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「オレの部屋」「アタシの部屋」の所有権を与えず“貸す”?!勉強好きにする創造空間!
1 勉強好きにする創造空間「みんなの書斎」?!
最近は親子や夫婦までがメールでことを済ませ、密度の濃いリアルでアナログな会話が減少しているとも言えるのです。このような中で、住まいは親子が濃密なコミュニケーションを取れる場所にしなければなりません。特に子育ての最中の夫婦は双方が一緒に接する機会をできるだけ多くつくる必要があるのです。それを広く設備が整った快適な子ども部屋を与えてはさらに触れ合う時間は少なくなります。やはり子ども部屋は最小限のスペースにして家族のLDKこそ広く快適にすることです。
子ども部屋が快適で居心地がよければ子どもは家に帰っても家族の居るリビングにはなかなか出てきません。玄関からそのまま子ども部屋に直行して、まるで親の家に住む“下宿人”のようになってしまいます。一日中部屋で過ごすようになるのです。共働きでただでさえ親たちも忙しく、家族が顔を会わせる時間も減って親子や兄弟との会話も無くなってしまいます。
このコラムで何度もお話しするように、子ども部屋は子どもたちが着替えたり、寝るためだけの部屋とし、最小限の広さとするのです。立体子ども部屋も勉強机を子ども部屋から出してさらに限界まで縮めるのです。その外側に二つの机を置くとそこに父親の書斎デスクも置けます。これはまさしく親子の書斎コーナーです。ここでは子どもたちにいろいろ教えてやることもできます。
この子ども部屋から浮いた面積分をリビングやダイニングキッチンなどに足して少しでも広く快適にするのです。その広くなったリビングダイニングに書斎コーナーのような場所をつくります。これはまさしく家族全員の書斎で、パソコンコーナーなどにして家族が並んで勉強や家事をしたり、あるいは大きなテーブルを囲んで一緒に勉強したりするのもよいのです。こうして魅力的で楽しいリビングダイニングはいつも家族が居て、引きこもりの子ども部屋などにはならないのです。
2 「オレの部屋」「アタシの部屋」の所有権を与えず“貸す”?!
肝心なことはその子ども部屋の与え方です。ドアで締め切られる快適な部屋にしないことですが、新築やリフォームの際図面上に子ども部屋とは描かず、父親の“書斎”やお母さんの“アトリエ”とするのです。その部屋を子どもたちが成長するまで子ども部屋として“貸す”と言う姿勢です。これは、家は親のものであってその一部を子に“貸している”と言う意識が大切と言うことです。
私が折あるごとにこう話すと、親御さんたちは「私もそのようにしているが」とか、「そこまで冷たくは」とか、中には「子どものために建てる」などと、子を思うその意見の多さに驚きもしました。
そこで、すでに子どもたちに各個室を与えてしまっている場合でも“貸す”姿勢に戻すことや、子どもたちとさらなる“交流を取り戻す”ことも出来るのです。夏休みや年度の始まりを機に気分を一新、出来れば模様替えなどで、毎年ごとに彼らの部屋を交換させる提案をするのです。これが受け入れられれば子ども部屋の大掃除ができると同時に“所有権”もなくなり「オレの部屋」「アタシの部屋」とはならないのです。
3 子ども部屋の机の配置一つで変わる親子関係?!
どうしても部屋の交代が難しいようであれば、彼らの部屋の中のレイアウトの変更を提案します。それこそ机の配置一つで家族との交流が深まるのです。窓際、つまり家の中から外を向いた机の配置にせず、イラストのように部屋のドアを開けた壁際に置き替えるのです。
さあ、これでどうでしょう。子どもの机は家族の一番近いところに向き、ドアを開けた途端「こんにちは」と言う位置関係になります。
子どもは窓の外に気を取られることなく勉強に集中できます。また親子が疑心暗鬼にもならずに済むのです。
できれば入り口のドアも常に開け放しができるように外開きではなく、内開きか引き戸にでも改造できればこのドアは常に開いたままとなるのです。
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