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2025年4月1日(火)
1,000万円土地ありで家を建てる時の注意点を解説!
1000万円台で家を建てる:土地ありの場合の注意点と費用内訳
「土地はあるけど、1,000万円台で家は建てられるのかな?」
「1,000万円台の低予算で家を建てる時の注意点を知りたい!」
「費用を抑えて家を建てる時にコストカットすべきじゃない部分はある?」
あなたは、このようなことをお考えではありませんか?
確かに、一般的に新築住宅はとても高額なイメージがあるので不安に感じますよね。
最初に結論をお伝えすると、前提条件が整えば1,000万円台の予算で家を建てることはできます。
規格住宅という建築プランが多くのハウスメーカーで販売されており、注文住宅に比べて大幅に安く新築住宅が手に入ります。
ただ、必ず知っておくべきポイントや注意点なども多く、それらを知らずに建ててしまうと後悔する可能性があります。
住宅は一生に一度の大きな買い物なので、事前にしっかり情報を集めることが非常に重要です。当記事では、1,000万円台で家を建てる際に知っておくべき注意点について、詳しく解説していきます。
また、家を建てる際に知っておくべき以下の情報についても詳しく解説しています。
- ・1,000万円台の低予算で家を建てられる理由
- ・1,000万円台土地ありで家を建てる時の費用の内訳
- ・予算1,000万円台でもコストカットしない方がいいポイント
費用を抑えて家を建てたい方にとって必読の内容となっておりますので、ぜひ最後までお読みください!
1,000万円台土地ありで家は建つ?
結論を言うと、すでに土地を所有していれば1,000万円台で一戸建てを建てられる可能性はあります。
多くのハウスメーカーで、間取りや設備、家の形などがある程度決められている代わりに注文住宅に比べて低コストで建てられる、規格住宅が販売されています。規格住宅は一般的に「ローコスト住宅」と呼ばれており、なるべく費用を抑えて家を建てたい方におすすめの選択肢の一つと言えるでしょう。
なお、コストが低いからと言って、粗悪な材料が使われたり手抜き工事をされたりするわけでは決してありません。
ハウスメーカーによって違いはありますが、以下のような工夫をすることで家の品質を保ったまま建築コストを削減しています。
- ・シンプルな間取りやデザインで作業を効率化する
- ・建材を大量発注して材料費を減らす
- ・CMやチラシでは宣伝せずに広告費を減らす
実際に1,000万円台ほどの価格で販売されているローコスト住宅を、いくつか紹介します。
ハウスメーカー | 商品 |
---|---|
アイディホーム | リナージュ・プラス |
ヤマダホームズ | CocoLife |
アイフルホーム | i-Prime7 |
上記の規格住宅は、間取りやデザインなどの仕様がある程度決められています。外観や室内のデザイン、設備などの変更は可能で、費用はかかりますが追加オプションとして組み合わせられます。
そのため、生活スタイルや家族構成に合わせて柔軟に家作りができるというメリットがあります。
なお、北海道から東北地方のほぼ全域、北関東以北で冬の寒さが厳しい地域、日本海側の積雪地帯、ならびに九州の大部分の地域や関西以南の海沿いの地域など、厳しい気候の地域では、断熱性などの住宅性能を向上させないと快適に過ごせないため、その分の費用が別途必要になります。
1,000万円台土地ありで家の費用の内訳
1,000万円台で家を建てる時の費用は、大きく3つに分けられます。それぞれの名称と内訳の目安については、以下の表をご覧ください。
名称 | 割合の目安 |
---|---|
本体工事費 | 約70% |
付帯工事費 | 約20% |
諸費用 | 約10% |
建築費用の大半は、材料費や人件費などの本体工事費が占めます。具体的には以下のような用途で、本体工事費の金額が住宅の品質に大きく影響します。
- ・基礎・土台
- ・壁や床などの内装・外装
- ・キッチンや浴室などの様々な設備
なお、本体工事費を削って費用を抑える場合は注意が必要です。壁材や床材を安易に安いものに変更してしまうと、断熱性や防音性などが低くなる恐れがあります。
費用を抑えて家を建てられたとしても、快適に生活できなくては意味がありませんよね。
付帯工事費は主に以下のような用途に使われ、建築費の約20%を占めます。
- ・庭やガレージ、アプローチなどの外構工事
- ・水道やガスの配管工事
- ・エアコンや照明などの電気設備工事
- ・土地の状況により土木工事(地盤改良工事や擁壁工事など)
配管や電気設備の工事は必須なため、どのような外構工事をするかが建築費に影響します。
ガレージやアプローチを最低限にすれば費用を抑えられますが、完成後の改築は簡単には行えないなど注意しましょう。また、土地の状況によっては地盤改良工事や擁壁工事などの土木工事を行わないと、行政から家を建てる許可がおりない場合もあるので注意が必要です。
建築費の約10%を占める諸費用は、家を建てる際に必要な手続きの手数料などです。具体的な項目をいくつか紹介します。
- ・印紙税
- ・登記費用
- ・水道加入金
- ・住宅ローンの保証料
- ・各種保険料(火災保険・団体信用生命保険など)
これらの費用は先述した2つとは異なり、削ることはできません。建築費を抑えたい場合は、本体工事費と付帯工事費に関わる部分で工夫しましょう。
1,000万円台土地ありで家を建てる時の注意点
土地代を除けば1,000万円台で家を建てることは可能ですが、以下の注意点があります。
- ・自由度が低い
- ・家の形がシンプル
- ・騒音問題
- ・断熱と気密などの住宅性能
- ・メンテナンス費用が高い
- ・アフターサービスが見劣りする
低予算で家を建てる場合、基本的にはハウスメーカーで販売されている規格住宅の中から選ぶ形になります。
もちろん、耐震性や断熱性は基準を満たしていますが、低コストな分性能は高くない可能性があります。また、家の外観や内装がシンプルだったり、キッチンやお風呂などの設備が最低限だったりするケースもあります。
万が一、デザインが気に入らなかったり設備に不満を感じたりする部分があっても、家が完成してからでは簡単には直せません。
そのため、費用を抑えるために設備やデザイン、間取りなどを変える場合は、ハウスメーカーと相談しながら慎重に決めましょう。
なお、追加で費用はかかりますが、オプションとして壁や床の素材、間取り、設備などのグレードアップも可能です。
家のベースは決まっているものの、予算に余裕があれば自分に最適な家を作れるというのも規格住宅の利点の一つと言えます。
次項からは、1,000万円台で家を建てる際の注意点について詳しく解説していきます。
自由度が低い
ハウスメーカーが販売している規格住宅は、費用を抑えて家を建てられるというメリットがあります。
一方、デザインや間取り、設備などの自由度が注文住宅に比べて低いという点には注意が必要です。
追加オプションで使用する素材の変更や設備のグレードアップなどは可能ですが、それだけ費用がかかりますし、間取りの大幅な変更に対応していないハウスメーカーも少なくありません。
とは言え、住宅という一生に一度の大きな買い物を妥協したくはありませんよね。
多くのハウスメーカーが建物本体価格1000万円台ほどの価格で規格住宅を販売しているため、自分が納得できる家が見つかるまで根気強く探すことをおすすめします。なお、土地の建ぺい率や容積率などの条件は自治体によって異なります。
「理想に近い規格住宅が見つかったものの、土地の条件が満たせずに断念する」といったケースを避けるために、建設予定地の条件は事前に必ず確認しておきましょう。
家の形がシンプル
様々なハウスメーカーが1,000万円台ほどで建てられる規格住宅を販売しているため、選択肢は豊富にあると言えるでしょう。
ただ、多くの規格住宅は形がシンプルで、凝ったデザインのものは少ないという点には注意が必要です。
追加オプションで内装や設備のグレードアップは可能なものの、屋根や外形といった家そのものの形の変更には対応していない場合がほとんどです。
実際、ハウスメーカーの公式HPやカタログなどを見てみると、家の外観の写真が載せられており、変更できる主な部分は収納や水回りの設備、使用する素材のみということがわかりますよね。
完成後に家の形を変えるとなると大規模なリフォームが必要になり、それだけ費用も時間もかかるため本末転倒です。
先ほどの繰り返しになりますが、1,000万円台で建てられる規格住宅は豊富にあります。様々なハウスメーカーのカタログを見たりショールームに足を運んだりして、自分のお気に入りの家が見つかるまで探すのがおすすめです。
騒音問題
交通量の多い道路や線路に近い場所、人通りの多い道沿いに家を建てる場合は、騒音問題にも要注意です。
1,000万円台ほどで建てられるローコスト住宅は、予算の都合上、性能の良い建材を豊富に使うことは難しいです。そのため、防音性が不十分で日常生活に影響が出る可能性もゼロではありません。
もちろん、すべてのローコスト住宅が当てはまる訳ではなく、高い防音性を備えた家を販売しているハウスメーカーもあります。
防音性の高い家の具体的な特徴を、いくつか紹介します。
- ・吸音材や遮音材がふんだんに使われている
- ・窓やサッシが二重になっている
- ・玄関に防音ドアが使われている
また、お子様がいたり楽器の練習をしたりする家庭の場合、屋内の音が外に漏れてしまってご近所トラブルに繋がる可能性もあるため、防音性は非常に重要なポイントです。
実際に住んでから後悔しないために、SNSやレビューサイトで建築予定の家についての口コミや評判を調べるのがおすすめです。
断熱と気密などの住宅性能
先述した騒音問題と同じく、断熱性と気密性も日常生活に大きく影響するため注意が必要なポイントです。
断熱性が低いと室内の温度が外気温に大きく影響されるため、エアコンやヒーターなどの冷暖房費がかさんでしまいます。
安く家を建てられたとしても、冷暖房費が増えては意味がありませんし、寒すぎたり暑すぎる部屋は強いストレスを感じるほか、高血圧や入浴中の事故原因にもなりえます。
※参照:「あたたか住まいガイド」(2019 年 10 月発行) - 国土交通省
なお、断熱性は「UA値(外皮平均熱貫流率)」という外気と室内の熱の出入りしやすさを表した数値で定められています。すべての住宅会社が公開しているわけではありませんが、断熱性を知るうえで重要な数値となるため、可能であれば確認することをおすすめします。
また、窓や玄関の性能や間取りなども影響するため、家全体を見て総合的に判断することも重要です。
メンテナンス費用が高い
1,000万円台で家を建てる場合、グレードの高い材料を豊富に使用するのは難しいです。
そのため、屋根や外壁などが比較的劣化しやすく、メンテナンスの費用や頻度が高くなる可能性がある点には注意が必要です。屋根や外壁が劣化すると雨漏りや浸水などに繋がりますし、外壁や窓、サッシなどが劣化すると断熱性や外観が損なわれてしまいます。
せっかく家を建てるのであれば、なるべく綺麗な外観を保ちたいですし、室温が不安定では快適な生活を送ることは難しいですよね。
なお、メンテナンス箇所と費用の目安については、以下の表をご覧ください。
メンテナンス箇所 | 費用の目安 |
---|---|
外壁 | 70万円(塗装の場合) |
屋根 | 60万~140万円 |
ドアや窓、サッシなど | 1万~20万円 |
家のメンテナンス費用は、使用している材料や構造などによっても大きく変わります。
建築後、数年おきに点検を行ってくれる住宅会社もあるため、建築費用だけでなくアフターサービスも含めて比較するのがおすすめです。
アフターサービスが見劣りする
ハウスメーカーによって差はありますが、ローコスト住宅は材料費や作業費だけでなく、完成後の保証やサポートなどの面についてもコストを削減しています。
そのため、高額な規格住宅や注文住宅に比べて、アフターサービスが見劣りする点には注意しましょう。
住宅の基礎や浸水を防止する部分については、引き渡しから10年間、保証することが住宅会社や売主に義務付けられています。
ただ、住宅は数十年という長い間、住み続けるものです。10年以上についても無料で保証している会社がある一方、長期保証は有料オプションだったり、そもそも延長に対応していなかったりする業者もあります。
なお、サービスが手厚いイメージのある大手ハウスメーカーであっても、フランチャイズで経営されている場合は工務店によってアフターサービスに差があることも。
知り合いやSNS、レビューサイトの口コミ等のリアルな意見を集めることも重要です。
予算1,000万円台でもコストカットしない方がいいポイント
1,000万円台で住宅を建てる際、日常生活にかかわる部分についてはコストカットしないことをおすすめします。特に以下の2つに関しては快適性に大きく影響するため、十分な予算を充てた方が良いでしょう。
- キッチンやトイレ、お風呂などの設備
- リビングや部屋の数、収納など全体的な間取り
例えばシンクが小さくて洗い物がしにくかったり、お風呂が狭くてくつろげなかったりすると、ストレスを感じてしまいますよね。設備のコストを削減して安く家を建てられても、居心地の良い生活ができなければ意味がありません。
設備を充実させた分、シンプルなデザインにしたり安価な素材を使ったりなど、重要度の低い部分でコストカットしていくのがおすすめです。
また、部屋や収納の数を減らしてもコストは削減できますが、家族のプライバシーを守れなかったり、荷物が収納しきれなかったりする場合もあるので注意が必要です。
収納スペースを工夫して壁の数を減らしたり、1階と2階の構造が似ている総二階の家にしたりすることでコストカットが期待できます。
様々なローコスト住宅の実例を参考にしたり住宅会社と相談したりしながら、自分の理想に近い間取りに近づけていきましょう。
次項では、具体的に注意すべきポイントについて詳しく解説していきます。
設備
住宅の設備については生活の質に関わるので、予算を削りすぎないことをおすすめします。
特にキッチンやトイレ、お風呂場などは毎日使う設備なので予算を削る場合は注意しましょう。
規格住宅の設備は標準仕様が決められており、そこにオプションを追加してグレードアップするという形が一般的です。
建築費を抑えるためには、自分の生活スタイルに応じて設備の優先度を決めることが重要です。
例えば、頻繁に料理をする方であればキッチンへ、長風呂や半身浴が好きな方はお風呂へ優先的に予算を充てることで快適な生活を送りやすいでしょう。
ただ、ハウスメーカーによっては、全体の設備をグレードアップしたセットのみ提供されている場合もあるため注意が必要です。
間取り
住宅を建てる際、間取りにも優先的に予算を充てることをおすすめします。
前述した設備同様、間取りも生活の質に直結します。通路が細すぎたり部屋が狭すぎたりして窮屈な思いはしたくありませんよね。
基本的にローコスト住宅の間取りは、いくつかのパターンの中から選択して決めます。オプションのように追加で費用を払って間取りを大幅に変更できるハウスメーカーは多くないため、どのパターンを選ぶかが非常に重要と言えるでしょう。
なお、間取りにこだわりつつ費用を抑えたい場合は、総2階のようなシンプルな形の家を選ぶのがおすすめです。部分2階の家に比べて基礎部分や屋根の施工面積が小さくなるため、建築費を削減できます。また、家の表面積が小さくなるため、断熱性が高くなりやすいというメリットもあります。
どうしても気に入る間取りがない場合は、大きな部屋に仕切りを置いて2部屋のようにしたり収納グッズを活用したりするなど、間取りの変更以外の方法で解決できないか検討してみましょう。
まとめ
多くのハウスメーカーが販売している規格住宅を活用すれば、土地代を除いた1,000万円台の予算で家を建てることは可能です。
家の形や間取り、設備などはやや制限されるものの、費用を抑えて家を建てたい方には最適な選択肢の一つと言えるでしょう。
ただ、以下の5つの点においては、注文住宅や高予算の規格住宅に比べて劣る可能性もあるため、注意が必要です。
- ・自由度が低いこと
- ・家の形がシンプルなこと
- ・騒音問題
- ・断熱や気密などの住宅性能
- ・メンテナンス費用が高いこと
また、キッチンやトイレ、お風呂場などの設備や間取りについては、できる限り予算を充てることをおすすめします。
設備や間取りのグレードアップには追加で費用がかかってしまうものの、生活の質に直結する重要な要素です。自分の生活スタイルに合っていなかったり、機能性が低すぎたりする家では快適な生活はできません。
なお、規格住宅を販売しているハウスメーカーは多く、大手のような全国各地で営業している業者もあれば、一部地域でのみ営業している業者もあります。
ハウスメーカーごとに独自の規格住宅プランが販売されているため、まずは資料やカタログを取り寄せたり、シミュレーションをしてみたり建築事例を眺めてみたりするのがおすすめです。
ハウスメーカーの特徴や予算内でどんな家が建つのか聞いてみたいという方は、業界経験値の高いプロに相談してみてはいかがでしょうか。

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