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住宅関連記事・ノウハウ

建築家 天野 彰 狭楽し収納法(5) 老いの生活には“ゴールデン収納”

○今回のポイント 1 どこに何があるのが分かりやすく、取りやすいゴールデン収納
○今回のポイント 2 「収納」が主役ではなく、「人」が主役の家づくり
○今回のポイント 3 最低限、必要なものだけを置くように心がける

老いの生活にシルバーならぬ“ゴールデン収納”が大切?とはと、よく訊ねられるのですが・・・まさしくあのテレビ番組の高視聴率となる時間帯のゴールデン・アワーに例えたものです。

老いても健康に暮らせる家は「収納」のつくり方

誰の眼にも届きやすく手に取りやすい収納のことで「ゴールデン収納」で、季節の物や年に一、二度しか使わないひな人形などは一番遠い棚に置く。できるだけ扉も付けず常日頃から一目瞭然にすることです。

老いると言うこととは一体どう言うことでしょう?今や老いることは高齢者だけの問題ではなく、国家的大問題で老いも若きも一緒に考える時代なのです。ちょっとしたことでつまずいたり、よろけて転んでそれがために寝たきりとなったりそのまま認知症になるケースも多く、その時点で自身はおろか伴侶や子どもたちの生活までも左右し、さらに医療費負担も増して国家的問題と言うことです。

たかが収納で?と言うことですが、建築的に見ると、脚立で物を取ろうとしてフラッとして落ちたり、床下など無理に体を曲げて腰を傷めたりと案外事故やケガが多いのです。機能的で快適な住まいの割にこうした事故が増えたり、反対に楽過ぎて動かなくなったりすることで活力を失うと言う現象も起きているのです。

収納は背を伸ばして手が届き、腰を無理に屈めない位置が最適

私の住まいづくりではバリアフリーに加えてリハビリ効果も必要と考え自然に活動できる間取りや、小上がりの緩い段差や中二階など、立体的なプランなども常に心掛けているのです。
収納も同様、必要なところにイラストのように背を伸ばせば手が届く高さと腰を無理に屈めない低さの間に集中するのです。これが“ゴールデン収納”なのです。そこは極力扉を付けず、どこに物を置いたか、仕舞ったのかを常に認知しやすくするのです。

イラスト:「ゴールデン収納」見通しを良くし、姿勢を考える(画:天野彰)
<「ゴールデン収納」見通しを良くし、姿勢を考える(画:天野彰)>

これによって脚立から落ちたり、無理な姿勢で腰を痛めたりすることを防ぎつつ、多少のストレッチもすることができるのです。ただどなたも歳を取ればそれなりに物も増え、まるで物と同居?しているようになり、終いには、“家は物を置くところ”となって、なぜかいつの間にか「収納」が主役の家となってしまうのです。

そこで人が主役で生きて行くために一体何が必要かを改めて考え、これからの長寿高齢生活で最低必要な物だけを家に置くのです。すると自然に物を極力買わない。物を持ち込まないようになるのです。

この最低限の、しかしすべてがゴールデン収納の家は老いの生活だけではなく若いころからする必要があるのかも知れません。「断捨離」や「終活」など物に左右され収納で神経をすり減らすなど、人生そのものがもったいないことと考えるのです!

次回は「3LDKにスペースを使わずに7000冊の本棚?」です。

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  ★天野彰先生の最新情報!
  2019年11月14日(木)から毎週木曜日に共同通信にて「百歳時代の家」を連載配信予定です。
  今までどなたも経験をしたことがない長寿の家の暮らしとその影響などのお話ですが、併せてご覧いただければ幸いです。

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★毎週土曜日 最新コラム公開中!   次回お楽しみに♪

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建築家 天野 彰建築家 天野 彰

建築家 
天野 彰

岡崎市生まれ。日本大学理工学部卒。
「日本住改善委員会」を組織し「住まいと建築の健康と安全を考える会 (住・建・康の会)」など主宰。住宅や医院・老人施設などの設計監理を全国で精力的に行っている。TV・新聞・雑誌などで広く発言を行い、元通産省「産業構造審議会」や厚生労働省「大規模災害救助研究会」などの専門委員も歴任。著書には、新刊『建築家が考える「良い家相」の住まい』(講談社)、『六十歳から家を建てる』(新潮選書)『新しい二世帯「同居」住宅のつくり方』(講談社+α新書)新装版『リフォームは、まず300万円以下で』(講談社)『転ばぬ先の家づくり』(祥伝社)など多数。

 一級建築士事務所アトリエ4A代表。

 一級建築士天野 彰 公式ホームページ
 一級建築士事務所アトリエ4A ホームページ

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