住宅関連記事・ノウハウ
2025年4月1日(火)
狭いトイレや浴室こそ贅沢に!~サニタリーは機能優先でいいのだろうか?
狭いトイレや浴室こそ贅沢に!~サニタリーは機能優先でいいのだろうか?
トイレやバスルームは狭い空間ですが、このトイレを“用を足す”だけの空間にしてしまわずにもっとゴージャスなサロンにするのです。狭いマンションやアパートこそ、このトイレやバスルームを広くゴージャスにすることが大切で、反対にどんなに大きな家でもこのトイレが貧弱だと、家も家族さえ貧弱に見えてしまうのです。しかし現実は狭いマンションだからと、バストイレも狭く玄関も狭いのです。しかもその仕上げや設備もそこそことなるのが一般的です。特に最小空間のビジネスホテルなどはその経済効率からとうんと狭くしかも安普請につくり、あの耐震構造までも偽装しようなどと言う悲しい事実もあったのです。

これこそとんでもない間違いです!同じ狭さのビジネスホテルでもトイレや浴室などの設備を広くゴージャスにするだけで宿泊費が2、3千円アップと高くなってもいつも満室となるのです。このことはマンションや賃貸のアパート、さらに建売り住宅などの小住宅にも同じことが言えるのです。もともと狭い玄関やバストイレはいかに大理石張りなどの豪華な仕上げにしたところで狭い空間がゆえに一戸あたりの施工費はさほど変わらないはずです。これで毎日高級ホテルのスウィートの豊かさになれるのなら安いものです。

サニタリー空間の再考
トイレや浴室といったサニタリー空間を、単に機能的な場所としてではなく、より贅沢で心地よい空間として捉え直す提案です。狭い空間こそ、その質を高めることの重要性を説きます。
2 トイレ浴室をもっと創造的な空間に
トイレや入浴をすることは今までの生活や思考の流れを変えることができます。議論が行き詰っても、事態が窮地に落ち入っても“トイレタイム”を取るとびっくりするほど考え方や状況が変わることもあるのです。特にバスタイムは日常生活から裸になって我に帰り、過去を振り返り、未来を見すえる創造的な空間でもあるのです。
狭いトイレはその狭さゆえ落ち着いて、かえって“個”が開放され、邪念もなくなり正直になれるのです。しかもすべての神経を集中することもでき新たなアイデアや創造も生み出されるのです。まさしくあのロダンの“考える人”そのもので、大袈裟に言えばこれからの人生さえも変えかねない重要な“思考の場”でもあるのです。このトイレや入浴は普段の生活と違って家族から離れて “個”となる貴重な時間となる重要な空間なのです。別に何かを創造せずとも、快適でゴージャスな気分となり、楽しみの憩いの場となるだけでも気分が変わり人生さえも変わるのです。しかもこの先さらに歳を取れば、必然的にトイレや入浴の回数は増え、その“滞在時間”も確実に増える大切な空間となるのです。

トイレや洗面脱衣室は「化粧室」とも「パウダールーム」とも言われるとおり女性にとっては美容のための“美を創るアトリエ”でもあるのです。しかしだからと言って過剰装飾や過剰設備にするのは問題です。最近のマンションや住宅展示場などには、ミラーハウスのような鏡張りを多用したり、テレビがあったり、まるでイルミネーションのような照明にするなどが目立ちますが、よく見るとやはりその仕上げはクロスやプラスチックの域を出ていないものも多いのです。
やはり無垢の板貼りや御影石などの本物の石張りなどの素材とし、しかも湿気などの調湿や臭気対策の珪藻土などの自然素材や健康材料を多用するなど空気までも変えるのです。
創造性を刺激する空間へ
トイレや浴室を、単なる日常的な行為の場ではなく、創造性を刺激する空間として捉える提案です。その空間が持つ可能性と、質の高い素材の重要性を説きます。
3 トイレバスルームを透明間仕切りで広々?!

マンションなど集合住宅では水回りのリフォームは難しいものです。特にトイレは太めの排水管(直径10センチほど)がコンクリートの床(スラブと言う)を貫いて下に落ちていて、これが階下の天井裏を通って配管ダクトに流れて込んでいるのです。従ってこのスラブ下配管をやり直すことは不可能なのです。言い換えればトイレや浴室の排水配管の位置さえ変えなければ便器の交換や浴槽は床上でも可能なのです。最近は設備機器のメーカーなどがリフォーム界に参入してきて、リフォームのための新しい衛生機器やサニタリーシステムなどが開発され、大幅な改造が可能となりました。しかも便器もコンパクトになっていてその分空間も広々とできるのです。
その便器も排水管を中心に回転させて向きを変え、間取りを変えるなど、かなりのイメージチェンジもできるのです。同様にバスルームはユニットバスの進化により簡単に取り替えられ、部屋の床を少し上げるだけでバリアフリーにするなどのリフォームも可能となりました。狭いトイレも小さめの洗面器などでコーナーを化粧台にして壁面を鏡にするとさらに広々と豪華になります。2LDKなどではトイレや洗面脱衣室などの仕切りもエッチングを施したスモークガラスにしたり、イラストのように思い切ってすべて透明なガラス間仕切りにして、大理石などの見せるカウンターとしたり、間接照明などで柔らかな光にすれば家全体が広々とした心地よいリラクゼーションルームになるのです。


これからのサニタリーリフォームはただバリアフリーや機能のために機器を取り替えるだけではなく、その仕上げや空間を贅沢にし“色っぽく”デザインすることで若々しさを保つ秘訣です。もちろん老いの身体に優しく温かいリフォームとし、いざ倒れたときなどの緊急通報や、さらに老いても自力で這ってでも行ける“水洗おまる”のようになるようベッドとの位置関係などを考えて行なうのです。
透明間仕切りで開放感を
水回りのリフォームにおける透明間仕切りの活用を提案します。限られた空間を最大限に活かし、開放感と広々とした印象を与えるためのアイデアを提供します。
関連記事
おすすめ特集
人気のある家をテーマ別にご紹介する特集記事です。建てる際のポイントや、知っておきたい注意点など、情報満載!