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建築家 天野 彰 いくつになっても住める家(3)老いて活性できる不自由な家?

○今回のポイント 1 誰しも老いることを忘れずに家をつくることが重要
○今回のポイント 2 機能性などは機械やAIに任せ、老後までどう暮らすかを考える

なぜ今「老い」が問題になる?

誰もいつかは必ず老いるのです。多くの家づくりのお手伝いをして来ていつも思うのは関心事が子育てのことで、この若い家族もいずれその子どもたちはあっという間に成長し出て行き、残された夫婦は老いて、さらに老後の生活を送り続ける・・・。
まったくあたり前のことで誰もが分かっていることのはずだが夢の家づくりの際にはそんな水を差すような暗い話など言うことはなかったのです。なるほどあらゆるハウスメーカーのコマーシャルを見てもセールの際も“老いる問題”はあえて億尾にも出さなかったのです。

そして今、そんな家にあまりにも多くの老人たちが過ごしているのです。はては空き家となり朽ちてもいるのです。その家でまさに生きているのではなく黙々と暮らしている訳でもない。まさに“過ごして”いるようなのです。いったいなにを“過ごそう”としているのか・・・?

今こうした人が“老いること”がまるで新たな問題のようになって、突如断捨離だの終活などと実に暗い人生の終局のような話題が多いのです。
果たして同時に家を建てたりあるいはリフォームをしたり、もっと言えば家を持とうと言うことさえ誰もが興味を失っているかのような時代になっているのです。
一体何が起こったのでしょうか?

時が経ちことで落ち着と刺激を持った家づくり

まさにわが住まいに創造力と優しさが発揮されていないのです。昔の建物は歴史があってしかも枯れてこそ落ち着くような工夫がなされていたのです。 それこそが本来のデザインだったのです。

ところが家も車も売れそうな形だの機能だのの情報を集め平均化して無難な方向を選び、まるで世界の好みの車や住まいの平均値のようなものになっているのです。これこそがAIの発想であり、生活も好みも個性さえもすべて画一化されてしまいそうなのです。

そこで今、改めて自分たちはどんな老いの生活をしたいかを創るのです。するとまさに溢れるあらゆる情報や事象や光景に、自分たち自身が“AI化”してしまっていることに驚くと言われるのです。
しかしここで改めて老いてこそできる楽しみや遊びさらには感傷など工夫し創造するのです。介護や防災や防犯の非常センサーなどのセキュリティは機械やAIに任せ、そして自分たちの生活動作は通説のバリアフリーに頼るのではなく、あえて“不都合にして”リハビリ効果を身体にしみこませるのです。

あえて住まいが便利ではなく劇的な情景や刺激を持たせることが重要なのです。ちょっと抽象的で乱暴な言い方となりましたが・・・、具体的には一人で腰をづらしてでもトイレに行ったり、さらにあえて“段差を設け”など生活に変化をもたせることなのです。

わが家の自力トイレ浴室(天野彰)
<わが家の自力トイレ浴室(天野彰)>

浴室のすのこ床で洗う(画:天野彰)
<浴室のすのこ床で洗う(画:天野彰)>

次回は「自力で生きて行く?」です。

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★毎週土曜日 最新コラム公開中!   次回お楽しみに♪

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建築家 天野 彰建築家 天野 彰

建築家 
天野 彰

岡崎市生まれ。日本大学理工学部卒。
「日本住改善委員会」を組織し「住まいと建築の健康と安全を考える会 (住・建・康の会)」など主宰。住宅や医院・老人施設などの設計監理を全国で精力的に行っている。TV・新聞・雑誌などで広く発言を行い、元通産省「産業構造審議会」や厚生労働省「大規模災害救助研究会」などの専門委員も歴任。著書には、新刊『建築家が考える「良い家相」の住まい』(講談社)、『六十歳から家を建てる』(新潮選書)『新しい二世帯「同居」住宅のつくり方』(講談社+α新書)新装版『リフォームは、まず300万円以下で』(講談社)『転ばぬ先の家づくり』(祥伝社)など多数。

 一級建築士事務所アトリエ4A代表。

 一級建築士天野 彰 公式ホームページ
 一級建築士事務所アトリエ4A ホームページ

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