住宅関連記事・ノウハウ
収納は難しい?(3) 玄関と寝室のウォークインクロゼット
―「家の中にポケット収納を!」とは物との合理的な共存法なのですが、なんとわが国の住まいは古来これを伝統的に実践していたのです。まさしく季節の模様替えや行事ごとに出して使い、またそれらを仕舞うのです。―
○今回のポイント 1 すっきり収納のコツは、家の中に持ち込まず玄関やキッチン回りへ収納する
○今回のポイント 2 季節ごとで必要なものを出し入れする日本の収納
収納は、玄関とキッチン回りがポイント
すっきりした生活を守る収納の第一のコツは、まず家の中に持ち込まないことです。まさしく庭先の納屋や蔵です。まさしく現代の玄関先のシューズ・クロ-ゼットであり、台所のキッチンパントリーpantryや、家事のためのユーティリティー utility roomだったのです。
<写真1:玄関のシューズ・クローゼット(設計:天野彰)>
さらにあの柱と屋根だけの開放的な家の中にも厳重な壁の部屋があったのです。それが納戸であり塗籠なのです。ここだけは木舞壁で塗って固めまさしく「塗籠」なのです。これが住まいの中で大切な物をしまう納戸であり、そこが主人の寝床でもあったのです。まさしく現代の寝室にあるウォーキングクロ-ゼットで大切なものなどをしまうのです。
<夫婦寝室のウォーキング・クローゼット(画・設計:天野彰)>
住まいの収納は季節ごとに仕舞う=「ポケット収納」!
ところで“しまう”とは「仕舞う」、なんと「仕」分けて「舞う」、なんと美しい言葉なのでしょう。私は住まうとは住んで美しく「舞う」すなわち「住舞う」ことだとも解釈しているのです。
なんとそれこそがあの納戸、名こそ違い現代のウォークインクロゼットであり、季節ごとに仕「舞う」のです。これが住まいの「ポケット収納」です。
次回は使いにくい「押入れ」の改造についてお話しします。
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