住宅関連記事・ノウハウ
2025年11月8日(土)
天野彰~同居を改めて考える「二世帯住宅」はどうなった?
二世帯住宅は住みやすいか?
今の家を減築して老後の生活を小さくし、空いたスペースや土地に子ども夫婦を住まわせる。そんな広さのある家は意外と多く、減築は今の間取りを整理して縮めるリフォームです。その縮めることに意義があります。かつて二世帯住宅はハウスメーカーの売り文句として盛んに囃されましたが、近年は「同居」という言葉さえあまり使われなくなりました。その理由は、二世帯住宅を建てた人たちから評判があまり良くなかったことにあります。
一、二階を上下で分け外階段で住めば勝手気ままに同居できるという安易なコンセプトが多く、親子間のもめ事や訴訟に発展するケースも少なくありませんでした。親の安心や老後不安の解消、子どもの土地問題を解決する合理的な思想は売り文句としては魅力的でしたが、実際には生活上の課題が残ることが多かったのです。結果として、多世帯住宅やアパート併用住宅、マンション分譲にも大きな影響を与えました。

同居の意味と責任は?
親子が仲睦まじく住んでいる光景は和やかで安心感があります。しかし二世帯住宅が登場して以降、親子の絆や文化が十分に継承されず、勝手気ままな暮らしに偏るケースが増えました。親子双方が生活上の負担を感じることもあり、同居の意義や責任を考えずに建てることの問題が浮き彫りになっています。
親子互いに都合が良くても、生活や文化の継承は断たれることがあります。共同で住む思いやりや気遣いも醸成されず、子育てや高齢者の支援が十分に機能しないこともあるのです。

同居は少子高齢化社会を救えるか?
親世帯と子世帯が一緒に住む住宅は単なる共同住宅ではなく、文化や生活習慣、家族の歴史を継承する場でもあります。特に子育てでは、親子二組の両親や祖父母の目があり、安心して子どもを育てることができます。老親にとっても孫のサポートが得られ、心強さや安心感が生まれます。
一方で、同居生活には思い過ごしや疑心暗鬼が生まれやすく、互いの負担感が増すこともあります。壁で仕切るだけの二世帯住宅では、生活の干渉がない一方で、親子の関係が希薄になることがあります。

親子協働住宅としての同居
親子が互いの生活を尊重しつつ、互いを見守れる住宅プランが求められます。親夫婦と子夫婦の生活を優先しながらも、互いのゾーンを分けることで、同居の良さと安心を両立できます。寝室やLDKを二つ設け、子ども部屋は親から遠く配置することで、干渉を最小化しつつ、生活の支援や見守りが可能になります。

子育てに最適な二世帯含み住宅
二世帯含み住宅では、娘夫婦と息子夫婦の特性に合わせて同居方法を変えることで、最適な居住環境が作れます。娘夫婦は別々に配置し、息子夫婦はべったり同居する形にすることで、互いのプライバシーを守りつつ、親子孫三代の生活の伝承とサポートが可能になります。
仕掛けとして、中からも外からも使える階段やマジックドアを設置し、状況に応じて一体化・分離を切り替えられます。これにより、孫の友だちや来客時にも対応でき、転勤時には貸し出すことも可能です。少子高齢化社会において、こうした柔軟な同居住宅は、家族だけでなく社会全体の安心につながります。

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