住宅関連記事・ノウハウ
夏の節電に向けた、省エネ照明への切り替え呼びかけ
【1】夏に向けて始めよう!節電貯金
福島第一原発事故に端を発する計画停電と電力需給バランスの崩れは、身近なところでは、スーパーやコンビニの店頭からヨーグルトが消えたり電車ダイヤが大幅に変更になったりと、いままで想像もできなかった社会インフラのいろいろな問題を明らかにしました。
東日本大震災前まで、このような生活の危機すら想像もしておりませんでした。震災から一ヶ月以上経っても、自分にとって近い方々のほとんどすべてが被災。また、二度と会えなくなってしまった方がいるという事実は変わることがありません。この事実を受け止め、前を向いて故郷の復興に取り組むため。単に自粛するだけではなく、震災を契機としてムダなエネルギーを使わない、優しい暮らしを心がけるようになりました。先日は、たまたまテレビ東京様とのご縁をいただき、そんな優しい暮らし方を4月11日(月)に放送されたテレビ東京ワールドビジネスサテライト 東日本大震災特集でお話しました。
【2】節電貯金~アンペアカット
ワールドビジネスサテライトで実際にアンペアカット(契約電力量の縮小)と家庭内使用電力量の見える化を実際に体験しましたが、アンペアカットをするにあたっての下調べ資料として、省エネルギーセンター「家庭の省エネ大事典2011年版」がおすすめです。
- 省エネルギーセンター「家庭の省エネ大事典2011年版」
- こちらから
「家庭の省エネ大事典2011年版」で勧められているメニューを実践するだけで1世帯あたりの電力消費量は経済産業省策定の節電目標の15%を上回る16%も削減できて、さらにアンペアカットを行うと毎月の基本料金が10Aあたり260円(税別・東京電力管内)下がります。電気料金はアンペアカットを行わなくても年間で約1万2000円お得に。10Aのアンペアカットを行うことで、さらに3120円もお得になります。ちょっとした工夫で年間で15000円以上ものムダカットはそう簡単にできる事ではありません。
ワールドビジネスサテライト 東日本大震災特集の番組内でも紹介しておりますが、現在自宅に設置している「省エネナビ」(中国計器工業株式会社製)は、現在使用中の電力量がひと目でわかるので、家族の省エネ意識を高めるのにとても効果的です。
住宅エコポイントがもらえる住宅の断熱工事と組み合わせると、今年の夏はムダなエネルギーを使わずに、より快適に過ごすことができます。
【3】東京電力 ご契約アンペアの選び方
アンペアカットと住宅の断熱工事を組み合わせて、やさしいくらしを実践していくことは、これから全国的なブームになりそうな予感がしています。
【4】夏の節電に向けた、省エネ照明への切り替え呼びかけ
夏になると節電というのが、日々の生活で重点的に取り組んでいかなければならないテーマになっていることは、読者のみなさまもご承知かと存じます。
エアコンを我慢して扇風機で済ませたり、掃除や洗濯を効率良く済ませるために段取りを工夫したり、冷蔵庫のドアを開けることすら減らしたり、テレビを観る時間を減らしたり、無駄な照明を消したりすることなど、日々の暮らしの工夫から、最新の省エネ家電や太陽光発電システムなどの導入を検討したり、と、さまざまな節電対策を検討されているのではないか、と想定しています。ところが、四季を通じた節電で効果的なのは照明なのです。
- なんと、照明は家庭における電気使用量の第2位!
- 1位:電気冷蔵庫14.2%
- 2位:照明器具13.4%
- 3位:テレビ8.9%
出典 済産業省 総合エネルギー調査会 省エネルギー基準部会(第17回)
資料「トップランナー基準の現状等について」(平成23年12月26日)をもとに環境省作成
※資源エネルギー庁平成21年度民生部門エネルギー消費実態調査(有効回答10,040件)及び機器の使用に関する補足調査(1,448件)より日本エネルギー経済研究所が試算
家庭にはたくさんの照明があるため、ひとつひとつは小さくても、電気使用量は全体として大きくなります。でも、見方を変えると節電効果も期待できるということなのです。最近では省エネ効果にすぐれた器具も多く開発されています。照明での小さな省エネの積み重ねが、効果的な節電につながります。
大手家電メーカーでは、2008年に経産省が出した省エネ照明の普及促進の呼びかけに応じ、2012年度をめどに一般的な白熱電球などの製造・出荷を止める予定です。こうした状況をうけ、キャンペーンを通して一般家庭に対し早期の切り替えを呼びかけていきます。この取り組みのひとつが、経済産業省と環境省が連携して、省エネ性能の優れた高効率な照明製品の普及に向けたキャンペーン「あかり未来計画」。
【5】あかり未来計画
こちらから外部リンク
冷房時のエアコン温度設定を上げたりして節電することは、もちろん大切ですが熱中症など、健康を害してまで節電を心がけるのでは、本末転倒。健康を害さずに節電を心がける工夫のひとつとして、ご自宅の照明を見直す。たとえば、白熱電球を電球型蛍光ランプ、LED電球に変えるだけで電力使用量は約8割削減になりますし、太い管の蛍光灯器具から細い蛍光管を使ったHf式蛍光灯器具やLEDシーリングライトに蛍光灯照明器具ごと交換することで、電力使用量は最低でも2割削減されます。
現在ではエアコンや冷凍冷蔵庫などの最新省エネ家電と同じように、蛍光灯器具も進化して、電気代が削減されているのです。古い照明器具は劣化して危険な場合もあるので、できれば省エネ効果が高いものに交換することをおすすめします。
【6】夏を快適に節電するちょっとした工夫!節電の季節が到来!
私のように、夏に体調を崩される読者のみなさまは多いと想定されますが、今年はみなさまご存じの北海道や西日本を中心にした節電要請をうけ、照明などで工夫する省エネ以外にも、エアコンの使い方を工夫することによる節電にも取り組まなければなりません。
2012年7月3日公開ダイキン 「第18回 現代人の空気感調査」全国700名に聞いた「夏場のエアコン利用と健康管理」結果発表『冷房弱者』と節電の実態『冷房弱者』も節電は苦手。28℃設定は3割!3人に1人が節電と健康管理「両立に自信がない」
ダイキン工業株式会社
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上記を要約すると、昨年は約7割の方がエアコンの冷房使用を控えたそうです。多かった回答が、エアコンの冷房運転時間を短縮したほか、政府推奨の28℃設定遵守、扇風機など他の冷房機器を活用した方々が、それぞれ半数以上の回答になりました。エアコンを控えた方の約97%もの方々が、実は『暑さを感じていた』とのこと。
もともと冷房が苦手な方(冷房弱者)は回答者の半数以上を占めるなかで、今年の夏もエアコンの利用を控えるという方は回答者の6割以上。エアコン利用を控えながら健康管理をしていくことに『自信がない』と回答した方が全体の3割以上になっています。私自身、節電に協力したいけど、節電に協力することで日を経るごとに体調が悪くなっていくことを覚悟して節電に勤しむか、自分なりに節電協力と体調の維持管理の折り合いをどう付けるか。
【7】この夏を快適に節電するちょっとした工夫
ここで、体調を崩すことなく、この夏を快適に節電するちょっとした工夫をご案内。大きく分けて、2つお伝えしましょう。
- 暑さに体をならす工夫
- ・冷房設定温度を少しずつ上げていく
- エアコンの風量を弱める、エアコンから離れる、など
たとえば、梅雨明け直後から28℃設定で我慢するのではなく、徐々に身体を暑さにならすために、上記のような工夫をすると良いでしょう。
【8】エアコンのメンテナンスや断熱リフォームによる工夫
- ・エアコン室外機のお手入れや室外機への日射しを遮る
- ・手軽にできる断熱リフォーム『内窓設置』や日射しを遮る『日よけ(オーニング)の設置』お金がほとんどかからない工夫としては、室内機のこまめな清掃はもちろん、室外機に直射日光が当たらないよう、室外機から1mほど離れたところにも『緑のカーテン』を施すことで、室外機周辺温度が上昇してしまうことを緩和するなどの工夫をおすすめします。
ほんのちょっとしたお手入れや工夫でも、冷房設定温度の設定に負けるとも劣らない節電効果があります。上で述べた梅雨明け後から身体を少しずつ暑さにならしていく工夫とともに、ちょっとしたリフォーム、エアコン室外機へのちょっとした気配りで、我慢して体調を崩してしまう可能性を減らしつつ、昨年並みの節電対策に取り組むことができるのです。
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