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2025年11月29日(土)
住まいの文化(6)食う寝るところ棲むところ
はじめに

イラスト1:傘の家(画:天野彰)
現代こそ高気密外断熱の家となり窓は小さくしかも「箱の家」となっているのですが、これは明治に始まりさらには戦後の西欧式壁の家となり、まさしく造りやすい寛敏なベニヤの家となっているのです。その間わずか100年にも満たない欧米式の家で、柱と梁と屋根だけの伝統的軸組の家は貴重な“特別な家”となっているのです。
今この軸組の桧(ひのき)の家がなぜか西欧や急激に経済成長したアジアの富裕層に大人気となっているのです。これこそ本質的な家の価値が世界的に見直されて来たのだと私は悦にいっているのです。
今改めてなぜ気候風土と真っ向から異なる西欧式の家が今のわが国の家の主流となったのかを考えてまとめてみますと、大いに官僚主義による経済、金融そして税制によることが分かりますが、戦後の“取りあえず”の掘立小屋から公団住宅や文化住宅など、圧倒的優位のGHQ思想と、急激に始まった都市集中の無策な国土政策によるものです。市民はやはり“取り合えず”の「持ち家思想」となり、分譲住宅は高層化され結果、区分所有なる訳の分からない権利に縛られ、今日に至っているのです。
今、私たちは改めて変わらぬ気候風土の中で日本の家の思想と文化を取り戻す義務があるのです。これこそ経済成長を遂げた大人たちの本当のレガシーと思うのです。こちらでも何度も取り上げ、提案して来た、集中した都市での風通しの良い防災住宅の「町家」(前回)の例、さらには極寒多湿の白川郷の高断熱“高通気”の何百年も持つ集合住宅の「合掌造り」の知恵、さらにはワン・スパンのユニバーサル・プラン「方丈庵」。そして驚くべき千年以上も後の世に伝える収蔵庫「正倉院」の知恵。

イラスト2:熊さん八っあんの江戸裏長屋(画:天野彰)
写真:高断熱の藁の屋根と高通気の妻側障子(天野彰)
今私たち建築家は「桧の家」などと口や形で形骸化はするものの、果たしていまだ本質を具現化できているのでしょうか
改めて「食う寝るところ棲むところ」の熊さん八さんの江戸の裏長屋四畳半のホンネの住文化と都市文化の偉大さが懐かしいのです。
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