住宅関連記事・ノウハウ
2026年3月22日(日)
どんな家がこれからの家となるのか?(5)
これからの家は“トゥモローランド”にあるのだろうか?
住まいの本音とその原点をいろいろと考えてみますと、なるほどわが国固有の住まいのカタチはすでに伝統的な過去のものとなり、自然環境との適合から生まれた「傘の家」すなわち「屋根の家」の本質はそのフレーム構造を模しただけの一つのデザインフォームとなり、さらに室内、すなわちインフィルはインテリアの趣向の一つとしての「和」のスタイルとなっているのです。
それは前回にも示した “寅さん八っつぁん”の江戸の裏長屋に見る時代の舞台感覚か、料亭や店舗デザインのフォーマットとなり、その空間の本質はすでに西欧の対自然の「壁の家」となっているのです。
わが国の「傘の家」に西欧風を取り入れながら、ついには根本から解体して、今の家が主流となったのです。それがわが国の近代化であり技術革新なのです。そしてある日「傘の家」は突然ベニヤ板製の「壁の家」となり一気に世界でも例のない工場で量産化され、さらに世界一のシャワートイレ付きの家となったのです。半世紀にも満たないたった3,40年の間のことです。
こうして今のわが住まいの変遷を見つめると、それらが存在する周りの環境はすでに世界一となった自動車産業はもとより鉄道、さらには土木建築技術の進化にて、都市そのものも、無国籍の世界のどこにでもある新興都市の様相となり、東京などの湾岸地域は砂漠の真ん中に登場する人口的で脆弱な映画“トゥモローランド”の様相を示しているのです。しかしこのことを誰もが追従しているかのようであり、その流れを止めようとする兆しもないことが気がかりです。

しかし一方ですでに居住環境は確実に劣化し、各地で異常気象も多発し、これからの家は「居住存続の本質」を確実に求めるものでなければいけないと思うのです。密集した都市に住む以上はある程度の壁は必要で、高層化もやむなしですが、肝心の「壁の家」の住まい方と文化に慣れていないと言うことが実情で、そこに、唯一“裸足で住む”私たちとのアンバランスと違和感が生まれているのです。
高層マンションもまたしかりで、超高速のエレベーター開発や超高層のための耐震に目を奪われ、本来の火災や停電時の住人個々の安全がおざなりとなり、ちょっとした地震でも多くの人が閉じこめられ、高潮や液状化によって陸の孤島となり、高層階のわが家へ戻ることすら困難となるのです。ちょっと考えればわかるようなことが判断されない世の中となっているのです。
私はわが家を持つことになって初めてそんなことに気づき、今までの気の遠くなるほどの長年に渡って培われた生活体験から生まれた「傘の家」の原点に戻ることに気付いたのです。
その家づくりの体験と戸惑いを「居住のソフトウェア」(講談社現代新書)なる本に著し、そこで大胆にも「居住の経済学」「居住の物理学」さらには「居住の心理学」そして「居住の生理学」などとあえて4つのジャンルに分けてそのソフトウェア(らしき)提案をしたのです。なんてことはありません。そんな学術書ではなく、日常の生活さらには家づくりにおいての実際の体験談や感想を集大成したものでした。
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