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建築家 天野 彰 シンプルでわかりやすいプラン提案!~本質的な家づくり?!

1 シンプルでわかりやすいプラン提案!~本質的な家づくり?!

建築関係者はどうしても自分たちの視点でものを言っていることを痛感します。おかげで本当にその人、家族に合った家となっていないのです。このことはデザインのみならずその工法さらにはコストなどもそうですが、特に大切なプランの配置や動線」ですが、最近は家づくりやリフォームでもよく使われる用語でご存知の方も多く、つい理解されているものとしてプランニングを進めてしまうのです。ところがいざ、プランニングを進めてみるとどうもちぐはぐとなり家族の意見がまとまらないのです。結果、わが家ができて、家の中でどう動いたらよいか?どんな配置が好ましかったのか、など根本的なところで不具合が起こってしまうのです。

しかもその家の世代や家族の事情によっても「配置」と「動線」はまったく違ったものとなるのです。そこでそのプランニングですが、これも「間取り」とは理解できても実際の生活はどうか、となると、これも家族の誰にとっても居心地がよいと言うことが重要で、「間」すなわち「部屋」ではなく家族の「居場所」すなわち「場取り」です。そこでイラスト1のように画用紙を敷地と見立て、家族で丸く切った部屋かスペースに見立てた千代紙を並べてゲーム感覚で楽しむ。しかしこれこそが本質的な家族のプランニングと言えるのです。

家族ゲームでプランニング
家族間取りゲーム(画:天野彰)

家族がスムーズに動き回れる「サーキットプラン」(これもいつかお話ししますが・・・)も生まれ、「主婦が疲れずに若返り美しくなれるほど動きやすい」プランになるのです。

サーキットプラン
天野式サーキットプラン動線(画:天野彰)

さて、さらによく言われ気になる「健康住宅」「家相」「耐震」ですが、これらも言われているほど合理的に解決されていない問題ばかりです。特に家を建てる人の半数以上が気にする「家相」についてはまったく“合理的”な解決もなく、ただ「鬼門」を避けるだけの迷信のままで、それに従ってプランニングをしていると言うのが実情です。「耐震」にいたっては「免震」いや「制震」だと、まるで各社で競い合っているだけで、一体どれが本当にいいのか本人たちも分からないままで、未曽有の津波は論外としても液状化や、家具の倒壊や物の落下など、思わぬことで被害を受けるなどいまだに本質的な生活の安全が解決されていないのです。

2 まずは・・・ライフステージとは!「家は三度建てる」?~ライフステージに合わせたプランづくり

実際の家づくりでは今の家をどんな間取りにするか・どんな外観・システムキッチンはどうするかなど話しは弾むのですが、本当は将来のためにどんな土地がいいか?今の家を壊すべきか生かすべきか、狭い中でどう住むか、そしていずれ親と住むか?子と住むべきか?、最期まで自立できる家か、2、30年のメンテナンスをどうするのかなど、まさしくわが人生、わが老後を考えることが大切です。それこそわが人生を考えた家づくりで、これが住まいのライフステージです。

今の家族のためにどうする、お金をどうする?と言った中でさらにわが将来を考えるなど気が遠くなりそうな話しなのですが、実はこのライフステージである将来の時間を考えること、時間軸によって意外に今の家のプランがはっきりとしてくるものです。

今、一生懸命に間取りをひねっても、あっと言う間に子どもは成長し、その家族形態や住まいのニーズが変わってくるのです。このコラムでも何度か紹介したイラストの「住まいの時計」のように、結婚してから子育ての時期から、あっと言う間に子どもたちは成長し、結婚するなどで出て行って夫婦だけの暮らしが始まり、そうこうしている間に夫は定年退職で毎日家にいるようになるなどと、なんと、1、2、3とほぼ15年ほどで三度も家族は大きく変化しその環境も変わって行くのも当然のことにその間取りも家の形もそして広さも変わってくるのです。

住まいの時計あっと言う間に家族が変わる
「住まいの時計」住まいは15年周期で3度変わる(画:天野彰)

古来住まいは「三度建てないと自分のものにならない」とはよく言い得たことわざなのです。

3 「いい家」とはライフステージに合わせること~ライフステージに合わせたプランづくり

「いい家」と最近よく言われます。 ではいったいその「いい家」とはなにか?それは住む人の健康や安全を考え、木や漆喰などの自然素材を多用し骨太の耐震構造はもとより、外壁を大きく開放し家中の風の通りを考え、窓を多く設けます。さらに庇(ひさし)を極力深くして雨の日も窓が開けられるようにし、密集した都市部では防犯や防火のために中庭をつくってまで風を呼び込むのです。

日照以上に湿気対策である通風が最優先されるのです。これがわが国独特の気候に合わせた家づくりで、欧米の壁に囲まれた「箱の家」に対する屋根の家つまり「傘の家」なのです。その傘の家は壁に対して柱の家ですから間取りの変換や住まい方が自在なのです。現代における本当の「いい家」とは“三度も建て替え”なくとも家族のライフステージに合わせて自在に間取りを変え、ずっと長く住める家だと思うのです。

「傘の家」と「住まいの家族時計」
左:いい家は風通しのいい「傘の家」 右:「住まいの家族時計」自分の外あるいは内に世代の違う時計が回る(画:天野彰)

超長寿命化でさらに長い人生の自分とその家族を考えるのです。住まいは構造や設備はもとより外観やインテリアも大切ですが、家族が互いに住みやすいか?この先いくつになっても“居心地のいい家”か? “老後を安心して過ごせる家”こそが『いい家』なのです。

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建築家 天野 彰建築家 天野 彰

建築家 
天野 彰

岡崎市生まれ。日本大学理工学部卒。
「日本住改善委員会」を組織し「住まいと建築の健康と安全を考える会 (住・建・康の会)」など主宰。住宅や医院・老人施設などの設計監理を全国で精力的に行っている。TV・新聞・雑誌などで広く発言を行い、元通産省「産業構造審議会」や厚生労働省「大規模災害救助研究会」などの専門委員も歴任。著書には、新刊『建築家が考える「良い家相」の住まい』(講談社)、『六十歳から家を建てる』(新潮選書)『新しい二世帯「同居」住宅のつくり方』(講談社+α新書)新装版『リフォームは、まず300万円以下で』(講談社)『転ばぬ先の家づくり』(祥伝社)など多数。

 一級建築士事務所アトリエ4A代表。

 一級建築士天野 彰 公式ホームページ
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