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2026年6月26日(金)
これから注文住宅を建てるとすると、住宅ローン金利はどの程度?(2)おおよそ1年後の住宅ローン予測金利
はじめに
ネクスト・アイズ早坂です。
今回は2026年5月時点において、注文住宅をこれから検討すると仮定しての引き渡し時期、または分譲住宅をこれから建てる、または現在新築中のマンションへの入居が1年後と仮定します。
その条件をもとにした、おおよそ1年後の住宅ローン予測金利について詳しく解説します。
あわせて、住宅ローン変動金利で多く取り扱われている【5年ルール・125%ルール】が、金利上昇局面において、どれだけ将来に禍根(かこん)を残す結果になるか、という点についても解説します。
2027年春の住宅ローン金利見通しと裏付け

2027年春は、日銀の利上げが中立金利(1.1%~2.5%)に向けて進んでいる局面と想定できます。よって、2027年春の住宅ローン想定金利は、2026年5月時点より上昇していることは容易に想定できます。
そこで、楽観的な金利上昇と悲観的な金利上昇のそれぞれについて解説します。
1.2027年春の住宅ローン金利見通しと裏付け
2027年春の住宅ローン予算を計画する際は、現在の超低金利ではなく、日銀の連続利上げを見据えた「厳しい金利上昇シナリオ」で試算することが将来の住宅ローン破綻を防ぐにあたり、安全な資金計画の鉄則です。
日銀は景気や物価を刺激も冷やしもしない「中立金利(1.1%~2.5%程度)」を目指して利上げを進めており、2027年春にはその途上に位置している可能性が極めて高いと考えられます。
2.金利上昇を裏付ける2つの市場シナリオ
標準的な見通し(緩やかな利上げシナリオ):主要シンクタンク(野村證券、大和総研など)や市場のメインシナリオでは、日本の物価上昇と賃上げの定着を背景に、日銀は年1回~年2回、それぞれ0.25%ずつのペースで政策金利を段階的に引き上げると予想されています。
※すでに6月の政策金利引き上げは80%程度の確率と予測されています。
その根拠は、日銀が半年ごとに0.25%ずつの利上げを順調に進め(政策金利は1.50%前後へ)、市場の「後手懸念」が解消されること。また、ホルムズ海峡の封鎖がいずれ緩和に向かえば、インフレ期待も抑制されます。
その条件での金利の動きは、短期・中期金利は利上げに伴い上昇します。
長期金利の動きは、将来の利上げ着地点(ターミナルレート=最終的な政策金利の水準:2.0%前後)をすでに先回りして織り込んでいるため、ここからの上値は重くなります。みずほ銀行(みずほリサーチ&テクノロジーズ)の見通しでも、2027年度末にかけて2.9%近辺へ緩やかにシフトしていくプロセスとされています。この《緩やかな利上げシナリオ》による影響は、2027年春までに政策金利が「0.75%~1.00%程度」へ到達するペースです。
標準的な見通し(緩やかな利上げシナリオ)における店頭金利の予測
変動金利の基準となる短期プライムレート(短プラ)は、政策金利に連動して約0.50%~0.75%程度まで引き上げられます。
厳しい金利上昇シナリオ(今回の試算ベース)
みなさまご承知の《ナフサショック》をはじめ、政府による大規模な為替市場介入にもかかわらず円安が続いている現在。市場の需給構造の脆弱性から「3.0%到達」への距離は一気に縮まっており、以下の条件が重なれば3.0%の壁を突破するリスクが現実味を帯びます。
その根拠は、原油高の収束が見えずインフレがさらに加速した場合や、政府が財源なき大規模な国債増発(積極財政の暴走)に踏み切った場合です。
また、OECD(経済協力開発機構)が予測するように「2027年末までに日銀の政策金利が2.0%に達する」程度の急ピッチな利上げが必要になった場合、長期金利は3.2%程度まで連動して跳ね上がることになります。
この厳しい金利上昇シナリオによる影響として、以下の政策金利が想定できます。それは、2027年春時点で政策金利が中立金利の下限である「1.25%~1.50%程度」まで急ピッチで金利が引き上げられるシナリオです。
厳しい金利上昇シナリオにおける、金利優遇幅縮小という
金利上昇期には、金融機関側が貸出リスクを考慮して、これまで競ってきた「幅広な金利優遇(引き下げ幅)」を縮小させる(渋くする)動きが出始めます。結果として、変動金利型をはじめとする住宅ローンの金利がさらに上昇していきます。
3.2027年春の住宅ローン想定実行金利の根拠
上記の「厳しい金利上昇シナリオ」が現実化した場合、各住宅ローンの金利タイプは以下のように上昇します。
変動金利:1.30% ~ 2.10% 程度
→算出根拠:政策金利が 1.25% ~ 1.50%まで上がると、短期プライムレートは現在の 1.475%から約 2.50% ~ 2.75%まで上昇します。
ここから金融機関の一般的な優遇幅(▲1.20%~▲1.40%程度)を差し引くと、最頻出の実行金利は《1.30%~1.55%》に達します。
続いての可能性として、さらに変動金利が上昇する可能性も想定できます。変動金利の上限金利を《2.10%》とした理由として、以下の可能性を想定しています。その可能性とは、いままでネット金融機関などが主体となって繰り広げてきた激しい顧客獲得競争が終わり、優遇幅が現在の最大「▲2.0%超」から「▲0.6%程度」まで縮小してしまった場合、変動金利の実行金利は《最大2.10%程度》まで跳ね上がります。
全期間固定金利:2.60% ~ 3.20% 程度
→算出根拠:固定金利の指標となる「新発10年物国債利回り(長期金利)」は、将来の利上げ(中立金利 2.0%超への到達)を先回りして織り込むため、2026年5月時点の長期金利は 2.7%台前半まで上昇しています。
2027年5月時点の日本の長期金利(新発10年物国債利回り)は、市場の標準的な見通しでは、いったん高止まり・小幅低下する2.5% ~ 2.8%程度にとどまるとする見方が強い一方、インフレや財政懸念が好転しない最悪のシナリオでは3.0%~3.2%程度まで上振れする可能性があります。
すでに、全期間固定金利における最終実行金利(建物引き渡し時の実行金利)は固定金利の指標である「新発10年物国債利回り(長期金利)」が現在 2.7%台にあることから金融機関の調達コストと利益(約 1.1% ~ 1.4%)を上乗せすると、現時点において住宅金融支援機構の「フラット35」や民間固定金利の最頻出帯住宅ローン金利(全期間固定金利)において募集されている固定金利は、すでに2.0%台後半 ~ 3.0%近くに達しています。
1年後の予算を組むにあたって
上述の通り長期金利が「3.0%の大台」を突破するリスクを踏まえ、【全期間固定金利:2.60% ~ 3.20% 程度】の試算で資金計画を立てておくことが極めて妥当であり、安全であるといえます。
4. 金利上昇を踏まえた具体的な資金計画の目安
以下、2027年5月の金利条件が厳しいとするシナリオ(変動金利 1.7%、固定金利 3.0%を選択)を想定し、借入額 4,000万円・35年返済・元利均等で試算した資金計画の目安です。
金利タイプ(試算条件)
→毎月返済額総返済額と融資初期からの変化・対策
2026年5月現在の変動金利(0.45%と仮定)
毎月の返済額:約 103,000円/総返済額:約 4,326万円
現時点での最安水準。ただし、5年ルールがある金融機関では当初5年は返済額が変わりませんが、内部の利息割合が激増します。
2027年春の変動金利(厳しい上昇:1.70%と仮定)
毎月の返済額:約 126,500円/総返済額:約 5,313万円
(2026年5月より月あたり約 23,500円の負担増)家計の「貯蓄余力」として、毎月 3万円以上のゆとりを持たせる必要があります。
2027年春の固定金利(厳しい上昇:3.00%と仮定)
毎月の返済額:約 153,500円/総返済額:約6,426万円
(2026年5月より月あたり約 50,000円の負担増)借入額そのものを 500万~ 1,000万円引き下げる(予算を縮小する)検討が必要です。
資金計画を立てる際の実務的な《3大鉄則》
1.【返済比率】は変動 1.7%で再計算
現在の金利(0.4% ~ 0.8%)で年収倍率や返済比率(手取り収入に対する返済額の割合)を限界まで攻めると、1年後の実行時に一発で審査落ちするか生活が破綻します。必ず金利 1.7% ~ 2.0%で計算しても手取りの25%以内に収まるかを確認しましょう。
2.変動金利派は「5年ルール・125%ルール」に油断しない
金利が上がっても5年間は毎月の支払額が変わらないルールがありますが、その中身は「利息の支払い」に消え、元金が全く減らない「未払利息」のリスクが生じます。家計の余力(繰り上げ返済用資金)の確保が必須です。
3.固定金利派は「物件契約から実行までのタイムラグ」を考慮
固定金利は「申込時」ではなく「融資実行時(引き渡し時)」の金利が適用されます。
注文住宅や土地から新築の分譲住宅、ならびに新築マンションなどで引き渡しが1年後の場合、現時点の金利で資金計画を組むのは極めて危険です。
次回は、返済比率などの問題から全期間固定金利型を選ぶことができず、変動金利型住宅ローンを選ばざるをえない場合の注意点と対策について、3回にわけて解説します。
このような金利上昇局面においては、おひとりで悩んでいても住まいの資金計画の検討について、【わからないことがわからない】状態に陥りがちです。注文住宅の資金計画に関するご相談は、お電話・メールにて無料で承っております。お気軽にお申し付けください。
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