住宅関連記事・ノウハウ
2025年11月29日(土)
マイホームにかかるお金(2)坪単価で比較はあくまで目安
はじめに
今回は、必ずといっていいほど住宅会社の比較をするときに使う【坪単価】について解説しましょう。
家の値段を示す【坪単価】とは、床面積1坪あたりの工事費を指します
この【坪単価】の計算・表記には、明確な決まりがありません。床面積といっても、施工床面積(ベランダ・小屋裏収納・車庫・玄関ポーチなど)で計算するか、延床面積(部屋の床面積の合計)で計算するか、住宅会社によって異なります。
よって、全体の床面積が広くなる施工床面積のほうが、見かけ上の坪単価は安くなります。
また、設備費(エアコンなどの冷暖房設備)を含んで坪単価を算出する住宅会社と設備費を含まず施工床面積を計算している住宅会社では、計算基準が異なるため単純に坪単価での比較はできません。
あわせて、各社を比較検討するときに陥りがちなことですが、坪単価計算は家の大きさ、使う建材、間取り、キッチン、バスの設備によって大きく異なります。従って、狭小住宅だからといっても、建物の大きさに比例して建物の価格が安くなるわけではありません。同じように、キッチンやバスなどの住宅設備だけを普及価格帯に下げているからという理由で坪単価が大きく下がるわけでもありません。
その理由は、住宅の工事費にかかる原価のうち、住宅を建てる材料費は約50%ほどで、残り50%程度は職人さん(例:大工さん・基礎をつくる職人さん・設備工事にかかる職人さん・電気工事にかかる職人さん・内装工事にかかる職人さん・住宅を建てるときの足場を建てる仮設工事の職人さんなど)の人件費や設計費・監理費などが含まれます。
建設業界では、これらの専門家や職人さんは一般的に契約を請け負った住宅会社と雇用契約を結んでいない会社、または個人事業主がほとんどです。
材料費は、いくら普及価格帯の商品を選んでも、そう大きく下がるものではありません。いわゆる『企業努力』で価格を下げると謳っていたとしても、専門家が対応する設計費・監理費は価格を下げられません。
となると、職人さんたちの人件費を抑える程度しか、コストダウンできる方法は残されておりません。職人さんの人件費を抑えるということは、すなわち職人さんの日当(日給)を下げることにつながります。
無理な値引きは欠陥住宅をつくることに繋がるので要注意
そこで、読者のみなさまも、職人さんになったつもりで考えてみましょう。
いままで、日当(日給)20,000円(交通費・社会保険料・税などが含まれた金額)で請け負っていた職人さん(会社)が、取引先からの強い要請で1/4の1日5,000円で請け負うことになってしまったとします。1日5,000円のなかには、現場までの交通費・社会保険料・税なども含まれます。交通費・社会保険料・税などの支出は、日当=1日あたり売上が減ったから、といって、すぐに下げられる支出ではありません。
でも、日当=1日あたり売上が1/4になってしまったとしても、その仕事を請け負わなければ、その取引先から次の仕事をいただける保証はありません。となると、その現場で赤字になったとしても請けざるおえない、という気持ちになりますが、次の現場で累積で黒字になる保証はありません。このようなことが続くと、当然のことながら職人さんのモチベーションは低下してしまいます。
しかし、新築住宅については、引き渡しから10年間の住宅瑕疵担保責任に対する備え(供託、または保険)が義務づけられています。住宅瑕疵担保責任の範囲は、構造耐力上主要な部分および雨水の浸入を防止する部分の瑕疵(何らかの欠陥・不具合)に限られています。となれば、住宅瑕疵担保責任の範囲ではない部分で、時間あたり生産性を高める=手間を減らす必要に迫られるわけです。
欠陥住宅や工事の手抜きなど、何らかの欠陥・不具合を買い手の立場で語ることは誰でもできます。しかし、このような事情を理解したうえで、作る側の切羽詰まった事情を考えず無理な値引きを強要し、結果として何らかの欠陥・不具合を声高に主張することとは、いかがなものでしょうか。
先に解説した通り、坪単価を比較することが根拠のないものである以上、坪単価をもとに声高に値引きを主張することとは、結果として入居後に何らかの欠陥・不具合を引き起こす原因になり得るのです。
読者のみなさまも、住宅の価格形成過程をしっかり理解していただいてから、工事にかかる費用・そのほかにかかる費用の内訳をみていただくことで、住宅にかかる費用が、より深く理解いただけることかと思います。
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