住宅関連記事・ノウハウ
収納(2)「収納のマトリックス」とは?
○ 今回のポイント 1 収納を「収出」にする?
○ 今回のポイント 2 引き出しは多いほどいい?収納上手は頭の中の整理がいい人!
○ 今回のポイント 3 物の「時間」「空間」「人間」収納は生活行動と同じ!
「収納」は住む人の性格、そしてその家の間取りに大きく左右されます。 収納は人の頭のよさに例えられ「頭の中の引き出しが整理されている」などとも言われます。例え記憶力の良い人でも、知識がいくら多くても整理されていなければいざという時なんの役にも立ちません。筆者は物を覚えることはあまり得意ではありませんが、極力メモを取っておき、後に整理することを心がけています。
収納を「収出」にする?
冒頭でお話ししたように、収納は人の性格がいろいろあるように、住まいにも片付く家と片付かない家の性格があるようです。それは主にその家の収納の状態にあるのですが、さらに住む人の性格によってもその状況はかなり変わってきます。
もちろん物を余り買い込まない人が一番良いのですが、出ている物をすぐに片付けてしまう人も困りもので、一瞬身のまわりはすっきりするものの、果たして使おうとするとなかなか出てこず、仕方なくまた買ってしまうなどということになってしまいます。
「収納」とはまさに”収めて納める”ことで、「収」は収め「納」はさらに奥に納めてしまうということになります。おうようで寛大な人のことを「懐が大きい」とか「懐が深い」などと言いますが、果たして収納も大きくて深ければよいのでしょうか? 大きな納戸や奥の深い物置、奥行きの深い押し入れなど物の下敷や奥に隠れ結局“死蔵”されてしまいます。収納は入れることではなく、出すことすなわち「収出」が大事なのです。
引き出しは多いほどいい?収納上手は頭の中の整理がいい人!
では、いったいどうやって整理をするかですが、それこそ「時間」「空間」「人間」を考えること。そう、収納はまさに人の生活のT・P・Oにシンクロすること!引き出しにインデックスを張り、それを使う「時」と「場」の順、さらに使う「人」のタイミングの順に並べ、日常のこと、さらに季節ごと、そして特別なことの順に連想ゲームのように分かりやすくドラマのように整理し、連想でき、忘れないようにすることが大切なのです。
物はそのまま放置すれば、すぐに忘れてしまいます。だからと言って収納が多ければよいものでもありません。慌てて仕舞うとどこに入れたか忘れてどこに置いたかわからなくなってしまうでしょう。知識なども同じでなかなか忘れてしまったことを思い出せませんね。 まさに収納の引き出しと同じなのです。
物の「時間」「空間」「人間」収納は生活行動と同じ!
朝から夜、そして曜日、さらに春夏秋冬、年中行事、まれな出来事の順に合わせるのです。 そしてその時や場をイメージするといろいろな物がどこにあるかが連想できます。
冒頭でお話ししたように、筆者は記憶力に自信ないため、人の顔をイメージしながらその時の場所などいろいろな事象を思い出し、情景を記憶します。お陰でいつもドラマがいっぱいで楽しくなりますが、それらをすべて覚えていては頭の収納能力が無駄になってしまいます。
そんな時はコンピューターやノート、あるいは手帳にその在りかを示しておきます。まさしく、出しやすい「記憶のマトリックス」です。と、まるで複雑な頭の中の整理術のように思えるのですが、なんてことはありません。住まいの収納に例えるとむしろ分かりやすく、下記にあるイラストのように示せるのです。
<イラスト1:住まいの収納のマトリックス(天野彰)>
上記のように「収納」ならぬ「収出」のための“収納マトリックス”はどうつくるかですが、まずはその使用頻度の「時間」や季節ごとに近づけ遠ざけ、次にその場「空間」は日常の行動に合わせて収納をつくります。そして欲しいところに物があるようにすること、まさにそれは住む人自身からの距離が大切なのです。
収納上手とはまさに人の“頭が良い”と言うことになりそうですが、現実、日常の忙しい毎日の中でいちいち寄り分け収納など簡単に、ましてやそんな上手にできるはずもありません。なぜなら、すべてのものをすべて身のまわりに置けませんし、簡単に整理ができないからです。
そこで次回は"生活に合わせた収納プランとは?"についてお話ししたいと思います。
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