住宅関連記事・ノウハウ
いくつになっても住める家(2)「夫婦の家」とは?
○今回のポイント 1 家族ではなく「夫婦」の老後まで考えた家づくりが思いやり
○今回のポイント 2 寝室を完全分離にせず、襖などで緩く繋げることが重要
11月22日は「1122(いいふうふ)」のゴロ合わせで、「いい夫婦の日」だと言うのです。1988年に余暇開発センターなるところが提唱したものだと言う。
もともと子育て優先、会社第一主義の30年ほど前の時代に、ちょっと足を止め「夫婦を見つめましょうよ」と言った趣旨で叫ばれたようですが・・・、今まさに超高齢化社会となって子供たちは成長して出て行き、夫は毎日家に居るようになり、否が応でも毎日夫婦互いに顔を突き合わせ、どこが「いい夫婦」だ?と言わんばかりですが、そこで改めて今こそ「いい夫婦の家」とは何か、老いてこれから夫婦はどうあるべきか?のお話です。
かつての「家づくり」から見る夫婦とは
そこで改めて大枚叩いて建てた、いや購入した今の家を見直してみるのです。すると果たして夫婦が、家族が、そして長い老後の生活に向けて、家は住みにくくボロボロということではこの先が心配でなりません。
「家のことは家内に任せている」とか「女房が気に入ればいい」などと言っていたツケかも知れません。
思えば住宅展示場やマンションの仮設のモデルルームに行って価額やシステムキッチンなど表面的なところばかり見てポンと決めて、建築現場に足しげく通ったり、ヘルメットをかぶり、その工事の状況を自分の目で確かめ、柱の太さや梁など素人目にもたくましく感じ、さらに設備の配管配線など確かめたかどうかいささか疑問です。それこそ、愛情あふれる「夫婦の家」づくりのはずだったのですが・・・。
もともと家づくり・家選びは、古今東西夫の役目です。そこで今、夫婦で散歩のつもりで展示場や公開現場など一緒に見学し、改めて現代の家がどうなっているかを学び、夫婦のこれからを探るのです。それこそがまず夫婦を見直す良い機会となるのです。
すると改めて気になることは、かつての家づくりは夫婦のウエート、いや夫のウエートが低かったことに気が付きます。子育ての生活で、互いの寝室を分けてしまったり、さらに子どもが出て行った後はその子ども部屋に妻が移りついには1階と2階とに分かれて休んでいるなどです。
家の見直し時のポイントは寝室
この家の見直しの時こそ「オレに任せろ!」くらいの気迫で、いざと云う時離れて寝ていては危険だ。子ども部屋を一つの寝室にし間にふすまを建て、いびきや寝起きの時間差や暑さ寒さの温度差をエアコン別々にし、さらに老いて身体が不自由になったときのことを考え、家事やトイレなどの水回り設備をすっきりシンプルにコンパクトにするなど提案をするのです。
<子ども部屋の壁を壊しそこを襖で開け閉め?夫/婦寝室(天野彰)>
なんと意外や意外、その夫の溌剌とした姿勢に奥さんもきっと改めて“ほれ直して”くれるはずです?
<「夫/婦寝室」のプラン例(天野彰)>
<「カニの横歩き」すっきり家事周り・トイレを寝室の近くに(天野彰)>
家づくりは、夫婦のあり方を見つめ直すチャンス
確かに最近の家づくりで、夫婦のあり方を見ていると、なぜか結婚することの“意味”が気になるのです。かつての「適齢期」などの言葉が今の子どもたちには死語となり、独身貴族などといった未婚者神話のような時代となっているのです。さらに熟年夫婦の離婚も増え、家はいったい何の意味を持つのか?家の価値も家を持つ意味も怪しくなるのです。
れからの夫婦は互いの将来をどう考えているのか?どう生きて行くのか?を確かめて、今一度?夫婦の“愛”や“思いやり”とは何かを、この住まいづくりやリフォームのチャンスで、原点から確かめるのです。
次回は「老いて自立できる家とは?」です。
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