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2026年7月2日(木)
これから注文住宅を建てるとすると、住宅ローン金利はどの程度?(4)【未払利息】を発生させない年収別上限借入額
はじめに
ネクスト・アイズ早坂です。
今回は、変動金利型住宅ローンで起こり得る未払利息を発生させない、年収別上限借入額について解説します。
本格的に訪れる金利上昇局面において、変動金利型住宅ローンをご利用のみなさまにおかれましては、いままでの超低金利時代において推奨されていたローンメンテナンス手法とは異なる考え方で未払利息を発生させないようにすることが、たいへん重要になります。

未払利息を出さないための年収別上限一覧表(マトリクス)
変動金利が「厳しいシナリオ(1.70%)」や「暴走シナリオ(3.20%)」に突入した際、未払利息を絶対に発生させない(=毎月の返済で確実に元金が減る)年収別・借入上限額試算は以下になります。
ご自身の安全ラインを見極めるツールとしてご活用ください。
未払利息を出さないための年収別上限一覧(マトリクス)
住宅ローンの審査に通る「借入限界額」と、金利急騰時に未払利息を出さないための「安全限界額」は全く異なります。
この試算一覧は「5年ルール適用中(毎月10.3万円返済)に金利が3.20%へ暴走しても、毎月の利息が返済額を上回らない(未払利息が出ない)上限ライン」を年収別に算出したものです。
前提条件
返済期間
35年(元利均等返済)
現在の借入金利
0.45%
手取り額
年収の約80%(額面年収500万円=手取り400万円)
安全返済比率
手取り収入の25%以内(25%を超えると金利上昇時に対処不能になります)
年収別:借入上限額一覧表(マトリクス)
| 額面年収 (手取り) | 金融機関の 審査限界額 (金利0.45%時) | 未払利息を出さない (1)【安全限界額】 | 3.2%時にも未払利息が出る (2)【危険ライン】 | 毎月の安全積立目安 (金利上昇への備え) |
|---|---|---|---|---|
| 400万円 (320万円) | 約3,100万円 | 2,500万円 | 3,000万円以上 | 毎月1.5万円 |
| 500万円 (400万円) | 約4,400万円 | 3,200万円 | 3,800万円以上 | 毎月2.0万円 |
| 600万円 (480万円) | 約5,300万円 | 3,800万円 | 4,600万円以上 | 毎月2.5万円 |
| 700万円 (560万円) | 約6,200万円 | 4,500万円 | 5,400万円以上 | 毎月3.0万円 |
| 800万円 (640万円) | 約7,100万円 | 5,100万円 | 6,100万円以上 | 毎月3.5万円 |
| 1,000万円 (800万円) | 約8,900万円 | 6,400万円 | 7,700万円以上 | 毎月4.5万円 |
年収別:借入上限額一覧表(マトリクス)の見方と実務解説
(1)【安全限界額】の根拠
金利が3.20%に暴走しても、毎月の返済額のなかに必ず「元金返済分」が残ります。
特徴
手取り収入の25%以内に返済額が収まるため、金利が上がっても家計が圧迫されず、貯蓄を継続できます。
資金計画作成にあたっての留意点
資金計画を立てる際は、この金額を「物件価格+諸費用」のベースラインに設定するのが最も安全です。
(2)【危険ライン(未払利息発生)】の根拠
金融機関の「審査」には通ってしまいますが、金利3.20%になった瞬間に「1ヶ月の利息 > 毎月の返済額」となり、未払利息が毎月積み上がり始めるラインです。
特徴
額面年収に対する「年収倍率」が7倍~8倍を超えているケースが多く、現在の超低金利(0.45%)を前提に限界まで借り入れた場合に該当します。
資金計画作成にあたっての留意点
すでにこのラインで借入を行っている、または購入予定の場合は、変動金利ではなく「全期間固定金利」への変更か、親からの資金援助(頭金の増額)による借入総額の引き下げが必須です。
(3)「毎月の安全積立目安」とは?
変動金利で借りる場合、現在の金利(0.45%)での返済額とは別に、家計から強制的に先取り貯蓄しておくべき金額です。
1年後~5年後に金利が1.70%~3.20%に上昇した際、この積立金を取り崩して「繰り上げ返済」を行うことで、未払利息の発生を未然に防ぐ(=元金を強制的に減らす)ことができます。
未払利息が発生してしまった場合の解消ステップ(=繰り上げ返済シミュレーション)
変動金利が3.20%まで上昇し、実際に「未払利息」が発生してしまった場合の具体的な解消ステップと、発生した未払利息を消すための繰り上げ返済シミュレーションを作成してみました。
万が一「未払利息」が発生した際、危機管理マニュアルとしてご活用ください。
未払利息の発生から完全解消までの《3ステップ》
万が一、金利暴走によって「未払利息」が発生した場合、ただ毎月の返済を続けているだけでは借金が増え続け、35年目の最終回に数百万円の一括請求(未払利息の精算)という最悪の結末を迎えます。この事態を根本から解消するためのステップは以下の3つです。
(1)シミュレーションの前提条件
すでに危険ラインで借り入れてしまい、未払利息が発生したケースを想定します。
- ・初期借入額:4,500万円(35年返済・元利均等返済)
- ・現在のローン残高:約4,400万円(返済開始から1年後、2027年春を想定)
- ・暴走金利:3.20%
- ・毎月の支払額:116,000円(5年ルールで据え置き中)
(2)この時、裏で起きていること
- ・1ヶ月の利息:4,400万円×3.20%÷12ヶ月=117,333円
- ・毎月の未払利息:116,000円(返済)-117,333円(利息)=▲1,333円
- ・結果:毎月11万6,000円を支払っても元金は1円も減らず、毎月1,333円ずつ借金が増えている状態。
解消ステップ(1)安全積立金から「250万円」を期間短縮型で繰り上げ返済
未払利息を止める唯一の方法は、「ローン残高を減らして1ヶ月の利息を毎月の返済額(116,000円)以下に抑え込むこと」です。
貯めておいた「安全積立金」から250万円を「期間短縮型」で繰り上げ返済します。
繰り上げ返済直後の変化
ローン残高
4,400万円→4,150万円に減少
1ヶ月の利息
4,150万円×3.20%÷12ヶ月=110,666円
毎月の元金返済分
116,000円-110,666円=+5,334円
効果
利息が毎月の支払額を下回ったため、未払利息の新規発生がなくなります。
毎月の支払いのうち、5,334円が元金の返済に回るようになり、自力で残高が減る状態へ復帰します。
解消ステップ(2):蓄積された「過去の未払利息」を最優先で一括精算
ステップ(1)で「毎月の未払利息の発生」は止まりましたが、それまでに積み上がってしまった「過去の未払利息の残高」が金融機関のデータに残っています。
落とし穴
金融機関のルール上、繰り上げ返済(追加入金)を行うと、その資金はまず「未払利息の消し込み」に充てられ、残りが元金の返済に回ります。
アクション
ステップ(1)の250万円の入金により、それまでに溜まっていた数万円~十数万円の未払利息は自動的に全額精算(消滅)されます。
これで過去の未払利息(ツケ)が完全にリセットされます。
解消ステップ(3):6年目の「125%ルール発動」に備え、家計を固定金利並みにシフト
5年ルールが終了する6年目(2031年春)になると、毎月の返済額が125%の上限まで引き上げられます。
6年目からの新しい返済額
116,000円×1.25=145,000円(毎月2.9万円の負担増)
ステップ(1)で元金を減らしていれば、この「145,000円」の返済によって、毎月の元金返済ペースが大幅に加速します。
何の対策もしなかった場合
- ・6年目時点のローン残高=約4,410万円(増えている)
- ・5年目の最終回に請求される額=約480万円(一括請求)
250万円を繰り上げ返済した場合
- ・6年目時点のローン残高=約4,120万円(順調に減少)
- ・35年目の最終回に請求される額=0円(完全解消)
本シミュレーションの総括
変動金利で「危険ライン」まで借り入れる場合、1年後~5年後の金利暴走時に「一回で200万~300万円を繰り上げ返済できる手元資金(安全積立金)」があるかどうかが、破綻と生存の分かれ目になります。
その手元資金が用意できない場合は、現時点で予算(借入額)を250万円以上下げるか、最初から固定金利を選ぶべきです。
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