住宅関連記事・ノウハウ
2026年4月24日(金)
税制改正は弱者に優しく強者に厳しく
はじめに
こんにちは。ネクスト・アイズ早坂です。
与党の自民党と日本維新の会は、12月19日に2026年度税制改正大綱を決定しました。年明けの国会で関連法案が成立することで、改正された税制が実行に移されます。
令和8年度税制改正大綱から読み取れるポイント
今回の税制改正大綱に明記された主な方針から読み取れたポイントですが、次年度の税制は「年収の壁」を178万円に引き上げ、かつ年収665万円以下は基礎控除上乗せという、中所得層以下に手厚い施策が最大のポイント。
さらに、住宅ローン減税の延長はもちろん、中古住宅への優遇強化と面積条件緩和、つみたてNISAの18歳未満解禁、地味ながら補助を受ける側にとっては恩恵の大きい、企業からの食事代補助の非課税枠が月3,500円→7,500円に引き上げるなど、中所得層以下の方々に向けた税制改正は、税負担を減らす内容になっています。
ただし、祖父母などから子・孫への教育資金一括贈与1,500万円非課税については、2026年3月で延長なし・終了の方向が示されたことで、親からの教育費支援をアテにしていた層の心理的負担感は大きいものと想定できます。
富裕層については、課税強化の「1億円の壁」是正に向けた最低税率30%への引き上げをはじめ、ふるさと納税の税控除額の上限設定、賃貸マンションやオフィスビルへの課税が物件の購入から5年以内の相続では対策路線価でなく購入時の価格に基づいて評価される改正について、相続制対策を見据えた5年以内での投資用物件の購入が結果として大きな税負担になりかねないという税制改正が、後々の相続税対策に影響を及ぼすものと想定できます。
住宅・不動産業界では大きく取り上げられておりませんが、今回の税制改正で自動車の購入時にかかる「自動車税・環境性能割」の廃止、主にEVなどが対象となる車両重量に即した自動車重量税の見直し、大手海外電子商取引(EC)での商品購入については1万円以下の消費税免除を廃止するなど、頻繁に自動車を購入する、消費税節税を目的に大手海外電子商取引(EC)を利用している方々は、各々税負担が増える改正になっています。
さらに、サラリーをいただく立場の「社員」にとって、賃上げは切実な問題。今回の税制改正大綱においては、賃上げ促進税制についても述べられています。
賃金を上げた企業の法人税負担を減らす賃上げ促進税制は、大企業は2025年度末・中堅企業は2026年度末で対象外になります。
大企業は内部留保や現預金が増えていることに加え、大企業への支援継続は中小企業の人手不足を助長しかねないことから、2025年度末に対象から外れるとのことです。資本金1億円超で従業員2,000人以下の中堅企業は、2026年度の適用条件を厳しくした上で同年度末で除外されます。
また、2026年度は給与総額を現状の前年度比3%以上から前年度比で4%以上増やすことを求めるとのことです。ただし、資本金1億円以下の中小企業については前年度比で1.5%以上という要件に変更はありません。
影響が大きいと考えられるのは賃貸マンションや賃貸オフィスビル等への課税強化
今回の税制改正大綱における貸付用不動産の評価の見直しは、2027年1月1日以後に相続等により取得をする財産の評価に適用されます。
ただし貸付用不動産の改正については、当該改正を通達に定める日まで被相続人等がその所有する土地(同日の5年前から所有しているものに限る=たいへん重要)に新築をした家屋(同日において建築中のものを含む)には適用されません。
つまり、相続制対策として、亡くなる直前に賃貸不動産を購入して相続税を下げる対策は、これから使えなくなると考えておいた方がよさそうです。
いままでは「現金1億円でタワーマンションを購入しそのまま賃貸に出す」と、相続税評価額が数千万円程度まで圧縮されるケースが多く、これを利用した「タワマン節税・アパマン節税」が広く行われてきました。
都心部の不動産は減税効果が顕著で、都心の不動産が多い不動産小口化商品についてはなんと、購入価額の1割程度で評価ができるものも存在したようです。
これから亡くなる5年以内に買った賃貸不動産は、路線価・固定資産税評価ではなく、購入価額の80%で評価されるということです。また、不動産小口化商品は、購入時期に関わらず通常の取引価額で評価、とのことです。繰り返しますが、この改正によって賃貸マンション、アパート、オフィスビルを使った相続税の節税対策は意味をなさなくなる、ということなのです。
現時点で読み取れる改正通達の概要
改正通達の対象となる一定の貸付用不動産について、具体的にどのような貸付用不動産が改正通達の対象になるのか、現時点では明らかになっておりません。
よって、下記のような不動産が対象となるのかどうか、今後発表される通達を注視する必要があります。
- ・相続時、贈与時に空室だった不動産
- ・月極の駐車場
- ・親族に低額で貸し付けている不動産
- ・貸宅地
また、貸付用不動産として購入して故意に長期間空室にしたり、自己居住用にした後に贈与した場合の評価額がどうなるのかという点も、現時点では明らかになっておりません。
今回の税制改正大綱を読み込んだ範囲ではありますが「当該改正を通達に定める日」の5年前から所有している土地に建物を新築した場合、5年前の応当日後に取得した土地に建物を新築した場合、ならびに小規模宅地の特例の適用については、以下のようになるかと想定しています。
5年前から所有している土地に建物を新築する場合
土地の評価
いつ相続又は贈与により取得したのかに関わらず、路線価等の従前の通達評価
建物の評価
下記に掲げる区分に応じた評価
- (1)「当該改正を通達に定める日」までに着工した家屋
- 固定資産税評価額の従前の通達評価
- (2)「当該改正を通達に定める日」後に着工し、竣工から5年以内に相続又は贈与により取得した家屋
- 取得価額の80%等の改正後の通達評価
- (3)「当該改正を通達に定める日」後に着工し、竣工から5年を超えて相続又は贈与により取得した家屋
- 固定資産税評価額の従前の通達評価
5年前の応当日後に取得した土地に建物を新築した場合
土地の評価
下記に掲げる区分に応じた評価
- (1)取得から5年以内に相続又は贈与により取得した土地
- 取得価額の80%等の改正後の通達評価
- (2)取得から5年を超えて相続又は贈与により取得した土地
- 路線価等の従前の通達評価
建物の評価
下記に掲げる区分に応じた評価
- (1)取得から5年以内に相続又は贈与により取得した家屋
- 取得価額の80%等の改正後の通達評価
- (2)取得から5年を超えて相続又は贈与により取得した家屋
- 固定資産税評価額の従前の通達評価
小規模宅地等の特例の適用
今回の税制改正大綱には、租税特別措置法について所要の措置をする旨の記載は見当たりませんでした。よって、租税特別措置法に記載がある小規模宅地等の特例の改正はされないのではないかと想定できます。想定通りであれば、改正通達の適用となる貸付用不動産等についても、現行通り小規模宅地等の特例の適用が可能と想定できます。
今回の改正は、教育資金一括贈与1,500万円非課税以上に、相続税の節税対策においてたいへん大きな影響を及ぼすものと考えられます。国会を経た法律改正ではなく通達改正になるものと想定できるため、必ず事前に税理士にご相談いただき、いままで以上に慎重な検討を重ねることが大切です。
もちろん、このような相続対策における大きな問題については、お電話だけではなくメールやオンライン会議(Zoom)でのご相談も承っております。
お気軽にお申し付けくださいませ。
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