住宅関連記事・ノウハウ
収納(4)危険な屋根裏もゴールデン収納に
○ 今回のポイント 1 厳しい建築基準法はわが家の安全と環境を守る
○ 今回のポイント 2 屋根裏収納を安全に這って行ける収納と物干し場に?
○ 今回のポイント 3 階段の工夫で屋根裏も危険な床下も「ゴールデン収納」に?
どの家にもある「屋根裏収納」は天井に埋め込み式の折り畳み階段などで上り下りすることになるのですが、難点は梯子のように急で幅も狭いことです。若いころはなんとかしまい込むことができた物も、老いてからでは階段を下すことも難儀で事故も多く、二度と出すこともできなくなります。
しかし屋根裏などのデッドスペースを広い収納スペースにしたいものですが3階建てがダメで容積率や建蔽率が小さい住居地域では高さ制限や北側斜線などもさらに厳しくなります。
厳しい建築基準法はわが家の安全と環境を守る
法の構成は都市全体や近隣に対する地域ごとの高さや容積制限などの外形と防火基準などの「団体規定」と、人が住む上での安全と環境基準の「単体規定」の二つが主軸となっています。建築基準法は街と住む人を守り快適に暮らすための最低基準でもあるのです。
屋根裏収納を安全に這って行ける収納と物干し場に?
さてその屋根裏収納ですが、正式には「小屋裏収納」で、2階などの天井と屋根の間にある小屋組の中に収納をつくるものです。 天井の構造を補強して床を張り、そこに物を収納するのですが、この小屋裏も規定があります。屋根裏の天井までの高さが1メートル40センチ以下なら床面積に算定されないことから容積(総床面積の制限)の厳しいところでは、この貴重な空間を何とか確保しようとこの屋根裏の空間がつくられます。ロフトなどと称して子どもの遊びの空間にすることもありますが、基本的には人が居る部屋としては使えません。
階段の工夫で屋根裏も危険な床下も「ゴールデン収納」に?
収納は有ると嬉しいものですが、高いところや床下などは使いにくく危険です。筆者は手を伸ばして届く範囲の収納場所をTVのゴールデン・タイムならぬ「ゴールデン収納」と名付けました。
<イラスト1:ゴールデン収納(天野彰)>
今の階段を生かして安全でゆったりとした使いやすい収納にしたいものです。階段を延長して中3階位置に踊り場のような物干し場もできます。
<イラスト2:階段途中の踊り場上部を「物干し場」に天野彰)>
地域によってはこの階段が3階とみなされ面積の制限がかかることもあり協議が必要ですが、イラストのように2階の屋根裏空間を2階の床から屈(かが)んで楽に使う屋根裏収納が可能となります。こうすればクローゼットのように安全に歩いて(這って)行けるようになります。
同じことが最高、高さ内であれば二階床下に中2階的な階をつくり、天井の高さを1.4メートル以下にしてそこに大きな収蔵庫などをつくる方法も考えられます。落ちる危険があり、使いにくい「床下収納」も基礎を高くし、高床にしてその床下にゆったりとした収蔵庫を設けます。地下室のようですが、人が入れる床下収納になります。この下り口も人が落ち込まないように階段の続きにするか、押し入れの中などに階段を設けるのです。
<イラスト3:屋根裏の高さまで階段を延長し小屋裏クローゼットに(天野彰)>
そこで次回は"まだまだある重宝!「ポケット収納」"についてお話ししたいと思います。
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