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建築家 天野 彰 住まいをおもしろく(1) 今の家をもっと色っぽく?!

○今回のポイント 1 自粛期間で変わる“すっきり”何もない住まいからおもしろみのある住まいへ
○今回のポイント 2 「桧」や「漆喰」など自然と暮らす家の魅力

せっかくの夏休みも夏季休暇も移動や外出自粛のなかあっという間に終わり、しかも毎日が鬱陶しい雨と次はこれでもかの灼熱の毎日、そして今度は台風と、誰の身や神経にもさらにはその家族や社会にまで様々な異変が起きているのではないでしょうか。まさに働くことや生きることまでにも大きな変容が起きているとも言えます。

おもしろみのない家ではくつろげない!?

生きて行くために自粛の中、どうしても出かけなければならず恐る恐る外出し、街を歩く人も車内も職場も誰もが平生を保っているように見えるのですが、わが家に帰ってマスクを外してみると、なぜかどっと疲れが出て例えようのない疲労感と不安感にかられると言う・・・。しかしそのホッとした瞬間もつかの間で、今度は家族にその様相を見せてはならないとさらに張り詰めた姿勢で暮らさなければならないと言う。せめて家の中だけは気を許してわれに返りたいものです。

しかし残念ながらその住む家のつくりや間取りはそのようになってはいず。もっと言えばなんとも住みにくく、さらに息苦しささえ感じ。気が付けば呆然と白い壁を見つめている自分がいることに気付くと言う・・・。こうして改めてわが家を見つめるといかに面白みのない家かとうんざりしている人も多いと言う。なるほどたとえ新築で小ぎれいで設備など機能的でも、なぜかおもしろくないのです。

まさにその空間は壁と天井に囲まれ変化もなく、遊びごころもなく飽きてしまうのです。その割に間取りに無駄が多く風通しも悪く余計な機能や飾りが目立ちかえって煩わしいと言う。結局のところ住む人や家族の生活や目線で空間ができていないと思うようになるのです。それほどにこの自粛生活は住まいに対する思いや期待が変わって来ているのではないでしょうか。

イラスト1:お馴染み「熊さん八ッつぁん」の江戸の裏長屋(画:天野彰)
<イラスト1:お馴染み「熊さん八ッつぁん」の江戸の裏長屋(画:天野彰)>

今の家をもっとおもしろく、も少し色っぽくしては?!

“愛の巣”であるはずの家は色気もなく面白みもないのも困ります。メーカーや建築家などの設計者は生真面目なのか?狭小住宅だからか?ローコストのためか?遊び心もなく面白げもないのです。そう色気がないのです。かつて私たちの家には大工さんや左官さらには庭師が醸し出す風情、そう色気や遊びがあったものです。海外の建築家仲間と話す時によく「日本の住まいや街さらには文学や絵画に見る風情はなぜか艶っぽい。なのに、今の家は型どおりで空虚で空しい!」とまで言われることが多いのです。なるほど彼らには歌麿や広重そして国芳国貞にみる江戸の風情の浮世絵などからわが国の風情は色っぽく奥の深い演出や精神を読み取っているのでしょう。

それは街や住まいに限らず生活そのものに粋な遊びがあって芸術文学、武芸にまで美を追及し、それが生活文化となってきたのです。それが明治、昭和となだれ込むように入って来た西欧の近代化と合理化の波に押し流されそして今、“すっきり”何もない工業製品らしい家と付け足しのインテリアで生活までもが主流となっているのです。なるほど色気がないのです。

その工業化のためにベニヤ板の箱のような家とスレート版の壁のような駅舎や街となってしまったのかも知れません。今継承されるべきは、神社仏閣などの古典建築ではなく、とりわけ住まいに異文化をバランスよく取り入れてきた庶民生活の歴史こそが日本の文化で、その原点が『熊さん八ッぁん』の暮らしにあり、その風俗を醸し出してきた絵師や物書き、さらには歌舞伎役者たちに学び、その精神を今の家に取り込むのです。

イラスト2:色っぽい和の佇まい(画:天野彰)
<イラスト2:色っぽい和の佇まい(画:天野彰)>

そこには男と女、親と子、兄や弟さらには愛と義理人情のすべてが醸成され、文化や技術のすべてこの思想に基づいて、今や世界共有の宮崎駿アニメやポケモン、スーパーマリオへと通じているのです。それは欧米のモダニズムやインテリアなどの模倣のぎこちなさや軽薄さとは違うのです。

このせっかくの?自粛時間を2LDKと呼ばれる“箱”に押し込まれてすべてを費やしてはいけません。ここであえて「桧の家」に代表される日本の家、さらには木舞壁や漆喰の左官、そして木組の素材感は日本の誰の心の奥底にあり、自然と住む人、子育てその原点の夫婦、男と女がそれぞれ見直され、健康と美、そしてその色気が醸し出されるのだと・・・、私はコンクリートの壁に向かって独り言を言いながら悦にいっているのです。

イラスト3:桧の板一枚の「床の間」その後ろに手塗りの漆喰の壁(画:天野彰)
<イラスト3:桧の板一枚の「床の間」その後ろに手塗りの漆喰の壁(画:天野彰)>

あ、今からでもDIYショップや材木店に行って、桧か杉板を一枚、さらに葦簀の簾や漆喰壁の材料を少量購入して、わが家の部屋の片隅に自前の「床の間」をつくるのです。不思議にたったそれだけで今までの部屋の様相ががらりと変わり、部屋のにおいもドラマも変わるのです。そこに科学的な芳香剤も化繊のカーテンも必要ないのです。

次回からは面白お風呂「お湯が一番!」さらには今の間取りをタンスで変えるなどお話していきます。

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建築家 天野 彰建築家 天野 彰

建築家 
天野 彰

岡崎市生まれ。日本大学理工学部卒。
「日本住改善委員会」を組織し「住まいと建築の健康と安全を考える会 (住・建・康の会)」など主宰。住宅や医院・老人施設などの設計監理を全国で精力的に行っている。TV・新聞・雑誌などで広く発言を行い、元通産省「産業構造審議会」や厚生労働省「大規模災害救助研究会」などの専門委員も歴任。著書には、新刊『建築家が考える「良い家相」の住まい』(講談社)、『六十歳から家を建てる』(新潮選書)『新しい二世帯「同居」住宅のつくり方』(講談社+α新書)新装版『リフォームは、まず300万円以下で』(講談社)『転ばぬ先の家づくり』(祥伝社)など多数。

 一級建築士事務所アトリエ4A代表。

 一級建築士天野 彰 公式ホームページ
 一級建築士事務所アトリエ4A ホームページ

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