住宅関連記事・ノウハウ
灯火親しむ冬をもっと楽しく、リビングをシアターに
最近は秋らしい秋がなく、なぜか暑い夏から急に冬になってしまったような気がします。これはCO2による気候変動のせいか、次々変異する新型コロナのせいか?あるいは確率が極まる首都直下やプレートによるメガ地震のせい?とかくこの世は住みにくくなって来たものです。
1 アバター・コミュニケーション時代の家
そして今、コロナ後遺症と思しき人身をも顧みない事件や風潮が世に蔓延し、あちこちで、とても大人社会とは思えない短絡的な小競り合いや紛争が多発しています。
非接触でレベルの低いカタカナの新語も生まれ、テレワークが進み、上半身ネクタイで目元だけメイクのアバター的な無行動のコミュニケ―ションが常態化して、まるで仕事全体がコンピューターゲーム化しています。こうして家庭も社会も「個」の暮らしへと急激に変容し、家族や同僚とのリアルな食事も面会はおろか会合や宴会もはばかる社会となりそうです。
既に家庭内の虐待や放置さらには自殺の多発は関係無くなさそうで、願わくは「個」が「孤」にならない家族や社会にしたいものです。
2 灯りは密度の濃いコミュニケーション
そこで灯りです。薪を丸く囲んで暖を取り互いの炎に照らされる家族の表情を見る。そこに映し出される炎の揺らぎの陰影のある暖かい表情、炎に輝く瞳。
これです。これこそが原始以来長きにわたって築いた「人」の団らんです。この「人」として最も重要な灯りを現代の家庭や街にどこでも灯すこと出来る電灯です。今の快適な生活はあの発明王トーマス・アルバ・エジソンのお陰です。さらに電話や電池、そして蓄音機や映写機へと今ある暮らしの快適性やエンターテインメントの元はすべてエジソンが発明したとも言えるのです。今までの夜の暮らしは、たいまつ、ろうそく、カンテラ、さらにガス燈などと火を焚いて闇を照らしていた生活が、突如延べに明るい夜となって、人類の生活は飛躍的に変わったのです。
3 暗いから心踊る?
しかし現代のように夜があまり明る過ぎるのも風情がありません。夜は暗いことが当たり前で欧米人は今でも煌々と電燈を着けず、ホテルなどでは日本人とっては暗く新聞も読めず暮らしにくさも感じるのです。今さら古代の暗い夜の生活に逆戻りはできませんが、たまには電灯を消してろうそくの灯り夜の“暗さを楽しむ”ことも必要です。普段にはない幻想的な生活体験ができます。
4 わが家を映画館に!巨大シアターリビングの発想
いま家族が「個」の時代に至ったのは進化したスマホやゲームの進化のせいとも言われます。コロナ騒ぎになる前からすでにこの問題は大きく家族を変えていました。既に子供たちは家族の中で「孤」になっていたのかも知れません。
<写真:ボタン一つでシャッターとスクリーンが下がり照明が暗転して映画館に早変わり(板谷氏邸リビング(設計:天野彰)>
そこでのっぺり明るいリビングを暗くして、大画面のTVやスクリーンの映画を映すと、たちまちわが家が映画館に変身するのです。そこに家族は自然に寄ってきます。まさしく昔の薪の団らんです。
<写真:リビングの天井に仕掛けられた120インチの巻上げスクリーン(天野彰邸 リビング)>
<写真:わが家のシアタースクリーンを下ろしたリビング(天野彰邸 リビング)>
仕事中心だった建て主のご主人にたまには職場から離れ、仕事から解放されるべくリビングをシアターにするように提案したのです。以来家庭中心の映画マニアになられ、そればかりか家族みんなが集まりの家庭の座を取り戻されたと言うのです。 実は彼は筆者の主治医でした。「貴兄は私の家の主治医だ」と言われた言葉は筆者の最高の栄誉になりました。
<写真:富士山上空写真よい年になりますよう・・・(写真:天野彰)>
さあ2022年こそコロナから開放され 明るい歳にしたいものですね。
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