住宅関連記事・ノウハウ
2025年4月1日(火)
“家の本質”子供の成長を促す家へ
【1】子どもたちに “家の本質”のパワーを教える?
親の背中を見せる難しさ
「子は親の背中を見て育つ」と言われますが、現代では共働きで親が家にいる時間が短く、また、父親が仕事で疲れていたり、母親も疲れているため、子供に親の背中を見せることが難しい状況です。
親子の対話と家の役割
そこで、少ない親子の対話の時間を大切にするため、週末に最大限の親子の接触ができるような家づくりを考える必要があります。親子のイベントを家の中で行うことで、子供に親の生き方を伝えることができます。
一般的な子育てと家の形
現代の親は、子供に子供部屋を与えて勉強させ、高い教育を受けさせることが使命だと考えているかもしれません。その結果、3LDKや4LDKといった一般的な家の形に落ち着くことが多いでしょう。しかし、リフォームや新築の機会に、もっと独創的で家族で楽しめる住まいにすることで、子供に親の生き方と背中を見せることが重要ではないでしょうか。
親の背中とは
親の背中とは、私たちが親や祖父母から学んできたことです。もし田舎があるなら、その育った田舎の家と暮らしを思い出すだけで良いのです。それこそが“親の背中”なのです。
【2】懐かしい良さから学ぶ

便利さだけではない
現代の暮らしは非常に便利ですが、少し不便だった昔の暮らしにも、懐かしい良さがあったはずです。そのことを思い出すことから始めましょう。
不便さの中の創造性
モダンなショールームで最新設備を見るのではなく、あえて不便だった頃を思い出してください。自分の部屋や机がなかった時代でも、私たちは創造性を発揮し、遊びを見つけて楽しんでいたはずです。

【3】子供が育ち、親は安心して老いていける家
創造力を育む
不便さの中での工夫や経験は、創造力を育み、自らが進むべき道を選ぶ力につながります。もし親の勧めで今の道に進んでいる場合は、それが良かったのか、あるいは嫌だったのかを考えてみましょう。
家づくりの重要性
なぜこのようなことが家づくりで大切なのでしょうか?それは、家は単なる箱ではなく、家族の成長を見守る場所だからです。設計者は、家族が“本質”から外れることなく暮らせるように、子供たちが育ち、親が安心して老いていけるような家を設計する必要があります。

【4】“家の本質”子供の成長を促す家へ
変わらない“家の本質”
家は形や構造が変わっても、“家の本質”は変わらないと信じています。それは、家族が共に過ごし、成長し、安心して暮らせる場所であるということです。
原体験と日本人の住まい感
設計者は、自身の原体験や、京都などの古都に残る民家、農家、そして世界を旅して感じる日本人の“住まい感”を理解している必要があります。設計者は、それらを元に、家族にとって最良の住まいを提供しなければなりません。50年にもわたる設計活動を通して、その信念が正しかったことを確信しています。
“家の本質”を守る
どんな家でもリフォームでも、“家の本質”を守れば、間仕切りのない独創的な間取りが生まれ、家族がいつも集まる家となり、子供たちは親の背中を見て育ち、家族は未来へと進むことができるでしょう。これこそがあなたの“家の本質”であり、家が持つパワーとなるのです。

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