住宅関連記事・ノウハウ
2026年8月12日(水)
「暑い!」まずは湿気を取り除きましょう
はじめに
熊本地震が7月28日発災してはや10日ほどが経ちその間これでもかと言わないほどの酷暑と熱帯夜が続き、口先では熱中症に気を付けてなどと言うものの耐えられない40度に迫る酷暑の中に放り出されているのです。
そんな中、「暑さの中に“涼味”」などと、何を絵空事などとお恥ずかしいばかりのお話となってしまいました。揺れと暑さから逃げ込める唯一が車中泊などと、さらに悲惨な避難生活です。
湿気取りは風通しと通気
古来わが国の家には “日照”を向かい入れる構造はなく、むしろ深く低い庇(ひさし)を設け、さらに広い縁側がありその奥に部屋があるのです。日陰をつくり、雨露を避け、床は極力高くあげ、湿気を嫌って冷えた空気を室内に取り入れようとする“傘の家”だったのです。
今回の熊本の大地震で電源と水を失った今改めて暑い真夏の過酷な自然との共存を迫られているのですが、時間のかかる避難住宅を急ぐよりもできれば壊れた家の横に深い庇や床を少しでも高く上げ風を通る仮設をつくってあげたいものです。簡単にテントの日よけで日陰と雨露をしのぎ、ビールケースを並べ風が下を風が通る床を各家の横に設けるだけでも余震と防犯の助けになると思うのです。

風を床下、壁、屋根裏を通す
こうして家の構造の中にも風をよく通すことが何よりも湿気を取り除きます。床下や壁の中、屋根裏の通気なのです。風通しと通気とは違うのです。
あの蔵造りに見られるように陽の当たる壁には土壁を厚く塗りさらに漆喰や珪藻土で仕上げていたのです。漆喰はその白さで陽ざしを反射しその素材の持つ調湿性で湿気を吐き出しまさに蒸発潜熱で壁を冷やすと言う優れものです。あのたらいに浸した水とタオルでスイカを気化熱で冷やした原理です。
さらに西日を防ぐために植栽を施し、開口部は簾で直射を防ぐのです。窓は極力風通しを良くし、安全な連子格子や蔀戸で守るのです。よく見ると倉の屋根の上に空気層の上にもう一重に屋根を造っているのです。
筆者の設計手法は必要な断熱も高気密もしますが、なによりも風通しと通気を最優先にします。家全体のプランニングはもちろんのこと各断面床下屋根を含めた構造の中まで立体的に風の通りを重視するのです。


家の中に物をなくすと涼しくなる!
筆者が夜寝る所だけは暑苦しいのです。いったいなぜだろうと、線香の煙で風の流れをみると脇の本棚が風を遮っていることが分かりました。 これは大変と、さっそく模様替えをし、要らないものはすべて処分し重ねられた書籍や資料は壁に沿って天井まで積み上げ、いわゆる壁面収納として一つの壁に積み上げたのです。
おかげで足の踏み場もなかった部屋中に散乱していたものがすべて積み上げられ、狭い部屋は見るからに広くなり、風の通りがすっきりさわやかに涼しくなったのです。すべての風が狭いわが家を通って、もう 一方の窓から出ていきます。これは涼しい!室内に風を通すためには“目もと”ならぬ、すっきり収納で視界も広々と風がよく通ります。

積極的に風を呼び込む「プロテクト出窓」の発想
もともと筆者のアパートには物はあまりなかったのですが、なぜか肝心の風が窓から室内に入ってこなかったのです。
そんなある日、窓の外の草がかすかに揺れていることに気づき、手を伸ばすと建物の間の谷間にわずかに風が通り、日が当たらず地面も冷えていて涼しく感じたのです。唯一の窓は風の通りに平行で部屋に風が入って来なかったのです。
そこに大きなスケッチブックをかざしてみると見事に部屋の中に風を呼び込むことができたのです。そこで廃棄された鏡台の姿見だけを持ち帰って、隣の家の間に45度ほどの角度で衝立にし、厚いゴム(と言っても古いサンダル)の摩擦でしっかり留めたのです。するとどうでしょう。すき間を通ってきた風が見事にわが家にも入りました。
鏡には、建物の狭いすき間の先の外を通る人が映り込んで見えるのです。今まで“外界”と言えば隣の壁と狭い空しか見えなかった部屋の窓にわずか4,50センチながら、外が見える窓となったのです。不思議と狭いわが木賃アパートが生き生きとし感動を覚えたものです。以来筆者の設計には突き出し鏡ならぬ「出窓」を多用し、むしろ正面からの視線や火災や騒音をも防ぎつつ(イラスト)、出窓の左右から室内に風や光を呼び込む「プロテクト出窓」を提案しているのです。

関連記事
おすすめ特集
人気のある家をテーマ別にご紹介する特集記事です。建てる際のポイントや、知っておきたい注意点など、情報満載!
注文住宅のハウスネットギャラリー
















