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建築家 天野 彰 暑い夏を乗り切る(4)爽やか「目元涼しい収納美人」

○ 今回のポイント 1 風を室内に呼び込む?
○ 今回のポイント 2 物を無くすと涼しくなる!
○ 今回のポイント 3 出窓の効能「プロテクト出窓」の発想?

 
 

暑い! 蒸し暑い!まさに北海道まで含め、全国津々浦々暑苦しい毎日です。

しかし、不思議なことに例年の30度以上のカーッと熱い真夏の方が、だらだらとした長梅雨のような蒸し暑さよりも過ごしやすく感じます。日陰に入れば涼しく、風でもあればむしろ快適で夜は涼しくもなります。

あの夏らしい夏が懐かしくも感じられる昨今ですが、都心や密集地ではそうはいきません。風の通りもさることながら、各戸がつけるエアコンの室外機の熱風が、音が窓から入って来ます。

風を室内に呼び込む?

しかし同じ密集した家々でも、風の向きや建物の間や中庭などから涼しい風が入って来ることもあります。私が初めて住んだ学生時代のアパートは、ルームクーラーはおろか扇風機もなく、密集した北東の角部屋で窓を開けると隣家の壁や塀が3、40センチに迫っていました。

昼暗く冬は寒く夏は暑苦しい部屋でした。暑さには公園に出て涼んだり、クーラーのある喫茶店で暑さをしのいだりしたものです。

そんなある日、窓の外の草がかすかに揺れていることに気づき手を伸ばすと建物の間の谷間に風が通り、日が当たらず地面も冷えていて涼しく感じたのです。しかし家の窓は風の通りに平行で部屋に風が入って来ないのです。

そこに大きなスケッチブックをかざしてみると見事に部屋の中に風を呼び込むのです。そこで建て替えの現場から廃棄の姿見を持ち帰って、隣の家の間に45度ほどの角度で衝立とし、厚いゴムの摩擦で留めたのです。するとどうでしょう! すき間を通ってきた風が見事にわが家に入りました。

イラスト1:家の外に、騒音・断熱、室内環境を向上させる工夫天野彰)
<イラスト1:家の外に、騒音・断熱、室内環境を向上させる工夫(天野彰)>

物を無くすと涼しくなる!

風のすべてが狭いわが家を通って、もう一方の窓から出ていきます。これは涼しい!しかし筆者が仕事をし、夜寝る所だけは暑苦しいのです。

いったいなぜだろうと、たばこの煙で風の流れをみると脇の本棚が風を遮っていることが分かりました。 これは大変、さっそく模様替え。

まず要らないものはすべて処分し、あちこちに重ねられた書籍や資料は壁に沿ってブロックと板で天井まで積み上げ、いわゆる壁面収納として一つの壁に積み上げたのです。

おかげで足の踏み場もなかった部屋中に散乱していたものがすべて積み上げられ、狭い部屋は見るからに広くなり、風の通りだけでなく見た目にもすっきりさわやか、涼しくなったのです。

出窓の効能「プロテクト出窓」の発想?

もっと驚いたことは、外に置いた鏡には、建物の狭いすき間の先の外を通る人が映り込んで見えたのです。今まで“外界”と言えば空しか見えなかった部屋の窓にわずか4,50センチのすき間ながら、外が見える窓となったのです。そんなことで、狭い木賃アパートが生き生きとした不思議な感動を覚えたのです。

まさしく“目もと”ならぬ、涼しい風を呼び込み、すっきり視界も広々とし「収納美人」の部屋となったのです。 以来、筆者は、突き出し鏡ならぬ「出窓」を多用し、むしろ正面からの視線や火災や騒音をも防ぎつつ

【下記イラスト参照】

イラスト2:風を呼び込む出窓。防音ガラスブロック防火(画:天野彰)
<イラスト2:風を呼び込む出窓。防音ガラスブロック防火(画:天野彰)>

出窓の左右から室内に風や光を呼び込む「プロテクト出窓」を考案。さらに収納や物を出っ張らせない「壁面収納」で室内をすっきりとするようにしているのです。

写真1:プロテクト出窓世田谷T邸(天野彰)
<写真1:プロテクト出窓世田谷T邸(天野彰)>

次回はこうした「収納美人」で家がどう変わるかについてお話しましょう。

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お楽しみに♪

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建築家 天野 彰建築家 天野 彰

建築家 
天野 彰

岡崎市生まれ。日本大学理工学部卒。
「日本住改善委員会」を組織し「住まいと建築の健康と安全を考える会 (住・建・康の会)」など主宰。住宅や医院・老人施設などの設計監理を全国で精力的に行っている。TV・新聞・雑誌などで広く発言を行い、元通産省「産業構造審議会」や厚生労働省「大規模災害救助研究会」などの専門委員も歴任。著書には、新刊『建築家が考える「良い家相」の住まい』(講談社)、『六十歳から家を建てる』(新潮選書)『新しい二世帯「同居」住宅のつくり方』(講談社+α新書)新装版『リフォームは、まず300万円以下で』(講談社)『転ばぬ先の家づくり』(祥伝社)など多数。

 一級建築士事務所アトリエ4A代表。

 一級建築士天野 彰 公式ホームページ
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