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建築家 天野 彰 狭い2LDKに書斎と家事室が?狭小活用

1 狭い2LDKに書斎と家事室が?

今の2LDKで「狭い」「狭苦しい!」と嘆いているだけでそのまま時を過ごすのは時間がもったいなく、しかも一部屋多い3LDKを探そうとすればなんと!もう1,000万円以上も高いマンションに移るか、さらに郊外のそのまた遠くに移動しなければなりません。

デジタルが進み対面対話の必要がなくなったのか?

このコロナ禍でテレワークだ、リモートだなどと郊外や田舎に住もうなどとも言われましたが、時が経つにつれて作業能率が悪かったり、対面で表情を捉えなければならない仕事だったりと、気が付けば職場に出て来なくても良い人材になっていたり、グループから存在を薄くしている人も多いようです。

デジタルだ、アバターだ、などとも言われていましたがやはり人はコミュニケーションあっての生き物で、特に子どもたちは仲間外れになりやすく、学力の低下も怖れられます。この災禍の終息を待ちつつ一気に元の生活に戻ることは間違いなさそうです。

こで改めて「狭“楽”しく住む」?

やはり職場や学校から遠くに離れられずに、なかなか思い通りにはならないようです。こうして今の2LDKで「狭い高い遠い」の汲々とした生活から放れられないのでしょうか?ではいったいどうすればいいのでしょう?

そう、狭い住まいはそのままでいかに広く住むか?を考え狭“苦”しさの“苦”から逃れ、「狭“楽”しく住む」のです。

しかし「わが書斎が欲しい!」

このテレワークで住まいに自身の書斎の必要を感じた方も多いと思われます。

そこで、今のリビングのひと隅に、いや今のリビングの“壁の一面に”書斎?をつくるのです。扉を開けるとそれが机の脚となり壁となって、目隠しとなり、あまり周りを気にしなく、しかも閉めれば鍵も掛けられる書斎!です。

イラスト・写真:わが書斎?!厚さ10cmの「オヤジデスク」(画・写真:天野彰)
<左:イラスト わが書斎?!厚さ10cmの「オヤジデスク」(画:天野彰)>
<右:写真 「オヤジデスク」施工例(写真:天野彰)>

なんだ?!ただのライティングビューロ-じゃないか!と思われそうですが、オヤジだけの空間となるのです。閉めればIT機器も重要書類も安全に閉じられる「オヤジデスク」です。

わたしも家事室が欲しい!

ハイハイ、夫婦仲よくリビングの壁に奥様の家事室もつくります。こちらも閉じればただのクロゼットドアのようですが、ひとたび扉を開けるとミシンやアイロン台も出てきて奥様の化粧台にもなるのです。作業途中であってもそのまま押し込めて子どもたちにも危なくないよう鍵も掛けられるのです。そうこちらは「ママデスク」です。

イラスト:わたしの家事室?!厚さ10cmの「ママデスク」(画・写真:天野彰)
<イラスト:わたしの家事室?!厚さ10cmの「ママデスク」(画:天野彰)>

こんな子ども騙しのようなものが書斎や家事室のはずがない!と思われそうですが、果たして、その建て主方は、両サイド扉が目隠しとなり不思議に「わが空間が出来た」と言うのです。実際に多くの家やリフォームでこの“書斎”や“家事室”をつくりましたが、多くの方が「案外落ち着く。夏や冬などリビングの中なので効きにくいエアコンも必要なく快適。しかも家族の近くに居られて安心」と仰るのです。

写真:2DKのハッチが開いて書斎?(写真:天野彰)
<写真:2DKのハッチが開いて書斎?(写真:天野彰)>

実は筆者自身も狭い2DKのハッチにこの“書斎”をつくりここで子どもたちとプラモデルをつくったり、著書を何冊も書いたりもしたのです。

2 1LDKに和室と客間?

居間のソファ-やテーブルをすべて書斎や家事用として広く使うアイデアもあります。テーブルや椅子などの中を収納としそれらの上蓋を開けて広々と仕事場にする方法もあるのです。

イラスト:LDKのソファーが家事室に早変わり(画:天野彰)
<イラスト:LDKのソファーが家事室に早変わり(画:天野彰)>

狭い狭苦しい!その“苦”を取って楽に、もっと楽しく「狭“楽”しく」住む!

やはり今の2LDKから部屋の多い3LDK、4LDKに移りたい!が引っ越せば家賃が倍となり「家計」がひっ迫して狭くなる。では、と郊外のそのまた郊外へと引っ越せば、今度は往復4時間近くの通勤通学時間となり家族や友人との付き合いも少なくなり「世間」が狭くなります。

所詮都市での住まいは狭い・高い・遠い、の狭さの“三すくみ”でがんじがらめで逃れることができないのです。だったら無理して広くなどせず、今の家を「広く住む」工夫をすればいいのです。

住まいの原点はやはり炉辺です。

古今東西住まいの中心は炉です。炉辺や囲炉裏しかり、家族や仲間は火を中心に車座を作って暮らしてきたのです。

今コロナの災禍がやや収まって来たところで、気になるのは家族や逢えなかった友の様子です。換気や感染対策に注意して何とか集まる機会を設けたいものです。皆で集まると電話やズームなどとは違って一瞬にして疎遠になっていた時間を取り戻せます。

しかし今のLDKでは集まる広いスペ-スがありません。そこで「女の城」と言われていたキッチンをオープンにしてダイニングキッチンどころかリビングキッチンにするのです。そうですキッチンをリビングの中心的存在へと変えるのです。

イラスト:LDKの真ん中にテーブルキッチン(画:天野彰)
<イラスト:LDKの真ん中にテーブルキッチン(画:天野彰)>

すべての壁を排除し、キッチンとテーブルをLDKの真ん中に置いて、それを囲うように流しやレンジや冷蔵庫組み込むのです。その天井には大きな換気フードで覆うのです。そう、まるであの料理教室のテーブルかステーキハウスの雰囲気です。

イラスト左:「わが家のステーキハウス」 イラスト右:みんなのジャンボテーブル(画:天野彰)
<イラスト左:「わが家のステーキハウス」 イラスト右:みんなのジャンボテーブル(画:天野彰)>

これこそキッチンであるとわが家のジャンボテーブルです! 普段は家族の食卓テーブルですが人が集まればパーティルームとなり、家族皆の書斎にもなり、料理や塾などとして教室や各種の多目的室にも変るのです。

壁から和室にベッドが?ブルートレイン式客間が?

狭い1LDKのアパートに住んでいたときの筆者の仕事場兼用のLDKで、来客があっても打ち合わせの座るところもなければ、まして泊めることもできません。

イラスト左・写真右:リビングのコーナーに仕込まれた「折り畳」(画・設計:天野彰)
<イラスト左・写真右:リビングのコーナーに仕込まれた「折り畳」(画・設計:天野彰)>

そこで“苦肉”のアイデアとして、当初壁からたたんだ畳が出てきて和室?にして、そこにちゃぶ台を置き、夜はそこに布団を敷いて寝るなどもしましたが、やはり仕事の効率も悪く、LDKのコーナーにL字形にベッドの幅のソファーを造り付けて応接間として使い。さらにその上にもう1段の折りたたみベッドを造り付け倒せば2段ベッドになるようにしたのです。

イラスト左・写真右:昼は応接ソファー、夜はブルートレイン式客間?(画・設計:天野彰)
<イラスト左・写真右:昼は応接ソファー、夜はブルートレイン式客間?(画・設計:天野彰)>

このベッドを倒したときの受けになる方をはしごとし、ソファーの下やテーブルの中に寝具を入れ、天井にカーテンレールをセットし、「わが家の客間」にしたのです。茶を愉しむ“茶道”ならぬ狭さを愉しむ“狭楽し道”です。

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建築家 天野 彰建築家 天野 彰

建築家 
天野 彰

岡崎市生まれ。日本大学理工学部卒。
「日本住改善委員会」を組織し「住まいと建築の健康と安全を考える会 (住・建・康の会)」など主宰。住宅や医院・老人施設などの設計監理を全国で精力的に行っている。TV・新聞・雑誌などで広く発言を行い、元通産省「産業構造審議会」や厚生労働省「大規模災害救助研究会」などの専門委員も歴任。著書には、新刊『建築家が考える「良い家相」の住まい』(講談社)、『六十歳から家を建てる』(新潮選書)『新しい二世帯「同居」住宅のつくり方』(講談社+α新書)新装版『リフォームは、まず300万円以下で』(講談社)『転ばぬ先の家づくり』(祥伝社)など多数。

 一級建築士事務所アトリエ4A代表。

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