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2025年6月2日(月)
減築リフォーム 家も家族も風通しの健康住宅
耐震のためや、空きスペースを貸すなど減築リフォームのメリットをお話ししてきましたが…。
そもそも減築
とは家を小さくすることが目的ではないのです。近くにスパーやコンビニ、さらにはランドリーなどある利便性の高い都市の住まいで、今の家や生活を見直して簡素化し、さらに未来を想像することなのです。
減築は生活思想であり、哲学でもあるのです。
前回の更新よりもちょっと時間がたちましたが、愚かなことに、うっかり足を踏み外し、右外踝(くるぶし)を骨折してしまいました。手術はボルト8本の緊結接合工事
で上手くいきましたが、なにせ効き足なのと、痛いこととで、その前後が大変でした。
幸い老後
に向けて減築リフォームをしていて、ほどよく狭く二階へは手すりを両側に付けていてなんとか過ごせたのです。
減築は何より風通しが良いこと
かように、減築
は今の家を壊して狭くすることだけではなく、生活スペースを見つめ、空間を効果的に縮め、利用することなのです。すなわち筆者の説く狭”楽”しくする
ことで、施工費も安価でしかも省エネとなり経済的であることと、減築=狭楽しく、はスマートな住まい方で生き方でもあるのです。
そこで改めて今の住まいを見てみましょう。これは戸建てやマンションも同じで、使われない収納や部屋がいくつかあるはずです。しかもそれは雑物の収納や物置同然の部屋で、しかもその物や部屋があることで住まいを暗くし風通しを阻んでいるのです。
そこで、その物や部屋を思いきって取り払ってしまうのです。そう、そこから光と風が入って来て家全体が明るく、部屋の隅々まで風が通るのです。減築効果ですが、戸建ての家はちょうど京都の町家の植栽のような風情となるのです。
減築リフォームで家も家族も健康住宅
2階建ての家は何よりも1階に負荷がかかり余分な強度が必要です。その使われない2階をまるごと取り去ることで家自体が軽くなり、それだけで地震に強くなり安心安全な家となることはお話ししました。
しかし2階建てのままでも2階とも上下同じ部屋を取り去りそこに出来た4隅を新たな基礎から2階までの通し柱で補強することができます。ま、言わば四隅の大黒柱となり住まい全体をがっちり固められるのです。
こうしてできた中庭から1、2階の各部屋に光と風が入り、通気も良くなり、夏は涼しくわが身ならず建物も健康的となり、風通しと陽だまりを駆使し、お馴染み京都の植さいの自然の空調
の心と体に情緒ある優しい家健康住宅
となるのです。
写真:減築で光と風が通る快適な京都の植栽の中庭(天野 彰)
減築は家族関係も開放され、風通しがよくなる!
今まで子ども部屋を広くして
などと言う建て主が多かったのですが、あっという間に子どもたちは成長し出て行って、夫婦だけの無駄に広く寂しい家となってしまいます。
こうして今の家を見てみますと、確かに間仕切りが多く廊下の先に細々と部屋があります。これでは風が通らないばかりか、家族関係も風通しが悪く、子どもたちは個室に籠っています。
そんなことにならように、今、狭くとも家族がいつも一緒にいられるリビングをつくることが重要なのです!
と言うものの、夫が忙しく、妻も共働きのこともあり、子どもたちも学校や塾などと、せっかく家族が家に居るちょっとの間
だけでも皆一緒に居られるリビングです。
そこで、今の家の廊下でつながっている部屋の壁を思い切ってすべて取り去ってイラストのように中庭やサンルームのようにしてしまうのです。その庭
に面した2階を含めたいくつもの部屋に光と風が入り生き返り、何より皆の目線が合い、声も通り、各部屋は常にリビングに面し、“家全体が大きなリビング”となります。
減築リフォームは今やることです!
イラスト:1,2階の部屋を減築して中庭サンルームに / 写真:同上減築してできたサンルーム例(天野 彰)
マンションやアパートも減築で家族一体に
同じことが2LDKや3LDKのマンションでも可能です、子ども部屋との仕切りの壁を取り去れば同じことが可能です、その部分を可動のふすま壁、すなわち引き戸にすれば閉じれば子どもの勉強コーナーなどの個室、開ければ一体!
と夫婦や家族の生活に新たなドラマが生まれるのです。
このことは賃貸のアパートでも仕切りが建具であればふすまを外して同様の生活が可能となるのです。
平面図:2LDK壁を壊しガラス引戸の子どもコーナーに / イラスト;同上断面 / イラスト:同上広くなったリビングを見るスケッチ(天野 彰)
減築
は家を減らすことばかりではなく、閉じ込められた空間を開放して、間仕切りを外すことで家族の生活を間取りに押し込んで固定することから解放することで、家族の生活に合わせて自在に変化させることなのです。
減築は夫婦はじめ、家族関係にも良いのです!これこそが減築
の真髄なのです。
そこで次回は、減築は高齢化社会を救うです。
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