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建築家 天野 彰 家相はどこまで従う(5) 設計教本ならどう従えばよい?

○今回のポイント 1 家相の根底にあるのは、家族が快適に暮らせる考え方
○今回のポイント 2 全て家相通りは難しいからこそ時代に合わせて変化する家相
○今回のポイント 3 「町家」は狭い都市部の家で適度に家相をとり入れた家

こうして家相の方位の共通点を調べその原因を調べてみますと家相には、単なる縁起担ぎや八卦ではなく家と住む人の深いかかわりがあることが分かります。

どの部屋にも光と風が通るシンプルな間取りで開放的空間。(居心地)
シンプルな間取りで住む人がスムースに動きやすい。(動線)
間取りに懐(ふところ)があり余裕があり豊かさがある。(安らぎ)
家族や住む人の溜まり“場”がある(居場所)
光と風の流れを意識し抑制する「張り」と「欠け」がある。(環境)
骨組みと壁のバランスがよく地震・台風の災害に配慮。(安全)

などなど、気候と時間さらに住む人の行動と起こりうる火災などの危険に対処した体験的で歴史的なことが底辺にあることが分かるのです。なんとこれは現代の家づくりでも最も重視すべき注意点でもあるのです。それに加え住む人のドラマや運命までも示し注意し、その効果までを喚起していることに驚きます。

なんと“家族重視”の家づくり

家族との関係がよさそうな部屋のつながり間取り。(配置)
敷地、土台、床下に水周りに湿気が回らず水はけが良い。(健康)
老親と本人、さらに子夫婦と孫と四世代までが一緒に住む。(世代同居)
最後までわが身を支えてくれる間取り。(自助自立)
狭くても広々とした狭“楽”しい間取りで省エネ。(経済)

なんとこれは、“ハウス”から“ホーム”となった現代の住まいづくりの教本とも言えるのです。

しかも、その指示にはいろいろな緩和?や方位の良し悪しと、その中間さらに幸運の方位の段階を示し、その方法を説いているのです。なんとこれこそ日本の季節や風土さらには地形ならではの「いい家」を建てる先人たちの家づくりの知恵の集大成であることが理解できるのです。
そうであればこれはできるだけこの家相に従った方がよさそうですが、そうは言っても実際にはなかなか家相盤の通りには行きません。トイレや玄関が少し鬼門の北東に引っかかったり、キッチンが掛ったりしてしまうこともあります。

そんなとき、家相家によっては人が出入りするそれらのドアさえ当たらなければ大丈夫とか、便器に当たらなければ良いとか、さらに現代はほとんどが水洗なので汚水桝など汚水系が溜まるようなところを避ければよい?とか、キッチンもレンジなど裸火は避け、IHレンジなら良い?などと、時代に合わせた現代家相家もいるのです。

都市ならではの中庭を立体的にとらえた風の通りの良い町家(画:天野彰)
<イ都市ならではの中庭を立体的にとらえた風の通りの良い町家(画:天野彰)>

「町家」は都市部で家相をとり入れた家

こうして気になることを取り除いて、ひょっとしたら良いことがあるかも知れないなどと思って暮せるのは楽しいことです。しかしなによりもこうして家族皆や設計士などとプランを真剣に検討している間に家族一人一人の想いや好み、さらなる家族の将来の姿などが見えて来て、改めて家相を検討することは良いことだと思うのです。

が、都市に住み狭い敷地に軒を連ね、目いっぱいの家をつくり、庭も猫の額ほどでとても家相どころではありません。しかし早くから都市に住む都の人は壁で区画してコートハウスの方が合理的と、町家を生み出したのです。
このコラムでは何度も出てくる町家の家は、本来中庭は凶相と言われているはずですが、逆に中庭プランの見事なほどに家相を守っているようすが伺えとても興味深いものです。

次回からはリフォームでいかに災害を防ぐか?「減災」のお話しです。

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★毎週土曜日 最新コラム公開中!   次回お楽しみに♪

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建築家 天野 彰建築家 天野 彰

建築家 
天野 彰

岡崎市生まれ。日本大学理工学部卒。
「日本住改善委員会」を組織し「住まいと建築の健康と安全を考える会 (住・建・康の会)」など主宰。住宅や医院・老人施設などの設計監理を全国で精力的に行っている。TV・新聞・雑誌などで広く発言を行い、元通産省「産業構造審議会」や厚生労働省「大規模災害救助研究会」などの専門委員も歴任。著書には、新刊『建築家が考える「良い家相」の住まい』(講談社)、『六十歳から家を建てる』(新潮選書)『新しい二世帯「同居」住宅のつくり方』(講談社+α新書)新装版『リフォームは、まず300万円以下で』(講談社)『転ばぬ先の家づくり』(祥伝社)など多数。

 一級建築士事務所アトリエ4A代表。

 一級建築士天野 彰 公式ホームページ
 一級建築士事務所アトリエ4A ホームページ

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