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建築家 天野 彰 「場」に「時」を加えることが現代の「“間”取り」~IT社会では「間」ではなく「場」

「場」に「時」を加えることが現代の「“間”取り」

核家族でしかも家族のだれもがモバイルやCPで社会と繋がっているIT社会で住まいの設計で忘れてはならないことは、なんと、意外にも近くに居ながらばらばらで、あのLDKはおろかDKや階段ホールのような、“すれ違いの空間”a life without talkingの通り道のような「場」こそ、重要なのです。私はこの「場」をあえて現代の“間”と呼んでいるのです。
間とは部屋ではなく、あの束の間、またたく間の“間”で、空間ではなく、時すなわち時間の“間”なのです。

今こうして住まいに、生活に時間を取り入れ重視することによって住まいの大きさは最小限にすることができるのです。

LDKで家族が集まって勝手気ままなジャンボテーブル(画:天野 彰)
LDKで家族が集まって勝手気ままなジャンボテーブル(画:天野 彰)

その機能とはその場がダイニングながら、家族の勉強の場、あるいは仕事場になるなど、時間差によって多目的にいろいろ変化するジャンボテーブルのような家族が“同時に”勝手気ままにいろいろなことを多重にすることなどです。

この“多目的”と“多重”は既に空間ではなく家屋の生活の時間を重視したものです。同一空間を時間で使い分けることは、一日あるいは行事だけではなく、長い人生の変化にも対応するものなのです。しかも住まいだけではなくビルや病院施設などその機能あるいは用途などまでを随時変化させるコンバージョンの手法とも言えるのです。狭く限られた都市の住まいこそ、私は時間の“間”を重視し、いろいろな実験を繰り返してきました。お茶のお稽古や和服を畳むなどのように和室が欲しい!そんな家族にLDKの壁の中から「床の間付きの和室が出て来る!」折り畳み?和室や、来客の多い家のリビングの片隅に壁からベッドが出て来る “ブルートレイン式客間”などをつくったりもしたのです。

こうした“空間のない「間」”のアイデアの詳しくはのちの機会に譲るとして、これからの住まいは、家族一人一人の日常の行動とその必要の時間差を考えることが重要です。夫婦や子どもを一つの家族としてひとくくりにして「間取り」で考えると、家は今まで通りの「間」すなわち「部屋」の連続体となってしまいます。しかし家族を一人一人の「人間」の「個」としてとらえ、子どもたちが一緒に行動する“時”をつくり、いやむしろ、彼らが一緒に居たいと思える、ふところのような“場”をつくることによって新しい時代の家が生まれるのです。

左:イラスト LDの壁から和室が!右:イラスト 多重ブルートレイン式2段ベッド(画:天野 彰)
左:イラスト LDの壁から和室が!右:イラスト 多重ブルートレイン式2段ベッド(画:天野 彰)

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建築家 天野 彰建築家 天野 彰

建築家 
天野 彰

岡崎市生まれ。日本大学理工学部卒。
「日本住改善委員会」を組織し「住まいと建築の健康と安全を考える会 (住・建・康の会)」など主宰。住宅や医院・老人施設などの設計監理を全国で精力的に行っている。TV・新聞・雑誌などで広く発言を行い、元通産省「産業構造審議会」や厚生労働省「大規模災害救助研究会」などの専門委員も歴任。著書には、新刊『建築家が考える「良い家相」の住まい』(講談社)、『六十歳から家を建てる』(新潮選書)『新しい二世帯「同居」住宅のつくり方』(講談社+α新書)新装版『リフォームは、まず300万円以下で』(講談社)『転ばぬ先の家づくり』(祥伝社)など多数。

 一級建築士事務所アトリエ4A代表。

 一級建築士天野 彰 公式ホームページ
 一級建築士事務所アトリエ4A ホームページ

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