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住宅関連記事・ノウハウ

住生活コンサルタント 早坂淳一 ネクスト・アイズ株式会社二世帯住宅で最も満足度が高いキッチン共有パターン

キッチン共有に障害の少ない二世帯同居スタイルとは

親世帯・子世帯の関係には、大きくわけて2つのパターンがあります。
それは、『夫の両親と一緒に暮らす場合』・『妻の両親と一緒に暮らす場合』の2種類です。

では、キッチンの共有に障害がなく、家族全員が大きなメリットを感じるのはどちらの関係でしょうか?

キッチンを共有して上手くいく同居スタイルは、「妻の両親と同居するとき」

それは、妻の両親と同居のときです。

最近は夫が台所に立つことも増えてきましたが、なんといってもキッチンは妻の領分であり、その場所に立つのは圧倒的に妻のほうが多い家庭がほとんど。それは、親世帯でも同じでしょうから、そこに立つのは母親になります。たいていの場合、母と娘がいっしょにキッチンを使うことになります。実の母と娘が一緒にキッチンを使うにあたり、実の母娘ですからお互いの食べ物や味の好みは熟知していますし、料理の調理方法をはじめ息のあった料理や家事はもちろん、食材の購入もこなします。

つまり、この二人がキッチンを共有することによるメリットは計り知れません。実の母娘ですから、食材の購入担当やその日の料理当番などもスムーズに決めることができますし、お互いの好みをお互いによく理解していることから、お互いに嫌いなものを作って無駄にすることもありません。

こうした理由から、妻の両親との二世帯住宅では、キッチンを共有することで快適な二世帯の暮らしを満喫することができます。では、夫の親とのキッチン共有は避けるべきなのでしょうか。

女性の社会進出で嫁・姑の価値観に違いが現れている

妻の両親とのキッチン共有については、何のデメリットもなく、むしろメリットのほうが多いのですが、夫の両親、いわゆる嫁姑の関係におけるキッチン共有はお互い生活するうえで大きなデメリットを抱えることになります。

現在は、昭和世代に嫁・姑が一緒に暮らしていた時代と時代背景が大きく異なり嫁(子世帯)が共稼ぎであるのは、現在ではあたりまえのことです。当然、子世帯は夫婦で協力しては短時間で効率よく家事をこなす必要がある一方親世帯の価値観は、家事は妻が行うもの、という固定概念をいまだに色濃く残す方々が多いことは、あながち否定できません。
夫婦の家事に対する考え方が大きく異なるなかで、嫁姑がいっしょに暮らしはじめると、最初の頃はそうでなくても、価値観の違いがもたらす問題が次第に出てきて、時には深刻なトラブルに発展することがあります。

嫁・姑でキッチンを共有する場合は、事前に価値観の違いを認識しておくこが大切

キッチンは、一般的には女性にとって大切な場所。それだけ、キッチンの使い方には各々のスタイルがあります。

長年にわたり培ってきた冷凍冷蔵庫・シンク・コンロの位置関係、細かな部分では、コンロの近くに配置している調味料やカトラリーの配置をはじめとするそのスタイルは、誰しもそう簡単には変えられないのです。

夫の両親(または姑)とのキッチン共有の場合、お互いのキッチン活用スタイルが違いますから、お互いにそこに不満が募りストレスの原因となります。でも、お互いにそのストレスを口に出すと、お互いに角が立ってしまうので我慢してしまいます。

すると、お互いに強いストレスが重なってきます。結果として、嫁・姑の関係が悪化してしまうことも十分に考えられるのです。お互いの都合から、料理当番や買い物当番を決めなければならない場合でも、お互い不平不満が積み重なっていますから、お互い気軽にそうした相談もできません。

こうした理由から、やむを得ず夫の親夫婦とのキッチン共有になりそうなときは嫁・姑で事前に話し合い、お互いの家事に対する価値観の違いを認め合い、あわせて以下のキッチンプランのセオリー(理論)に基づくキッチンの使い方をはじめ調理器具や調味料といった細かな収納場所の取り決めまで事前に話し合うことが重要です。

嫁・姑で身長差が大きい場合、キッチンカウンター(調理台)の高さも吟味しておきましょう。

キッチンカウンター(調理台)の高さは作業効率や疲労感などに深く関わります。高すぎると腕が疲れますし、低すぎると腰が疲れます。キッチンカウンター(調理台)の高さはJIS規格で 80cm/85cm/90cm/95cmと規定されていますが、現状はどのメーカーでも希望に合わせて高さの調整に対応してくれます。
一般的に、キッチンカウンター(調理台)を最も使う方の身長に合わせた高さで選ぶ必要があります。

キッチンカウンター(調理台)の高さ選びには、目安となる公式があります。ただしキッチンカウンター(調理台)の高さには個人差もあり、下記はあくまで目安の高さになります。
■キッチンカウンター(調理台)の高さ=身長÷2+5cm
※身長160cmの場合、160÷2+5=85cm

できるだけ嫁・姑といっしょに、それぞれ普段履いている【スリッパ】とまな板を持参のうえ、検討しているキッチンを展示しているショールームに行って、実際のキッチンの前で普段遣いのスリッパとまな板を用意して、公式で求められたキッチンの近さ、異なる高さをそれぞれ試してみて、ご自宅のキッチンでの実際の使用感などと比較検討しながら選びましょう。

キッチンの通路幅にも配慮しましょう

キッチンを1人で利用するならば90cm程度あれば十分ですが、嫁・姑でお互いの関係性に配慮するため、いっしょに調理をすることが多くなることが予測される場合、キッチン通路幅は120cm程度必要です。

吊戸棚やシンク上部の収納位置は、取り出しやすい位置を吟味する

各々の身長に合わせ、高くなりすぎず、低くなりすぎず、取り出しやすい位置にあるのが理想ですが、高齢の親である場合は吊り戸棚には土鍋などの重量物を収納する場所にするのではなく、調味料などのできるだけ軽めのものを収納できるようにしておいたほうが無難です。
なお、収納についてはシステムキッチンの規格や付属設備により、それぞれ違いが出る場合があるだけに、決まり切ったパターンはありません。ただし、使う人の身長に合わせて床から吊戸棚の底辺部が、使う人の目の高さの範囲に収まるようにするのがおすすめです。

その高さであれば、使う頻度が高い物を目の高さの取り出しやすい場所に置けることから、いろいろ収納しやすくなります。

使いやすいキッチンにするためには、冷凍冷蔵庫はキッチン入口付近に配置

見落としがちなのは、冷凍冷蔵庫の配置です。キッチン入口付近に配置するのがセオリー。
冷蔵庫が奥にあると、誰かが冷蔵庫にモノを取りにくるとき、食材をしまうときにキッチンの中を通らなければなりません。料理をしている最中ですと、どうしてもキッチンが混雑してしまい、このような些細なことでも料理している方にとってストレスになってしまいます。

キッチンにいる人とキッチンに来る人の動線が重ならないようにするため、冷凍冷蔵庫は入口に配置するという基本となります。

食器棚はシンクやコンロとは近すぎず、遠すぎない位置

キッチンの形や冷蔵庫の位置が決まると、食器棚の位置が決まります。食器棚を使うタイミングは、食事のたび  (1) 作った料理を配膳する (2) 洗った食器を片付ける の2回です。

つまり、シンクやコンロとは近すぎず、遠すぎない位置にすること。ならびに冷蔵庫の配置と食器棚の配置は一緒に考えることが大切です。

キッチン導線と収納はよく検討しましょう

嫁・姑のそれぞれが使いやすいキッチンにするためには、キッチン動線と収納をよりシビアに検討して、それぞれキッチンを使っている時に最も便利になるようにすることが重要です。

キッチンにおける収納のポイントは以下の5点。姑とのキッチン共有に限らず、どのようなキッチンでも同じです。

  • ○ よく利用するモノは、目から腰の高さの範囲に
  • ○ 使うモノと使う場所は近づけて配置
  • ○ それぞれの配置を決めたら、しっかりと守る
  • ○ キッチンカウンター(調理台)にはモノを置かない
  • ○ 収納スペースの中も使いやすく整理

このように、[姑とのキッチン共有] において、嫁・姑のどちらが主にキッチンを使うのかを十分に吟味したうえで、シンクとコンロの配置、キッチン動線、キッチンカウンター(調理台)の高さ、キッチン収納ルールを決めておくことが、後々の嫁・姑の関係性維持にも大きく役立ちます。

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住生活コンサルタント 
早坂淳一
ネクスト・アイズ株式会社

大手百貨店にてクレジットカード事業の立ち上げやポイントカードシステムの運用、全店販促支援システムの運用、売場リニューアルプロジェクトなど、新規事業を中心とした業務に従事。 その後、携帯キャリア店舗改善プロジェクトや不登校児童・生徒活動支援プロジェクト、工務店支援プロジェクトに従事したのち、工務店にて営業を経験し、現在は第三者機関ネクスト・アイズにて、住宅コンサルタントとして活躍中。

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