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2024年9月22日(日)
夢が広がるユーティリティ【土間】の魅力や注意点
【1】土間のある家のメリット
土間のある家のメリットとは、暮らしや子育て、趣味などに幅広く使えるユーティリティ空間ができる、ということです。たとえば、
- ・ 子どもの遊び場
- ・ 靴を脱がずに接客が可能なため、2階LDKの間取りでも、たいていの用事は玄関先で対応できる
- ・ 天候を気にせず洗濯物が干せる
- ・ 室内ではやりにくいDIY、園芸、ペットの世話などができる
- ・ 自転車やアウトドア用品など、外で使うものを室内に持ち込まず収納でき、使うときも外に出しやすい
- ・ 現在の住まいやインテリアに“和の感覚”をプラス
【2】土間のある家のデメリット
土間のある家では、以下のようなデメリットが考えられます。
- ・ 土間の床面積が増えることから、建築費が増加
- ・ 中途半端な大きさだと、使い方が限定されて荷物置き場になりやすい
- ・ 長期優良住宅など、住宅関連の優遇税制・住宅ローン金利優遇・火災保険料の優遇措置を証する認定など取得することに、大きな手間がかかる可能性がある
- ・ 断熱に配慮した設計にしないと、床が冷えて年中活用できない
- ・ 段差が生じてバリアフリー化しにくい場合がある
- ・ 玄関土間からすぐに1階LDKにつながると、家の中が丸見えに。
さまざまな用途で使い勝手の良い土間ですが、便利になる裏返しの要因として、建築費のコストアップにつながる複数のデメリットがあります。たとえば、土のままの土間は、外部の寒さが地面を通じて伝わります。結果として、冬場は底冷えがするというのが最大の欠点です。土間を作業スペースやコミュニケーションスペースとして活用するなら、冬場に温かく過ごせるような工夫をする必要があります。しかし、自転車やバイクなどの保管場所として利用する程度であれば、土間に暖房器具などがなくても支障ありません。
同じように、温度差に伴うデメリットとして、結露があります。地面と空気の温度差が大きいときに結露が発生しやすくなる点も、土間のもつデメリットのひとつ。特に、コンクリートの土間は結露ができやすいという欠点があります。夏場は地面の温度の方が空気の温度よりも低いことから、湿気を多く含んだ空気が土間で冷やされると結露になります。
外から持ち込む汚れは避けようがないことについても認識しておく必要があります。当たり前の話ですが、土間に自転車やベビーカーをそのまま持ち込むと、汚れをどうしても家のなかに持ち込んでしまいます。また、雨の日などに出入りすると、漆喰やコンクリートを張った土間は泥汚れが目立ったり、滑りやすくなったりします。特に雨の日は、土間での転倒に要注意です。
【3】土間のデメリット解消方法
- ・ 冬場の冷え対策として、土間についても壁や床に断熱材を入れてコンクリートやタイルを張って仕上げることで、冬場の冷えが緩和されます
- ・ 夏場の結露については、防湿シートを敷いたうえに断熱材を敷き、その上にコンクリートやタイルなどを敷くことで、結露を緩和することができます
- ・ 土間の壁についても、調湿効果や断熱効果のあるものを選ぶと、結露対策の相乗効果としての効果が期待できます
土間のある暮らしで直面のは土間を綺麗に保つことが大きな悩みです。
土間をきれいに保つには、こまめな掃除に代わる対策はありません。掃除道具を用意しておいて、使ったらすぐ掃除をし、土間の近くに水洗いできるように水道を設置することで、土間を常にキレイに保つことができます。土間を水洗いしたら、すぐに換気して乾かさないと、家のなかの湿気がひどくなるので、土間との仕切りは引戸などで仕切ることができるようにしておくことが肝要です。
土間を作ることを決めたら、まずどんな目的で土間を使うのか、しっかり家族で共有してから設計者に伝えておくことが大切。設計者とイメージを共有することで、用途に合うような土間や周りの壁の材質を検討してもらえます。
【4】土間のある家の間取りにおける注意点
最後に、土間のある家を建てるとき、間取りに注意すべき点が出てきます。事前に以下のポイントに配慮することで、活用しやすい土間となります。
- ・ 庭やバルコニーなどの、外空間とのつながりはしっかり検討
- ・ 1階にLDKを配置するときは、きちんとプライバシーを確保しながら土間と室内をつなぐ空間をつくる
- ・ 廊下のように細長い土間をつくるときは、壁面や窓の大きさ・配置を工夫
- ・ 外から土間に入ることができるルートを確保して、室内を通らなくてもアウトドア用品や買い物してきたものの出し入れ、ゴミを出せたりするように
- ・ 収納を充実させて、つねに床を広く使えるように
- ・ 掃除道具専用の収納をつくっておくことで、土間の使用後に使った本人が掃除する習慣づけに
- ・ 室内の床との段差は、ベンチのように腰かけるときは35~40cm。腰かけないのであれば0~15cmが目安。土間部分だけ外用の床にして、部屋との段差がないようにつなげることもできます。
ユーティリティ空間としての土間は、暮らしに彩りが広がる多彩な空間。家づくり・リフォームを検討するとき土間のある暮らしを検討してみるのも新居の夢が広がります。
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