住宅関連記事・ノウハウ
ユーティリティ(家事室)とはどんな部屋?
今回は間取りのゾーニングにあたって、収納と同じぐらいの優先順位でつくるべきかつくらないか深く悩む方が多いユーティリティ(家事室)について解説します。
事例:「参考になる工夫が満載のモダンな住まい」(施工会社:大和ハウス工業株式会社)
そもそもユーティリティ(家事室)って何の部屋?
そもそも、ユーティリティ(家事室)とは、何をする場所なのでしょうか。
半世紀ほど前のユーティリティ(家事室)は、お手伝いさんが家事という仕事をする部屋という認識でした。20年ほど前は、主婦が使う空間として「家事室」という言葉が使われるようになりました。たとえば、アイロンをかけたり洗濯物を畳んだり。ミシンを出しておく部屋とか、パソコンを使ったりする小部屋を「家事室」とあらわしておりました。
最近では、図面上ではユーティリティともいわれておりますが、洗濯に関連する家事(洗濯、部屋干し、アイロン、ミシン、衣類管理など)をする場所としてのユーティリティ(家事室)が増えてきました。現在は共稼ぎが主。かつコロナ禍をうけたテレワークが新しい日常になった現在。家族みんなで使うことができる、家事負担を減らすためのユーティリティ(家事室)に、家づくり・リフォームを検討している方々の関心が高まっています。
《新しい日常》におけるユーティリティ(家事室)の役割
《新しい日常》におけるユーティリティ(家事室)については、日常を過ごすリビングダイニングなどのリラックスできる空間と、家事や仕事部屋を分離するために設けられる部屋を指します。つまり、今のユーティリティ(家事室)は、単純に「家事や仕事をするための空間」と考えてみましょう。
たとえば、休日に洗濯物をリビングで部屋干しして、リビングで畳む場合。リビングで洗濯物を畳めば、洗濯物のホコリがリビングに落ちます。さらに畳んだ洗濯物を所定の位置に片付けるまで、家族それぞれがくつろぐ場所であるリビングが作業部屋になります。
続いて、リビングでテレワークする場合。Web会議をするとき、背景は加工できたとしても、子どもやペットが乱入することはよくある話。よくある笑い話で済めば良いですが、大事な商談や苦情処理といったシリアスな局面で乱入されてしまうと会議の流れが乱され、最悪の場合、収拾させるまで大きな手間がかかります。
家族の立場で考えてみると、くつろぐ空間にビジネスを持ち込まれても。家族が落ち着かなくなってしまいますし、シリアスな会議で醸し出す雰囲気は確実に家族に伝わるもの。そんなことで夫婦喧嘩になったら、別な意味で大きな負担になりかねません。
つまり、家事やテレワーク機能を集中させる部屋があることで、リビング・ダイニングなどリラックスする空間の掃除や片付けが楽になり、テレワーク時でも家族がくつろぐ場所が確保できます。
もちろん、くつろぐ空間でも必要な家事は掃除と片付け。料理をするキッチンについても、1985年以降に結婚して家庭をもった方々は、一般的にキッチンとリビングダイニングが一体の方を好むようです。※1985年以前に結婚して家庭を持った方々からは、独立キッチンのほうが効率よく動けるというお話もよく伺います。
現在のユーティリティは、ライフスタイルの変化に合わせて、くつろぐ空間と明確に分けたい家事や仕事をこなす空間として活躍しているようです。
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