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2025年3月31日(月)
幼年期・思春期の子供の空間の子供の空間
子供部屋の考え方
子供の成長に合わせた空間づくり
最近では、子供1人に一部屋を与えることが、当たり前のようになってきています。しかし、子供部屋という個室を与えることによっての弊害も出てきているようです。頻発している少年犯罪や子供の引きこもり、不登校など。その子供たちの部屋は、家の中でも子供の行動が親に見えない場所にあるケースが多いようです。子供の居場所を子供部屋に確定してしまってよいものなのでしょうか?
ここでは、家の中での子供の居場所について考えていきましょう。
もちろん、最近の少年犯罪が家の間取りだけに関係しているとは思いません。複数の要因があってのことでしょう。しかし、空間によって発生してしまったコミュニケーション不足と、漠然とした疎外感は、子供たちの日々の心の中に、チリのように積み重なっていったのではないでしょうか。子供の成長に合わせた、子供のための空間を整えるべきだと考えます。
幼年期の子供の空間
幼年期に必要な空間とは
子供が幼年期の時には、集団生活の中での決まりごとやしつけを見につけるという意味でも、ちょっとしたスペースを子供の遊び場とみなして、片付けや挨拶を見につけさせたほうが良いでしょう。幼年期の場合、精神的に親に依存することが多い分、孤立した子供部屋を与えられると不安を感じることも多いようです。
若い夫婦の中には、家を子供中心の空間に設える方々も多いようですが、子供のテリトリーと大人のテリトリーはキッチリと分けて、大人同士でくつろげる場所も必要なのではないでしょうか。子供にとっても、自分が家の中心であるという間違った認識を持つことなく、大人の生活に配慮する自立した関係が保てることが大切です。子供部屋をアルコーブのような空間で設けるのも一案です。これなら、家族の存在を感じながら、勉強や遊びができます。また、時々子供の仕事をほめてあげることによって、子供もやる気になりますし、会話も生まれます。
思春期の子供の空間
思春期に必要な子供部屋のあり方
子供は思春期の場合、幼年期に比べて思考が単純ではなくなってきます。自身の生活スタイルや、親とは違ったプライベートな世界も確立される頃です。子供の世界を広げるためにも、子供部屋が必要となる時期です。しかし、親の目を盗んで夜中に外出したり、見知らぬ友人が泊まりに来たりなどの事態が親の知らない間に起こらないように、なるべく子供部屋は行動が確認しやすい場所に設えるべきです。また、将来的には家を出て行く人間ですから、自分の部屋の維持や物の管理に責任を持たせる工夫が必要です。個室の中だけで完結する生活ではなく、食事を家族と一緒にするなど、大まかなルールを作り、自己完結型ではなく、人と関わる中で形成される人間性を身につけさせるべきです。
まとめ
子供の成長と空間の調和
子供部屋を考える際には、子供の成長段階に応じて空間の設えが変わってきます。環境が少しずつ子供に与える影響は、長い時間の中で積み重なり、人を形成する一部となります。良い環境は、ゴージャスな環境というわけではありません。人と空間が調和のとれたバランスで、健康的に自然に暮らせる環境であることが重要です。また、子供達は家や社会の中で、自分の個室ではなく、自分の居場所を探しています。
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