住宅関連記事・ノウハウ
2025年2月20日(木)
長生きハウス!物に振り回されない! 身軽に
住まいをコンパクト化して身動きしやすくすることが安全で掃除も暖房費も安く出来ます。しかし人生長く活きていると物も多くなります。
これは筆者自身の戒めでもあるのですが・・・?断捨離!断捨離!と掛け声ばかり多い割には捨てるものが惜しくなり、さらには思い出の品々も多くなるのです。しかし物に振り回されていてはせっかくの居場所も狭くなり、さらには気苦労も多くもったいないのです。
収納間仕切りと“ポケット収納”で新たなプランをつくる?!
かと、言って今さら片付ける収納場所もないのです。そこでじっと“わが手”ならぬ、わが家の平面図を見てみます。すると間仕切りに使われている面積が意外に多いことに気付きます。
3LDKの住まいなら間仕切りの長さがざっと10mその幅は10~15cm、これをすべて奥行き10~15cmの本棚にしてしまうのです。単行本なら1m幅に天井までを10段とすると7~800冊が収納でき、これをすべて書棚にすると8000冊!なんと小さな書店並みです。これを他の収納棚にも利用するのです。

しかし長寿で人生が長くなればなるほどどうしても物が増え、老いて物をしまい込むことも苦手になるのです。また収納を多く設けてもいちいち所定の場所には入れずどこに入れたかも忘れてしまいます。
無駄なモノを見つめ 仕分、“仕舞う”文化
断捨離だ、終活だなどと少々人生を焦らせるような言葉が往行していますが、もともとわが国の“物の始末”に関しては、「しつらえ“設え”」て「しまう“仕舞う”」文化があります。
「しつらえ」は生活の場と季節と人生の歴史をつくり、「しまう」はまさに生活スペースからモノを片づけ優雅に“仕分けて舞う”美の文化とも言えるのです。本来それこそが収めて納める“収納”なのです。
実はこのことが、現代の狭苦しい都市のワンルームの生活にも通ずるのです。
まずは不要なものは思い切って片づけて捨て、物や家具は立体的に積み上げてしまうのです。まさに現代の「仕舞う」と立体に「設える」ことなのです。
また収納も最近は春秋にわざわざ入れ替える人も少なく、開いた部屋があればウォーキング・クロゼットにしたり、壁面収納にして、そこに一挙に収め、開放して虫干しも兼ねることも出来ます。
ドアならぬ、“どこでも収納”の見える“ゴールデン収納”

筆者の「狭“楽”しく」なる言葉は都市の生活コストから出た言葉です。それこそ物に溢れる家を天井までの「立体収納」にします。これで足の踏み場もなかったリビングはびっくりするほど広くなり、楽しく暮らせるのです。
それこそが現代の優雅に「仕舞う」技なのです。そのために家にあるモノをすべて出して、広げて眺めるのです。そして必要なものだけを拾う?そう「捨てる」のではなく「拾う」のです。わが人生の「思い入」と「想い出」の仕分です。
“収納”とは収めて納めるところで、物を入れる所ですが、むやみに入れるだけでは、どこに入れたのか分からなくなりパタパタと扉を開けて探すことになるのです。特に屋根裏や床下収納は入れたらもうおしまいで、まさしく“お終い”となってしまうのです。老いてよじ登ったり屈んだりは危険で、本人も物も「死蔵」となるのです。
何も難しいことではないのです。玄関には靴や外套や雨具が当たり前で、トイレにはトイレットペーパー、洗面脱衣室には取りあえずのタオルや下着などがあれば慌てて裸で取りに行くことにはならず、リフォームの際に人の動線プランと重ねて合わせて“物のプラン”をつくることです。
棚の中が見えて、手を伸ばせばすべてに手が届くことが、長寿社会の“ゴールデン収納”となるのです。きっちり整然とつくられた収納は、皮肉にもその整理と場所に追われ、疲れ果て?多くの収納が空いたままとなってしまうのです。

次回は『住まいを解放すると広くなる』です。お楽しみに。
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