに夫婦の“互いの寝室”を最優先するのです。いよいよ「夫婦の家」の核心に迫る!とは大げさですが、“愛の巣”である家の寝室こそ夫婦の核心です。

先のアンケート調査での「夫婦の寝室」は深刻で、子どもが出て行ったあとは、夫婦の多くは子の部屋に移り、まったく別なところで寝ていることが多いと言うのです。これでは身体的異変さらに突然の地震や土砂崩れなどの災害を考えたらぞっとします。

そこで夫婦の寝室を最優先するのです。二人の子どもには6畳を分割したり、3人の子どもでも6畳と押入れを利用して、机やベッドを仕込んだ造りつけの家具収納で分けそれぞれの“ブース”をつくり三つに分けるのです。ちょっと厳しそうですが、子ども部屋が狭いと勉強が終わったら子どもたちはすぐにリビングに出てくるようになるのです。子どもたちに規律ある生活を教えることができて「夫婦の確立」ができるのです。

しかし夫婦も1つではなく夫と妻2つの寝室が欲しい「夫/婦寝室」

寝室は確かに夫婦の部屋ですが、この6畳一間の寝室さえいざとなれば、「夫/婦寝室」が可能。なるほどいくら仲の良い夫婦でもいつまでもダブルベッドとはいかず。夫と妻、男と女の個であり、しかも仕事や子育てで寝る時間も違い、冷暖房の好みの温度も違い、さらにはいびきや寝言に苛まれ寝不足になったりもする。しかも寝る時間も違うのです。

そう「夫婦にも時差や温度差がある」のです。

たとえ6畳ほどの寝室でも、二人の間に衝立を置いたり天井に頑丈なカーテンレールを付け厚めのカーテンで仕切ることも可能です。入院の相部屋のベッドのように、これだけで互いのプライバシ-がかなり保たれ、いびきも和らぎクーラーの温度調節もできるのです。

イラスト:「夫/婦寝室」プランとイラスト(画:天野彰)
「夫/婦寝室」プランとイラスト(画:天野彰)

新築やリフォームのチャンスがあればこうした「二つになれる“一つの寝室”」が理想なのです。間の可動仕切りは防音効果がある引き戸にし、二つの冷暖房を配すれば、夫婦それぞれの好みのプライバシーのある寝室が可能となり。開ければ時には一つになる、夫婦別々の一つの寝室「夫/婦寝室」となるのです。こうして親が極力一緒に居ることが、互いの安全そして子どもの健全となるのです。ぜひこの冬季休日に実行されたらと思います。

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建築家 天野 彰建築家 天野 彰

建築家 
天野 彰

岡崎市生まれ。日本大学理工学部卒。
「日本住改善委員会」を組織し「住まいと建築の健康と安全を考える会 (住・建・康の会)」など主宰。住宅や医院・老人施設などの設計監理を全国で精力的に行っている。TV・新聞・雑誌などで広く発言を行い、元通産省「産業構造審議会」や厚生労働省「大規模災害救助研究会」などの専門委員も歴任。著書には、新刊『建築家が考える「良い家相」の住まい』(講談社)、『六十歳から家を建てる』(新潮選書)『新しい二世帯「同居」住宅のつくり方』(講談社+α新書)新装版『リフォームは、まず300万円以下で』(講談社)『転ばぬ先の家づくり』(祥伝社)など多数。

 一級建築士事務所アトリエ4A代表。

 一級建築士天野 彰 公式ホームページ
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