住宅関連記事・ノウハウ
2026年4月12日(日)
家づくりは超長期の収支計画(2)=住まいの建築費を圧縮した場合のデメリット
はじめに
ネクスト・アイズ早坂です。今回は前回に引き続き、『家づくり計画の段階から出口戦略を考える 2』をお届けします。今回は、住まいの建築費を圧縮した場合に想定されるデメリット、ならびに、長い目で見た住宅のブランドや素材の価値観について解説します。
壁を減らすことで建築費を下げた場合
続いて、経済的な間取りについて解説します。一般的には水周りを集約する、建物の出っ張り・引っ込みを減らした四角い家は、建築コストが下がります。ただ、さらに建築費を節約するため壁を減らした開放的な間取りを検討する方々もいらっしゃることでしょう。もちろん、室内の壁を減らして大空間をつくると、空調の効きも良いし、部屋の隅々まで明るいし、さらに建築費が下がるといいことずくめのように思われます。
ただ、最大の問題は家族のプライバシーが損なわれてしまうこと。夫婦のいずれかが亡くなるまで、夫婦げんかなんてしない、親子けんかなんてしない、というのであれば良いことづくめでございますが、たとえ壁のない住まいだとしても、家族各々のプライバシー空間はきちんと確保すべきです。
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耐久性に劣る屋根・外壁材を選ぶと、メンテナンスができなかったときのリスクが大きい
屋根・外壁材は価格と耐久性が比例することが多く、かつ、素材・デザインや色合いのバリエーションがものすごく多いわけではありません。
となると、屋根や外壁材は好みよりも価格を優先しがち。屋根・外壁材はおおむね10年ごとのメンテナンスを推奨されていること、屋根や外壁材の劣化は、雨漏りをはじめとする、住宅の腐朽・劣化に直結します。長期間にわたり、きちんと10年ごとに適切なメンテナンスをすることができれば良いのですが、たとえば10年後に大きな病気になって、多額の医療費がかかった。子どもが浪人して教育費の負担が大きくなった、となると、屋根や外壁のメンテナンスはあと回しにしてしまいがちです。
そんなとき、あと1~2年メンテナンスを後回しにしても、なんとか維持できそうという安心感は何にも代えがたい安心感です。
耐震等級3は、もはや必須条件
耐震等級3の認定を取得することは、もはや必須条件と考えて差し支えないでしょう。
震災が発生したとき、建物が倒壊しないという安心感は何者にも代えがたい安心感ですが、なにより、地震保険料が50%も割引になることは、南海トラフ地震が発生する可能性が高い以上、毎年のように値上げが続く地震保険料の負担を考えると、安心感以上に大きな経済的メリットを生み出します。
ただ、家財の地震保険については、大震災が発生したときに行政から支援される義援金、ならびに被災者生活再建支援金が支給されるまでのタイムラグ(発災後数ヶ月後が目安)を考えると、当面の生活費を確保するため、家財の地震保険はできるだけ多く(火災保険金の50%が上限、かつ最高1,000万円まで)したほうが良いでしょう。地震保険とあわせて申し込みができる地震火災費用特約については、保険料が高額であることから、住宅密集地など発災後に広範囲での火災が想定される場合を除き、慎重に検討したほうが良いでしょう。
大津波が予測される地域にお住まいの場合、たとえ耐震等級3の住まいであっても津波によって住まいは全半壊してしまいます。津波の到達が予測される場合、命を守るためには、まず自分自身が速やかに高台に避難することが、なにより大切です。
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家族構成の変化に対応した構造にするか、間取り変更が難しくても自分で合わせるか
木造軸組構造は、子どもの独立をはじめとする年月の経過に伴う家族構成の変化にあわせ間取りはもちろん、建築基準法の範囲で増築・減築がしやすい構造です。家族構成の変化による増築・減築は、そのリフォーム費用も考えると、状況次第で家族の優先順位が変わります。
となると、間取り変更が難しい構造である2×4工法や鉄骨造またはRC造でも、将来の家族構成の変化に応じて、住まいを売却するという選択もありえます。新築計画時から遠い将来のことを検討することは容易ではありませんが、間取り変更が難しい工法の場合、将来の売却を前提に売りやすいデザイン・間取りにすることもポイントのひとつです。
住宅設備のブランドを重視する方々はそう多くない
ハウスメーカーの住宅を中心に、ファッションやクルマほどではありませんが多種多様な基本モデルとバリエーションがあります。同様に、住宅設備についても多種多様な基本モデルとバリエーションがあります。当然、基本モデルから間取りや設備をはじめ断熱材や窓の仕様など、最善の組み合わせを検討していくことが、各社担当者とのプランニングになります。プランを検討している段階で、高級グレードモデルだからという理由で高級モデルを選んで、見栄を張ろうとお考えの方々は、実はそう多くないかと考えています。住宅設備については、輸入キッチン設備など満足感とともに見栄を張ろうとお考えの方々はいらっしゃるかもしれませんが。
住宅の内部は、基本的に家族が使うものであって、来訪客が自由に立ち入るものではありません。また、設備や素材の質感や使い勝手は、あくまで家族の満足を最も優先すべきこととなると、設備や素材の質感や使い勝手は、設備や素材のメーカーを基準に選ぶのではなく、使い勝手や質感、メンテナンスを含めたライフサイクルバリューを基準に選ぶべきもの。室内建具や床材などは、主に建材メーカー製の「○○風」よりも天然素材の「○○」のほうが、長い期間をかけて「素材の味わい」が出てきます。一般的には期間の経過に伴う天然素材の変化を「味わい」と評価する方々は、少なからずいらっしゃいます。
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