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~北欧スタイルの魅力~人にやさしい北欧アイテム
【1】人にやさしい北欧アイテム
インテリアとして人気の高い北欧スタイル。それはスウェーデン、ノルウェー、フィンランド、デンマークといったスカンジナビア半島周辺の国々で生まれたインテリア様式のこと。寒いこの時期は、あたたかな北欧スタイルがより魅力的に映ります。シンプルでモダン、それでいて手づくりのやさしさを感じる北欧スタイルを、うまく空間に取り入れるポイントについてご紹介します。
- 形・素材・色柄 人にやさしく機能的な北欧アイテム
- 北欧の家具に共通しているのは、曲線。椅子のアームやキャビネットの取っ手などに鋭いエッジのような角をつくらず、丸みを帯びたやわらかなデザインが用いられています。また、椅子はもちろん、ローボードやチェストなど、家具のほとんどには先に行くほど細くなる丸い棒状の脚がつけられているのも特長の一つ。和の家具ほど直線的でもなく、ミッドセンチュリーの家具ほどきついカーブではない、中間のラインを描くのが北欧スタイルの基本です。さらに、豊かな自然に恵まれた風土のためか、北欧ではインテリアの中にナチュラルな素材感を活かしたり、動植物をモチーフにしたデザインを取り入れたりするのも得意です。なかでも、家具で多用される天然素材といえば木。特に、ホワイトオークなどの白木系や赤みのあるチークやローズウッドなどがよく使われます。ナチュラルでモダンな空間にするなら白木を、ユーズド系を目指すならチークなどでまとめるのが〝らしい〞雰囲気に仕上げるコツといえるでしょう。
シンプルな家具でまとめた空間に、自然をモチーフにした柄や幾何学柄のファブリックでメリハリをつけたり。形、素材、色柄…。そのどれもが人にやさしく機能的で美しいのが、北欧スタイルの魅力なのです。
【2】視覚的な楽しみ
- 間接照明やキャンドルで視覚的なあたたかさを楽しむ
- 長い夜を楽しむために、あたたかみのある光を生活に取り入れるのも、北欧の家庭では一般的。照明も北欧スタイルの大きなポイントです。その際、選びたいのが、すっきりとしたシンプルなデザインの照明器具。木やファブリックが使われているものだとナチュラルな雰囲気に、ガラスやホーロー製のものだとモダンな印象に仕上がります。電球色を用いた間接照明にすることで、部屋に広がりや陰影などが加わり、視覚的なあたたかさが演出できます。
間接照明のいいところは、生活シーンに応じた光の表情がつくりやすいこと。例えば、ゆったりとくつろぎたいリビングや寝室ならスポットライト(1点を集中的に照らす照明)で壁を照らせば部屋自体に奥行きが、そしてフロアライト(床置きの照明)で低めの位置を照らせば落ち着きのある雰囲気が表現できます。また、明かりには人を呼び寄せる効果もあるため、リビングやダイニングなど、家族が集まる空間では部屋の中心にペンダントタイプの照明をつるすと、そこが明かり溜まりとなり、団らんを楽しむきっかけにも。明かり一つで大きく部屋の印象が変わるため、楽しみながら取り入れたいものです。
- リラックスしたい夜にはキャンドルを利用するのもおすすめ
- キャンドルの明かりがつくる陰影やゆらゆら揺れる炎がもたらす鎮静作用が豊かな夜の時間をもたらしてくれるでしょう。キャンドルは火をつけずにそのまま部屋に置いておいても十分インテリアのポイントになりますが、やはり冬の時期は実際に火を灯すことで見た目のあたたかさが楽しめます。その際、高さの違うキャンドルをたくさん並べても素敵です。
【3】北欧の家具を上手に利用
- クッションや雑貨など、北欧の小物を上手に利用
- シンプルで美しい北欧スタイルの家具は、欧米のものに比べるとサイズが小振りで、日本の生活空間に合いやすいのも嬉しい点。とはいえ、空間のすべてを北欧デザインに切り替えるのは、なかなか大変なことです。では、どうすればよいでしょう?愛着のある手持ちの家具を活かしながら、上手に北欧スタイルを取り入れるには、大きく二つの方法があります。
- 北欧デザインの椅子やキャビネットといった単品のアイテムを部屋の主役としてレイアウトする方法
- 例えば、リビングであれば部屋に入って最初に目がいくコーナーやテレビのまわりなどに北欧を感じさせる小家具を配置すると、それだけで印象が変わります。単体であっても家具を購入するのはちょっと、という場合は、木のバスケットや北欧らしい色柄のキッチンタオル、幾何学模様のラグ、木の雑貨など、脇役となる小物を、北欧を意識したものに変えるだけでも効果的。季節に応じて、レイアウトする小物を変えていくと雰囲気も変わり、新鮮な気持ちで北欧スタイルが楽しめます。厳しくても美しい自然と共存するための知恵を習得してきた北欧の人々の意識は、日本人が古くから大切にしてきた「ものを大事にする」という心と、どこか似ています。北欧スタイルが一過性のブームではなく、インテリアの一つのスタイルとして日本に定着しつつあるのは、こうした北欧の人々の心意気への賞賛が、その根底にあるのでしょう。シンプルでいて、ほっとくつろげる北欧スタイルのインテリア。今年、そのセンスを取り入れながら、どこよりも居心地のいいわが家づくりを始めてみてはいかがでしょう。
情報提供:住宅情報マガジン『余はくvol.20 新春号』
P8~P11(2014.1.1発行)
取材・文/冨部 志保子氏 写真提供/unico
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