住宅関連記事・ノウハウ
2026年6月29日(月)
これから注文住宅を建てるとすると、住宅ローン金利はどの程度?(3)変動金利型を選ばざるをえない場合に配慮すべき点
はじめに
ネクスト・アイズ早坂です。
今回は、金利上昇局面にかかわらず、返済比率などの問題から変動金利型を選ばざるおえない場合に配慮すべき点について解説します。変動金利型住宅ローンは、金利変動リスクをご自身(債務者)が負う仕組みですので返済までのライフプランにゆとりがないと、最悪の場合家を手放すことになる可能性があります。
「5年ルール・125%ルール」による、返済額激変シミュレーション

変動金利を選ぶ方々のうち多くの方々が「金利が上がっても、5年間は支払額が変わらないから大丈夫」と安心しがちです。しかし、裏では「元金が減らず、利息だけを払い続ける」という恐ろしい事態が進行しています。
以下の条件で、返済開始から1年後(2年目)に金利が激変したケースを詳細にシミュレーションします。
試算の前提条件
- ・借入金額:4,000万円(元利均等返済・35年)
- ・初期金利:0.45%(毎月返済額:103,111円)
- ・1年後の金利(2年目~):厳しい上昇を想定し 1.70%へ急上昇と仮定
1. 返済内訳の激変(1年後~5年目の現実)
5年ルールにより、金利が 1.70%に上がっても、5年目(60回目)までは毎月の支払額は 103,111円のまま据え置かれます。しかし、その「内訳(元金と利息のバランス)」が以下のように崩壊します。
毎月の返済内訳の比較
| 時期・条件 | 毎月の支払額 | うち元金 | うち利息 |
|---|---|---|---|
| 当初1年間 (金利0.45%) | 103,111円 | 88,141円 | 14,970円 |
| 2年目〜5年目 (金利1.70%) | 103,111円 | 47,798円 | 55,313円 |
つまり、金利が上がった瞬間、毎月支払う10万3,000円のうち、半分以上(約5.5万円)が金融機関への利息(手数料)に消えるようになります。結果として、本来減るはずだった「家を自分のものにするための元金」が、毎月約4万円ずつ削られることになります。
2.6年目の「125%ルール」発動時のインパクト
返済開始から5年が経過すると、ついに毎月の支払額が見直されます。ここで適用されるのが「前回の支払額の1.25倍までしか上げない」という125%ルールです。
6年目(73回目)からの毎月支払額- ・本来、金利 1.70%で35年返済を完結させるために必要な額:約 124,000円
- ・125%ルールによる上限額:103,111円 × 1.25 = 128,888円
- ・本来、金利 1.70%で35年返済を完結させるために必要な額:約 124,000円
- ・125%ルールによる上限額:103,111円 × 1.25 = 128,888円
今回は「上限(約12.8万円)」の方が「本来必要な額(約12.4万円)」より高いため、6年目からは「124,196円」へ値上がりします。
3.5年間の利息支払いで生じた「ツケ」
最初の5年間、元金があまり減らなかったツケは、後半の総返済額に重くのしかかります。
- ・金利が 0.45%のままだった場合の5年後のローン残高:約 3,467万円
- ・1年後に 1.70%へ上昇し5年ルールを通った後の残高:約 3,663万円
たった5年間で、ローン残高に約 196万円もの「減り遅れ」が発生します。この遅れを取り戻すため、6年目以降は毎月の負担が約 2.1万円増え続けることになります。
4.【最悪のケース】もし金利が「3.20%」まで暴走したら?=未払利息の恐怖
2027年春以降も利上げが止まらず、変動金利が固定金利並みの 3.20%まで暴走した場合、さらに恐ろしい「未払利息(みはらいりそく)」が発生します。毎月の利息が、毎月の支払額を超える借入残高約 3,900万円に対して金利 3.20%がかかると、1ヶ月の利息だけで約 104,000円になります。
- ・毎月の支払額(据え置き):103,111円
- ・発生する利息:104,000円
- ・差し引き元金返済:0円(▲889円)
毎月10万3,000円を期日通りに金融機関へ振り込んでいるにもかかわらず、元金は1円も減りません。それどころか、払い切れなかった利息(889円)が「未払利息」として借金として毎月積み上がっていきます。この未払利息は、35年のローン終了時に一括で支払う義務が生じます。
このシミュレーションをもとにした資金計画
1.「5年ルール」は猶予期間
支払額が変わらない5年間は、国や金融機関が助けてくれているわけではありません。「家計を1年後の金利水準(12.5万円~)に合わせて早急に見直すための準備期間」と捉えるべきです。
2.繰り上げ返済資金の重要性
元金の減りが遅くなった分、5年目の見直し前に「繰り上げ返済」をして元金を強制的に減らす、あるいは貯蓄を固めておく必要があります。
3.5年ルール&125%ルールがない金融機関(ネット金融機関など)に注意
近年、ネット金融機関を中心に「5年ルール・125%ルール自体が存在しない(金利が上がったら翌月から支払額が増える)」住宅ローンが増えています。検討している金融機関の規約を必ず確認することが、たいへん重要です。
次回は2回にわけて、金利上昇に伴い未払利息が発生した場合に不可欠な、未払利息対策について解説します。
返済比率などの兼ね合いから、変動金利型を選ばざるをえない方々にとって未払利息対策は、6年目以降の必携対策。【資金計画でわからないことがわからない】注文住宅のご計画に関するご相談は、お電話・メールにて無料で承っております。
関連記事
- これから注文住宅を建てるとすると、住宅ローン金利はどの程度?(2)おおよそ1年後の住宅ローン予測金利
- これから注文住宅を建てるとすると、住宅ローン金利はどの程度?(4)【未払利息】を発生させない年収別上限借入額
- これから注文住宅を建てるとすると、住宅ローン金利はどの程度?(5)万が一【未払利息】が発生した場合の対策
おすすめ特集
人気のある家をテーマ別にご紹介する特集記事です。建てる際のポイントや、知っておきたい注意点など、情報満載!
注文住宅のハウスネットギャラリー






















